日記……のような……


2007.8〜


8.30.(木曜日) 昨夜見た夢は


 なんか知りませんが、父親が碇ゲンドウさんでした。
 別に最近の復活エヴァンゲリオンブームに乗っているわけではありませんよう。
 とにかく父親が碇ゲンドウさんでした。
 わたしは碇シンジくんな様子で車の助手席に座り、ゲンドウ父は車の運転をしていました。わたし的には大変いたたまれない、というか、どうしていいかわからない状況でした。
 手のひらを握り締めて、景色を楽しむ余裕もなく、自分の膝ばかりを眺めていました。なんだかとにかく、父親の機嫌を損ねないことだけを考えていたような気がします。びくびくしてました。迷子のキツネリスです。逃げちゃ駄目だ。
 でもほんとはよく見てみると、別にパパは不機嫌でもなければなにか怒っているようでも、話しかけるなオーラを出しているわけでもありませんでした。ただただ、わたしがびくびくしていただけです。
 目が覚めて思い返せば、
「父さん僕にWii買ってよ。みんな持ってるんだ。僕だけ持ってないんだ」
 とか言ったら、なんだか気前よく買ってくれそうな、そんな雰囲気だったよーな気がします。
 このギャップはなんなんでしょうか。
 ていうか、あの夢はなんだったんでしょーか。
 妙にセル画チックな夢でした。


8.27.(月曜日) カロリーあったらピンチ


 このお盆あたりから、なにやらわたしのコーラの消費率がすごいです。多分、町内一くらい。……アパート内一くらい。
 カロリーゼロとかダイエットのだとか、味の違いがなんとなくよくわからないので、その辺は適当に。でもノーカロリー物で。
 しかし、そのコーラブームもやっとこ去ろうとしているようないないような。
 今はコーラよりもカルピスのがいい、な。
 すっきり甘いか、まったり甘いか。
 ……最近アルコール類を手離せません、とかよりは、まあ、いいか、な??


8.25.(土曜日) とりあえずサイトも見れているうちは


 激しい胃痛で目が覚めた朝、あまりの痛みに起き上がることができなかったので二度寝したら(起きれなくても寝れたらしい)、次に目が覚めたときにはなんともありませんでした。あれ、夢かな?
 今朝は激しく胃が痛かったわけですが、お昼、どうしてもくっちゃんのチャーハンが食べたくなってくっちゃん(ラーメン屋さん)に行きました。ここの量がただものではありません。幼い頃はよく祖母と通ったくっちゃん、間に十年ほどあけましてまた最近通っています。妹とラーメンセットをひとつ、たのみました。ひとつ、です。ラーメンとチャーハンのセットで、840円。セット、というからにはセットらしいセットがでてくるとお思いでしょうがところがどっこい、まるまる一人前のラーメンとチャーハンが出てくるのです。しかも、ラーメンはともかく、チャーハン、大盛。普通盛りなんだけど、どう見ても大盛り。うっかりオレは大食いなんだぜと大盛りをたのむとえらいことになります。そんな普通盛りなのに大盛り。
 ひとつのセットのラーメンとチャーハンを半分ずっこします。出されたものは残さず頂く、という教育の元育ってきましたが、どうにも食べ切れません。ギブアップ。おなかぽんぽん。ぽんぽこぽん。
 夕飯も友人と外食でこれまたぽんぽこぽんで、きっと明日の朝も胃が痛そうな気がします。自業自得です。食べ物万歳。


8.24.(金曜日) 業務連絡??


 えええと。
 日曜の日記の件、なのですが、どうもレンタルサーバーさんの現状をつかめず、もしかすると明日にでもサイトが見れなくなっちゃうのか、それともまだサーバーさんが精算をしますと言っている11月辺りまではなんとか大丈夫なのか、なんだかトンとわかりません。
 委託をするというレンタルサーバーさんでアドレスを変えないまま契約ができる、というのならそれに越したことはないのですが、それもどうなっているのかよくわかりません。
 が、もしも遊びに来ていただいたときに「あれ? ゆらゆら……さん消えちゃってるわあらまあ」と思われても、なんだか、ええええと、そうなってから(かどうなのか)とりあえず移転等の告知ができるようにはしてもらえるらしい、ので、「もう消えちゃったしな、行方不明だな。これで永遠におさらばだな」と見捨てずに、手のすいたときにでも、移転先の確認に来ていただけると嬉しいです。そのときは、激しくお手数かけます。すみませんです。
 ぷっつりと消えてしまわないうちになんとかなるといいなあ、とちょっとのんきに思っているうちに、なんとかなるといいなあ……。とりあえず、なにからすればいいのかよくわかっていない、そんなステキな状態です。


