7.30(木曜日) ゆめとうつつ。
夕暮れ時に別れを惜しむ恋人たちがいます。あれは彼女のアパートから帰る彼氏の姿でしょうか。部屋は二階。階段を下りていく彼氏を、彼女は階段の上から見送ります。彼氏は階段を下り、名残惜しそうに一度、手を振りました。彼女の振ります。アパート前の道を、彼氏は何度も振り返りながら行きます。彼女は階段から身を乗り出して見送ります。彼氏のいく道の先は行き止まり、右へと折れます。曲がっていく時、彼氏は曲がっていくのが辛そうに何度も何度も振り返っては手を振ります。やがて意を決したように曲がっていきました。と、思ったら、戻ってきてまた手を振ります。何度も振ります。そのうちにやっと、曲がっていきました。もう戻ってくることはありませんでし…………いえ、戻ってきました。走って戻ってきました。全力で今来た道を戻ってきて、アパートの前の道も走り抜けて、アパートの階段を駆け上がって、彼女と熱い抱擁を交わしました!!
という、生シーンを見ました。
会社の帰りに、車に乗って、エンジンかけようかなとおもってたら、階段を下りていく彼氏さんをみかけて、しばらく見てました。アパート前の道は細いので、彼氏さんが行っちゃってからわたしは車を出そうと思ってたんです。
そしたら!!
戻ってきたよ。全力で戻ってきましたよ。
うわあ。
ちょ、なんのドラマの撮影ですか月9ですか、とか思って見てて、その後抱擁を済ませた彼士さんはそのあともう一度、曲がり角から消えたと思ったら全力疾走で戻ってきました。
わたしはちょっと思いました。
はよ君ら帰れ。
ドラマとかなら感動シーンかもしれませんが、実際に見るとちょっと、どうコメントしていいのかわかりません、でし、た。
むしろなにもかも作り物めいていて、かえってにせものっぽいなあ、とか思いました。
でもきっと彼らの燃え盛る愛の炎は誰にも消せはしないのでしょう。
という光景を二日続けてみたときはほんとどーしよーかなーと思いました……。
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