「だめ……入れちゃ、ダメ」
「おねーさん説得力ないって。濡れてる濡れてる。イカないと、おねーさんも辛いでしょ」
いいから入れろよ、って、和之、夕太を促す。
夕太、私の足、一杯に開いた。バイブより熱いもの、押し付けた。
「夕、太……っ!」
「入れる、よ」
やっとねーちゃんとヤれる。そんな夕太の声、聞こえた。
夕太の腰、動いた。
夕太と私、離れてる距離、急いで縮めたくて。
ほんの少しの距離、縮めるのに、
「……あ、あっ」
押しつけた夕太のさきっぽ、夕太、捻じり込む。
「いや、ねえ、いやああっ!」
バイブのときと一緒。私が狭くて入らなくて、いらいらしたみたいに、力任せに体、進める。
「痛っ………。あ、ああ……っ」
少し入ったの、怖くて、逃げようとするの押さえつけて、もっと、入れてくる。
指や、バイブが入ってたのより、もっと、奥。ずっと、奥。
「いやあ……」
ギシってベット軋んで、体重、夕太がかけるたびに、ギシって音と一緒に、ズズって、少しずつ、奥に、入る。
「う……ん……」
そこから引き裂かれるようなな感触、てのひら握り締めて、声、押し殺して我慢した。
「……っ……んんっ…」
痛くて。
……熱、くて。
おかしくなる。
夕太、相手に。
「声、出して」
和之の声、耳元で囁く。それが、私の脳味噌、直撃した。
「あ…………」
からだ、体で犯されて、脳味噌、声で犯される。
私の中、ぜんぶ、おかしい。
「ねーちゃん、オレの名前、呼んで」
いや。首、振るのに。かけられた体重、重くて。
夕太の声、かすれてて。切羽詰ったみたいに、私、呼ぶから。
ねーちゃん、て、私を、呼ぶから。
「呼んで、オレの名前」
私の中の夕太、私、刺激する。
……あ。
機械じゃない。夕太の意志で、夕太が、動くから。
「……あ」
私の声、喘いだ。
私の喘ぎ、諦めたみたいに、急かされたみたいに、夕太、呼んだ。
「……夕、太」
夕太、少し、びっくりした顔した。
私の声、夕太が思ってたよりずっと、夕太を刺激した。
「すっげ、……気持ちいい」
夕太、ためらうことしなかった。無邪気に笑って、最後まで入れてくる。少しずつ、確実に。
「夕……太……痛、い。も、いや……」
「ダメ。も、少し」
「夕太……っ」
「怒っても、ダメだって。……全部、入れさせて」
「……ゆ……た」
私、うわ言みたいに、夕太、呼んだ。夕太、謝るみたいに私の頬、撫でる。手、冷たかった。
……熱いのに、冷たくて。
「ねーちゃん、……ねーちゃん」
全部入ったよ、って、言った。
冷たい手に誘われて、目、開けた。夕太の顔、すぐ近くにあった。
近くにあったのに驚いて、腰、退こうとして、背中、和之に押さえられた。
後ろから回ってきた手、私の腰、なぞった。
「………んっ」
私の声に挑発されて、私の中に沈んでた夕太、我慢できないみたいに、ぶるって、震えた。
「足りない……」
入れてるじゃけじゃ足りない。
止まっていられない。
「動くよ」
「………や」
「我慢、できないんだ」
しぼり出すような声。
夕太が、動いた。
「……んんっ」
普段はなににも触れてない内側の皮膚、夕太が、こするから。
私、生の傷口触られたみたいに、声、あげた。
なににも抵抗できなくて、夕太の入ってるところ、もどかしくて。
背中に和之の体温感じながら、
「ああ……あ……」
手、和之のシャツ、掴んだ。
「ねーちゃん……」
夕太の動き。
夕太……。
…………夕太。
気が、遠くなりそうになるの引き戻すみたいに、和之、
「いいね、よく感じてるよね」
私の耳、噛んだ。
「気持ちいーでしょ?」
「や……違、う」
和之のシャツ、きつく掴んだままの私、
「説得力ないよ、ホント」
楽しそうにして、私の手、縛ってたコード、緩めた。
自由になった私の手、なにか、求める。
「僕でよかったら、どうぞ」
そんな和之の声に、しがみついた。
「イキなよ、おねーさん」
「……っ」
私、もう、吐息でしか返事できなかった。言葉にできない感覚、喉元まで、込み上がってた。
「ねーちゃん、オレ、イキそう」
夕太の声も、上擦ってた。
「ねーちゃんっ」
私にしがみついてくる。その反動で、
「………っあ」
私、爪、白くなるほど、和之に抱きついた。
和之、さらに夕太促して、夕太に、突き上げられて、
ズクンって、私の腰、跳ね上がった。
「あ、……んああああっっ!」
悲鳴みたいに喘いだ声、一番天辺で、
爪、食い込むくらい和之にしがみついた。
そこが、最後だった。
もうどこにもいけない。
息、できなくなって、開いた口、空気求めて、
喉つまって、からだ中に夕太だけ感じて、夕太しか感じられなくて。
なのに。
「気持ち、よかったでしょ?」
視界の端っこで、和之が笑った。
私、夕太に抱かれたのに、私、和之、見てた。抱かれるのの、一番最後のところで、和之だけ、見てた。
「……ね……ちゃん」
ズクズク、夕太と一緒になってるとこ溢れて、それに連鎖するみたいに私、夕太締め付けてたの、わかった。無意識だった。あそこ、もう麻痺してて、ただ、夕太の動きに合わせてた。
それが、夕太に快感を与えたみたいだった。
夕太が私に与えたように、私が夕太、感じたみたいに、夕太も、感じてた。
「……んっ」
夕太、声あげた。
ドクンって、波打ったみたいな夕太の感触、した。夕太、大きく息、吐き出した。
「……気持ちいー」
夕太に、抱き締められた。
「初めてのわりには、気持ちよさそうにイケてよかったね」
リズム、めちゃくちゃになった呼吸繰り返してぐったりする私に、和之が言った。
「おねーさん、やっぱいいわ。今度は僕とやろーね」
私にだけ聞こえるように、言った。
「覚えといてね、次は、僕だよ」
和之は最後まで、笑ってた。