8.20.(月曜日) 昨日は動揺しましたが


 そういえばハリーポッターを見に行ってきたのです。ハリーポッター。
 ルーナかわいい。
 吹き替えがあるときは面倒なのでなるべく吹き替えを見るようにしています。ルーナ、吹き替えの声もラブリーでした。
 なんかあの、ちょっと自己完結気味な喋り方がかわいいと思います。
 後半ハリーと行動を共にしていた五人が、なんであの五人なんだろう、と疑問を口にしたら、本を読んでいる妹が、なんかいろいろ説明してくれました。本をちゃんと読んでいると、別に不自然な五人でもないようです、ね。へえ。
 ということで、本をちゃんと読みなよ、と勧められましたが、何度読んでも、いじめのシーンが怖いのでパスです。映画なら、自分の意思とは関係なくシーンが進んでいきますが、本は自分の意思で読み進めなければならないので辛いです。
 いじめといえば、ハリー父のやんちゃっぷりにびっくり。そりゃあんた嫌われるよ。
 すねいぷせんせーが敵か味方なのか、これでますますわからなくなってきました。味方だったら、ひととしてすごくいいひとだと思います。ぜんぶ色々計算のうえだとしたら、ちょっと惚れます。敵なら敵で、べつにぜんぜん計算なんてしていない感じのところがまた惚れます。


8.19.(日曜日) 姉さん事件です


 つい先ほど、サーバーをお借りしているレンタルサーバーさんからメールが届きました。
 内容はずばり、
「このたび、急なことですが、営業を終了することとなりました。サーバーがいつまで使えるかの保証はできません」
 ……て、あの。
 なにか事情があるのでしょうが、これじゃ、明日にでも使えなくなってもおかしくないよーな書き方、でないですか??
 またサーバーさん探しの旅が始まります。それはいい。まあいい。面倒だけどいい。
 問題は、なにはともあれ。
 移転の終わらないうちにサーバー使えなくなっちゃったらどーすんのかな。と。
 ……どーすればいいのかな、どーなのかな。あわわわわ。
 なんかそんな急なことなら、せめてメールを金曜とか土曜のうちにくれれば、休日使ってサーバーさん探ししたのに。うう。


8.18.(土曜日) 猛暑


 なにやら大変忙しいらしく、自分は見にいけそうもないから、と妹が前売りのハリーポッターのチケットをくれました。タダで。
 …………タダで!
 雪は降りませんが、猛暑です。異常気象です。
 でもよく考えたら、ランチおごらされたり、なんだか知りませんが発売中のララDXを買わされたりしているので、トントン以上だと思います。
 ララDXは夏目がほんわかしました。赤い髪の白雪さんのお話がかわいくて、シュガーファミリーで笑えます。頑張れ子狐さんと薬師さんとお兄ちゃん。
 ハリーポッターは明日見に行く予定です。映画館混んでるかな??


8.17.(金曜日) オタクの聖地に行きたかったのに行けなかった今年の夏の今日と明日はお仕事します


 さて。気分を変えまして。

「性格バトン」を頂きました。
 ええええええと、ヒノさんと上海しろさんからでございます。
 奇しくも(?)おふたりとも「大人」指名……そ、その「芳雪」はわたしで間違いないんでしょーかどーなんでしょーか。どこかの違う芳雪さんじゃないんでしょーか……間違ってたら大変申し訳ない勢いです。
 えーとえーと。
 ↓
 バトンスタート。


●自分で思う性格
 気は優しくて力持ち。そんな素敵なレディを夢見るうちに乙女の時代を過ぎました。のんびりして見えるのは動きがのろまなだけで、すごくいい加減でけっこう短気です。よ。

