もっと……
「もっと、感じなよ」
背中壁に押しつけて、逃げられなくて、指、もっと奥に割り込んでくる。
指、ゆっくり出入りし続けた。
「…………んっ」
和之の指、慣れたふうに優しく動く。
夕太は、乱暴。
私、シーツ、握り締めた。
「ねーちゃん……」
我慢できないみたいに、夕太、もっと指、入れようとして、
「バカ、膜、破けちゃうだろ」
和之、いきなり指、抜いた。夕太も一緒に抜いてた。
「夕……太……」
急いで足閉じて、もう嫌、ってお願いする。
……もう、いや。ヘンだよ。頭の奥、ぐらぐらする。
「夕、太………」
かすれた私の声、びくん……て、夕太、反応した。
「おい、和之」
「まだダメ。おねーさん濡れてないもん。気持ちは良さそうなんだけどなあ。入んないよ、これじゃ」
もう少し我慢しろ、って夕太に言って、和之、私の耳元、口、寄せた。
和之、私の髪、優しくかきあげた。
「おねーさん、もう諦めたよね? もう、抵抗、しないよね?」
「……和之……」
「覚えた? そう、僕、和之だけどね。抵抗しないなら、ちゃんと優しくしてあげるよ。あ、手は縛っとくけど。体、そう、僕に預けて」
「いや……小川くん……」
「はいはい、今、慣れとけば、次は小川クンともバッチリおっけー。でもしょうがないから、処女は夕太にあげてよ」
「いやっ」
少し、我に返った。
力、目一杯振り絞って起き上がろうとするの、髪、掴まれて引き倒された。
髪の毛、痛い。
「もう、いや……」
出てくる涙、和之がなめた。
逃げないように髪、掴まれたまま、指、また膝のところから這い上がってくる。
「いや。そこ、もう……いやぁ……」
「はいはい、すぐに嫌じゃなくなるからね、おねーさん」
添い寝するみたいに、和之の重み、のしかかった。指先が、入り込む場所見つけて、そこで動いた。
「……っ……ん……」
ヒクって、喉の奥、ひきつった。
小川くんのこと、もう、頭になかった。
「声、出していいよ。そのほうがさ、見なよ、夕太、ビンビンになってんの」
指、入ってくる。
入れては、すぐに出す。奥まで入れない。
「おねーさん、自分ですることないの? 濡れないねぇ」
足、閉じてるのに、無理矢理押し入ってくる。
「なんかなあ……初めてってタイヘン」
うーんてうなって、夕太にカバン取るように指示した。
そこから出したもの、
「バイブだよ」
にって笑って、私にわざわざ見せてくれた。……太い、棒……。
「なめて」
「や……」
「いいから、さきっぽだけでいいからさ」
無理矢理口に突っ込まれた。息、できなくて、それ、なめた。
口の中、それでいっぱいになった。
喉の奥に当たってむせるの、和之、おもしろそうだった。
「女の子のそういうカッコ、ぞくぞくするよね」
言いながら、もういいよって口から抜いて、指より何倍も太いそれ、指の代わりに押しつけてきた。
「いや……、ムリ……」
逃げ場所、ない。
「心配しなくても、入るよ。てゆーか、入れるし」
和之、まるで自分の入れるみたいな恰好して、それ、押し込んできた。
……冷たい。
「あ……」
ぐいって、ねじ込むようにされた。
入ってくるの、わかった。
いっぱいまで押し広げられて、隙間なんてない。きちきちに、内側、軋むみたいだった。
逃げたくて腰、浮かした。それ、まるでさいそくしたみたいだった。入れやすくなったみたいに、和之、さらに、押し込む。
「ああっ……!」
引き裂かれるみたいな痛み。
「いやあ、痛っ……」
「平気、平気。ぜんぜん全部入れてない。さきっぽ太いから、そこ、やっと入っただけ」
いい終わるより先にカチって音がして、
ぶいーん、て、それ、動き出した。
「………っ」
私、逃げるみたいに和之にもたれかかった。
それが、動くから。
振動が、じわじわ体中に広がった。
「あ、あ、あ……」
痛くて。
今すぐやめてほしくて。
縛られたままの手、震えた。
「……和……っ」
「痛い? それで、怖い?」
ギュって誰かにしがみつきたい。
力が入らないの、無理矢理みたいに、手の平握り締めて我慢する。
「っあ……っ。和……之……っ」
「痛いけどさ、気持ちよくて、自分がさ、どっかイっちゃうみたいに怖かったりしない?」
和之、私の頭、撫でた。
「イキなよ。イキたいんだよ、からだがさ。怖くないから、イっていいよ」
「……あ、あ……」
声が止まらなかった。助けを求めるみたいに和之を見た目、涙目で、和之、目を細めた。
「僕が欲しくなっちゃうよね」
ま、今回はやめとくけど、って、片手で私の手、握って、少し、バイブ深く入れた。
「あう……ん」
「いー声」
ズルって、なんか急にそれ、もっと深く入ってきた気がして、和之の胸に、顔、押しつけて我慢した。
私、呼吸、荒くなる。機械的な動き、痛くて。痛みに悶えてるのに、もっと違うものに弄ばれているみたいで、感じるの止められなくて、それ以上ちょっとでも違う刺激与えられたら、おかしくなりそうだった。
「あ、あ、あ」
機械が動くたびに、内側に刺激、与えられて。
「いや……嫌……、私、ヘン……」
「ヘンじゃないよ。もうイキそう?」
「よく、わかんな……い」
そう、でも気持ち良いんだ。って、さらって言って、バイブ、抜いた。
「………っ」
私、息、吐いた。やっと息、大きく吸えた気がした。
開放されたことに安心した。でも、まだ、終わらない。
「お、いいね」
和之の指、確かめるみたいに、バイブの入ってたとこ、触った。ぬるん、そんな感触。
「……な、に……?」
透明に濡れてるの、和之、見せてくれた。
「もっと、入れたいってさ」
「や……」
「だから、いや、じゃなくて。欲しいから濡れるんでしょ。来いよ、夕太」
「ねーちゃん……」
夕太のズボン、前のところ、ぱんぱんだった。夕太、自分でチャックおろして、
「入れるよ」
って、言った。
私、首振った。
いやだ。冗談にならない。
「バカ、おまえゴムははめとけよ」
和之がコンドーム投げた。
「なにこれ、どーやんの?」
「なんでどいつもこいつも始めてかなあ」
「いらないじゃん、そんなん」
「おまえ絶対、中で出すだろ。いいから、はめとけ」
会話の間に逃げようとするの、簡単に、掴まえられた。
「じゃー、やろうか。おねーさん」
和之が力任せに私の足、開いた。
夕太、そこに割り込んできた。
張りつめたもの、夕太、私の中に入れようとする。
機械じゃない……夕太が……。
思ったら、体中熱くなった。
違う、夕太が欲しいわけじゃない。
私、和之、見た。
和之、笑った。
「ダメだよ、今日は、夕太で我慢しときなよ」
「でも……和之……」
「でも、じゃないって」
「……嫌。夕太は、ダメ。……絶対」
なのに、体、熱くて。
熱いの、どうにかしてほしくて。
どうにかする方法、知らなかったから、和之、見たのに。
「やれよ」
和之、夕太に、そう言った。