●人に言われること
 「変わらなくて安心するー」
 ……そろそろそんな自分が心配なお年頃です。
 
●男女関係なく友達の理想
 たとえば、背中合わせでもたれっこしあって自分の好きなマンガとか雑誌とか小説とか読んでいられたり、テレビ見たりゲームしたりできる、ような。
 そんで、おもしろかったり悲しかったりするシーンを、「ちょっとここ見て」って言い合える、ような。
 自分の世界に入り込むわけでも、自分の世界を無理強いするわけでもなく、ただ好きななにかを、教えたり教えてもらったり、聞きたかったり聞いてあげてもよかったりする、ような。


●好きな異性の理想
 真っ直ぐ、なひと理想。ビジュアル的には、うーんと、まあ、ほれ、眼鏡委員長タイプ、みたいなー(手塚部長みたいなー)。
 単純に、姿勢が悪くないと安心します。
 傍にいて欲しいときにいてくれれば、それに勝るものはないと思います、けど。

●最近言われて嬉しかった事
 「あれ、痩せました?」
 たとえ0.1グラムも痩せていなくとも。女性ですからっ。


●バトンの送り主は見たことある?
 ヒノさん、しろさん、共にありますですよ。

●送り主の印象?
 ヒノさん。
 ちっちゃいな……かわいいな……っ。ぐりぐりなでまわしてもいいかな……っ。
 でもうっかり気軽に撫で回したりすると、その五倍くらい撫で回し返されそうな、語彙の豊富さとかその使い方のセンスとか、なんかこう、ぎゅっとつまっているような感じに勝手にびっくりします。見た目に反して重たい金属、を手にしたときのような……なに言ってるのかわからなくなってきましたが、なにはともあれ、小脇に抱えて持って帰りたくなる感じでかわいいです。
 しろさん。
 思い出すしろさんは、パステルカラーで輪郭をかいたような、なんだかぽわんと優しい感じなんですが、実際にお会いすると、もっときちんとくっきりとした輪郭のあるお嬢さんです。
 うっかりとしたことをいったら鋭いツッコミが入りそうな感じは気のせいでしょうかどうなんでしょうか。でも入ったことはないような気がするのですごく気のせいかもしれません。
 目線が真っ直ぐな、愛らしいお嬢さん、と言う印象、です。


●次に回す人(思い浮かんだ人を入れてください)
 え、こんなに? 
 そんなにお知り合いさんがいないので、苦し紛れにヒノさんとしろさんも強制参加。あ、でも、リターンではないので、バトンは回していないことにしてください。
 他の方も、あのその、お時間ありまして気が向いたら受けてたってやってください、です。

 クール:ヒノさん。でもかわいいんですけどね。

 残酷:

 可愛い:しろさん。うん、かわいいとおもいます。

 癒し:

 格好いい:いろはさん。「女性」という感じが。素敵、に思えて。

 面白い:
 楽しい:

 美しい:まさみさん。なんだか真っ直ぐな感じで。

 頭が良い:
 礼儀正しい:

 大人:月子ちゃん。わたしに飽きずになっがい付き合いをしてくれています。

 子供:


8.15.(水曜日) わたしにとっての戦争、とは


 小学生のときに、おじいちゃんやおばあちゃんに戦争の話を聞きましょう、という宿題が出たので、聞きました。
 関東大震災を体験していた祖母は、いつでも9月1日には、「おばーちゃん、おひつだけ持って逃げ出しちゃってねえ」とまるで笑い話のように、語っていました。
 朗らかでひとなつこくて、優しかった、という記憶はありませんが楽しくて、元気がよくて、大相撲を見ながらいっぱい飲むのが大好きな祖母でした。
 そんな祖母が、口を閉ざしました。
 思い出したくない、とひとことだけ言いました。
 その祖母の姿が、わたしの目にした戦争のすべて、です。


8.14.(火曜日) 妹、その愛


 桃をむいていた妹が言いました。
「おねーちゃん、桃の種あげようか?」

 ……できれば実が欲しい。です。
 と言ったら、贅沢だな、と言ってくれませんでした。自分の分は自分でむいて食べました。


8.13.(月曜日) ふと気がついた!


 連休……と言うことで気がついたんですが。
 うむ、もしかしなくて、服がない。
 先月くらいに洋服の引き出しの中のあまりにしっちゃかめっちゃかぶりにさすがにこれはやばいだろ、と整理をしたんですけど。もうなんていうか、酔っていたかのように、気前よく、それはもう潔く整理をしたんですけれど。
 ……整理をしすぎて服が、ない。
 なんか、三日分くらいのローテーション分くらいしかない、ようなことに気がつきました。いえ、キャミソールとかは異様にあるんですけど、その上から羽織るもの、とかがない。
 うーん、なんて計画性なく捨てちゃったんだわたくしめ。
 そういえばここ最近の週末は同じ服ばかり着ていたような気がします。一週間に一回だからあんまり気がつかなかったヨ。でも連休はきびしいヨ。
 この連休中にバーゲンとかいけるといいな☆
 早くしないと秋物でそろっちゃいますよね。
 通販のカタログなどもぞくぞくと秋物〜冬物が届きはじめていますが、うん、まだ長袖は要らない。プリーズ半袖。


8.11.(土曜日) ツンデレ、といえば。


 今日まで出勤、明日から盆休み、です。
 長期休暇に入る前に、本社に用事がありまして尋ねたところ、本社の女の子たちが楽しそうに仕事をしていました。
 A部署からきた子が、総務の子に何やらを頼んでいます。総務の子は「しょーがないからやっといてあげるよ」と忙しそうにするので、A部署からきたコは、他にもいろいろ話をしたいことはあるけどあんまり長居してもな……という様子で「じゃあ、お願いします」と去ろうとしたところ、総務のコが「え、もう行っちゃうの?」とかわいらしく言いました。A部署のコは「このツンデレめーーーーー」と言いながら立ち去っていきました。
 なにその小芝居。
 と微笑ましくわたしは見守っていました。
 しかし、A部署のコが立ち去ったのち、総務では、こんな会話が……。
「今、あのコなんて行って去ってたの?」
「『トンデモ』?」
「ちがうよ『どんだけー?』じゃないの?」
 と、議論は続きます。
 どうも、どうやら、「ツンデレ」って知らない、様子。

 ……いえ、わたしもようやく最近その意味を解してきたわけですが。
 そんなに……そんなに一般市民には蔓延していない言葉なのか、そうなのか、そうなんですか。
 そんなにおたく用語ですか??
 え、じゃあ、A部署のあのコは??

 まだまだむやみに、そういった言葉は使わないほうがいいのかな、どうなのかな、と悩んでみた暑い夏日でした。……ツインテール、とか、さ。


8.10.(金曜日) 子猫


 忙しい朝、どこからともなく、にゃーにゃーみょーみょーと泣き声が聞こえるので窓を覗くと、子猫がっ。最初は一匹。
 あ、子猫だ。
 と文字にすると冷静ですが、かなり子猫にめろめろな感じで見つめます。
 ふと、目が合ったような気がした瞬間、泣き声が、みょ? と途切れたりしてかーわーいーいーじゃーないかーこーのーやーろーーー。
 それから、子猫が二匹に増えます。三匹になりました。四匹になりましたっ。
 なんかみょーみょーみゃーみゃー大合唱です。
 最近毎晩うるっさくどこかで鳴いている猫は君らかっ。
 ああ、でも、なんか朝からみるとらぶりー。
 ずっと見てたーい。会社なんてどーでもいー。というらぶりーさでした。
 猫、ちっさい。片手でうひょっと掴めるくらい。ちっちゃいーーー。黒いーーー。シマシマーーー。
 もう会社なんかどーでもいいやー、という気持ちになりましたが、しぶしぶ出勤。
 ああああ、かわいかった☆

 近所には野良猫、多いです。帰りも見かけます。野良の、あの俊敏な動きにめろめろです。
 以前ペットショップで見た、野生を失った、もうなんていうかお腹見せて眠ってるような猫は、それはそれでまたかわいいんですが、やっぱり野生のあの、ふ、人間になんか掴まんねーよ、という俊敏さと、かと思えば、朝から愛らしさを発揮するあのツンデレぶりがたまりません。


8.9.(木曜日) 暑い……ですね


 会社では一日中寒いくらいにクーラーがかかっていますが、家に帰ると常温です。自然と共に生きています。扇風機も生温かい、そんな日本の夏。
 もうほとんど水のようなぬるーーーーいお湯にちゃぽちゃぽつかる、そんな一日の終わりのお風呂が幸せです。


8.7.(火曜日) 二日もかかった……駄文


 先週の土曜は市の花火大会でした。地元河川敷で2万発。
 ……多分、大変えらいこっちゃの花火大会、だったんではないでしょーか……。

 ということで、小話でこんな花火大会。
 糖度あほめ。
 いろいろ都合よくできていて、長いわりにオチもヤマもありません。
 暇つぶしの暇つぶしの暇つぶしくらいにどうぞ、です。





 8月4日(花火大会)


「え、河川敷に? やだやだ絶対行かない。花火は間近で見れるけど、あんなおしあいへしあいのひとごみ、ぜーったいやだ」
「なんでだよ、いーじゃん、浴衣着ていこーよー」
 という話し合いは何度かした。結局日菜が意見を押し通した。
 友久はしょんぼりする。
「かーさんが、おまえの浴衣まで用意したってゆーのに。着付けるのも楽しみにしてんのに」
「……それ、色々間違ってるから」
「あ、自分の浴衣ぐらい持ってるか、そうか」
「えええと、持ってないけど」
「じゃあ、もらってやれよ。ここはひとつ、情のあるひととして」
「はいそーですかってもらえるわけないでしょーー?」
「なんで? 清水、浴衣着たらまたかわーのに」
「……また、ってなに?」
「いや、いつもかわいーけど、とか、そーゆー意味」
「ぎゃああ!」
 叫んだ日菜は、はっとして、真剣な眼差しで、
「望月君て乱視だよね?」
 友久もまた、真剣な眼差しで、
「目はきわめて健康」
「じゃあ、脳内映像が乱れ気味なんじゃないの!?」
「だーから、なんでだよ」
「じゃあ酔ってる?」
「酔ってない。なんだよ、いーよ、もー、オレはひとり寂しくしょんぼりがっくりここから花火見てるからいーよ」
 友久は、部屋の片隅でわかりやすく膝を抱えて小さくなる。
 日菜は、この友久の相手をするのはちょっと面倒だなあと思いながら、
「ひとりって……そんな今さら望月君ひとりがいいとか言ったら、あたし、望月君と当日遊ぶんだと思って他の友達の誘い断っちゃってるから、あたしも家でしょんぼりひとりぼっちになっちゃうんだけど……まあそれもいいけど、ええと、あれ、そういえば、この部屋から花火見えるの? 河川敷から近い……んだっけ? あれ、じゃああたし、当日遊び来てもいい? 河川敷はやだけどそれでもなるべく近くで花火は見たい。ここで見てもいい?」
 だめならだめでもいーんだけどー、という態度の日菜の、両手を、友久は逃がしてなるかとガッツリ掴んだ。そのまま拘束。そのまま連行。望月家の居間に直行。
「かーさん、かーさん、清水、浴衣着るって」
 うきうきする友久に、
「え、ちょ、言ってない、そんなこと言ってません」
 慌てる日菜に、
「あら、うちに来るのに浴衣着ないの? そうなの? そんなにいやかしら……おばさんの見立てた浴衣……日菜ちゃん、好みじゃない?」
 今度は友久の母親にしょんぼりされてさらに慌てた。
「ええええええと、あのっ」
 何でここの家族はあたしにそんなに浴衣着せたいの!? と疑問に思いつつ、けれど突っ込むのももうなんだかすごく面倒で、
「着る。着ます。ぜひ着させちゃってください、です」
 と、いうことになった。
 望月家の親子は上機嫌だ。
「まあよかった。じゃあ日菜ちゃん、当日はこっち方面のバス、込み合うから、お昼過ぎたら早目に来てね」
「……はい、です」
「清水清水、浴衣着たら、どっかご飯でも食べ行こーなー」
「どっかって、え、望月君の部屋でいいよ。出かけなくても」
「……清水おまえ……」
「なにさ」
「せっかく浴衣着たのに、ずっとオレの部屋こもってていいと思ってんのか??」
「いいよ、ぜんぜん」
「よくなーい。せっかく、そんな、かわいいカッコしてんのに、おれが脱がせたくなったらどーすんだ」
 ごん、と友久が、友久母にげんこつで殴られて、友久訂正。
「間違えた。かわいい清水をちょっと見せびらかしに外行ってもいーい?」
 日菜は冷静に、
「それはさあ、ほら、あたしだけ見てるから、ちょっとほかに比べるコがいなくて、か、かわ、いい、とか思っちゃうだけなんじゃないのぉ? 外なんてほかにもかわいい浴衣姿の女の子、たくさんいるんだから、みんなかわいくて、あたしとか全然見せびらかすとかになんないよ。別に」
「なるねっ」
「なりませんーー」
「なるったらなるっ。なるなるーーー」
「ならないって言ったらならないーーー」
「よし、んじゃ、そこんとこも確かめに、花火大会の日は、清水、うちで着替えて、どっかでご飯食べてそのあとゆっくりオレの部屋で花火観賞、けってー」
 えー日菜ちゃん、うちでご飯食べないの? とすねる友久母と、まだなにかいろいろ、そりゃもういろいろ言いたい日菜を無視して、花火大会当日の予定は決まった……ようだった。



 花火大会当日。
 湿度高めのじめじめ屋外とはうって変わって、店内はクーラーも利いて快適、だった。7時開始の花火は、まだ明るい空に、それでもきれいに大きくまあるく見える。ちゃんと、ばっちり見える。
「うわ、すっごい。なにここ、穴場? なんでこんなに花火きれいに見えるのに、お客さん少なめなの?」
「ここまで出てくるんなら、わざわざ店なんか入らないで、河川敷まで行ったほうがいいからなー」
「そーなんだ?」
 へー、となんだか感心する日菜は、窓の向こうの花火を気にしたり、食事をがっついたり、はき慣れないゲタを足元でからからさせたりする。それから店内を見回しては、
「あ、ねえ、ほら、あのすみっちょのカップルの女の子、髪型かわいくない? どーやってんだろ? あ! 帯とかも、レースでひらひらしてて、かわいくない?? やった、目の保養っ。望月君宅にこもってたら見れなかったねー、出てきてよかったねーー」
 と同意を求めて見向くと、友久はじっと、日菜を見ていた。
「清水……」
「はい?」
「おまえさあ」
「あ、うるさかったね。スミマセン」
 窓に向いて座っているのに、店内の方へ身を乗り出していた日菜は、すごすごと座りなおして、あ! とまたひとつ思い当たった。向かいに座っている友久に、
「望月君、そっち、花火見えないじゃん。こっち来る? となりとなり」
 どーぞ、と席を勧める。
 友久は真顔で、
「……清水」
「なに? あ、まだうるさい?」
「おまえそんなカップル座りしちゃったら、おれがいちゃいちゃしたくなって困るだろ」
「そっちか」
 じゃーもーとなりにこなくていいよ、と日菜は引いた椅子を元に戻した。
 そんな時。
「あ!」
 日菜の叫び声にもすっかり慣れた友久はのんきに、今度はどーした? と聞く。
 日菜は窓の外を指差した。
「なんか今、雷光った。すっごい、ビカビカ光った」
「花火じゃねーの?」
「え、ちがうよ」
 時間差で、
「ほら、ゴロゴロ言ってる。雷だよ」
「だから、花火の音だろ」
「そーかなあ?」
 そーだろ、と友久も窓の外を見上げた。
 花火とは、かすかに違う方向で、雷が、光る。
「ほらっ、ほらほら雷」
「ホントだ、雷だな」
「でっしょーーー」
「雨とか降るかな」
「え、今日一日すっごいいい天気だったのに?」
「……降らないか」
「降らないよ」
 という会話をしながら、食事を続けた。花火を見ていた。時間的に、あと三十分から一時間で花火も終わる、という頃。すっかり食事も食べ終わった。
「じゃー、ぼちぼち家帰って見るか」
「うん、なんかお菓子買ってっていい? おばさんたちも食べるかな?」
「おまえはまだ食べるのか」
「だめ?」
「そんな小首傾げたりしたらかわいくてよし」
「ふ、望月君ちょろいねっ」
 席を、立ったところで気がついた。
「え、あれ、ちょっと、ちょいと望月君や」
「なんだい清水さんや」
 店内の明かるさと、音楽で、気がつかなかったけれど。
「……うっわ」
 ものすごい、雨が、降っていた。
 よく見れば、かなりものすごい。深さのない側溝からは水があふれ、駐車場には一面の水溜りができている。水溜りを打つ雨は大粒で、雷もぴかぴかゴロゴロいっている。
「こういうのって、ほら、バケツをひっくり返したみたいなー、とか言う、かな?」
「……言うな」
「休み明けの試験に出るかな?」
「出ないだろ」
 どうでもいい会話が始まるくらいには、びっくりするくらい降っている。
「うっわ、これ、会場付近どーなってんだろう」
 河川敷に、屋根はない。あったら邪魔で花火が見えない。
「……とりあえず、オレたちも帰れない、な」
「……だね」
 すぐに止むとも思えないけれど、そう長くも降り続かないだろう夜空をふたりして見上げた。花火は、何事もなかったかのように上がり続けている。花火の元では、相当の人出が大混乱気味に混雑している……だろう、けれど。
「止むまで待つしかない、よなあ」
「うん」
 日菜と友久はすごすごと、再び席に着いた。



 友久と日菜が雨に気付く数十分ほど前。
 己陽と麻子は川沿いで花火を見上げていた。
「ねえ植田くん、雷、近くなってきたね?」
 そう言われて、己陽は麻子の手を引いた。
 どこに行くの? と麻子が問えば、
「撤収」
 屋根のある場所を己陽は探す。神社を抜けて、国道沿いの、潰れてしまったままのガソリンスタンドの屋根の下に入った。途端に、大粒の雨が、勢いよく降ってきた。
「車まで、間に合わなかったね」
「……だな」
 それでも、屋根のある場所までたどり着けただけ運がよかった。
 ふたりに遅れてこの場所まで駆けて来たひとたちは、もうすでにずぶ濡れだ。
「ずぶ濡れの立野も、ちょっと見てみたかったけどな」
「もう、みんな大変なんだから、不謹慎なこといわないの」
「ごめんなさい」
 雨が降り出すまではなかった風が吹きつけてくる。風上に立つ己陽を、麻子が引っ張った。
「植田くん、濡れちゃうよ? もうちょっとこっち来れる?」
 屋根の下は満員電車のようなひとごみになっていて、気を抜くと押し出されそうになる。
「立野が濡れるからいいよ」
 と言っている間にも、押し出されて、己陽は麻子を抱え込んだ。まだ直接雨に濡れる、わけ、ではないけれど。
 風はあっても、湿度は高い。気温も高い。じわりとかく汗と、直接雨に濡れるのと、どちらがより気持ち悪いか……考える。
 雨に濡れる方が多分気持ち悪い、とは、思うけれど。
 雨宿りに集まってくるひとは後を絶たないし、広くはない場所に濡れたひとが集まれば湿度は上がるばかりだし。
 麻子は、自分を抱かかえる己陽を見上げた。
「ねえ、植田くん」
「んー?」
 雨音でよく声が聞こえない、と耳を寄せてきた己陽に、麻子が、言った。
「一緒に、濡れちゃおうか?」
 己陽は、しばし、かたまった。
 麻子は己陽のほっぺを引っ張る。
「また、すぐそーゆー意味に取ろうとするっ」
 己陽は抱えている麻子をさらに引き寄せて、
「そーゆうってどーゆう?」
 耳元でわざとらしく囁いた己陽を、麻子は力任せに自分から引き剥がした。勢いで屋根の下から飛び出した己陽は、一瞬で、ずぶ濡れになる。
 麻子も、駆けて来たこどもたちに場所を譲るように屋根から出た。
 車の置いてある場所まで少しある。ずっと走っていける距離ではなかったから、歩いていく。
「植田くんの車、濡れちゃうね」
 ごめんね、と麻子は乗る前に謝る。己陽は特に気にする様子もない。ずぶ濡れの自分たちがおもしろくて、おもしろそうな顔をする。おもしろくないことと言えば、予定の時間よりもずいぶん早い時間に、麻子を送っていかなければならなくなったことくらい、だ。
「では、帰りましょうかお嬢様」
 乗り込んだ車の、中で。
「ほんっと、ずぶ濡れだな……立野、風邪ひくなよ? 家ついたら風呂……」
「植田くんの部屋、でいいよ」
「は?」
「わたしの家に寄ってから帰ったら、植田くんが風邪ひいちゃうよ?」
「俺は別に……」
「ダメ」
「……だめ、なんだ」
「うん、ダメ」
「俺の部屋なんか来たら、浴衣乾かした、はいじゃあね、って、おとなしく立野、帰したりはしないけど。それでも?」
「……いいよ?」
「いいんだ」
「……いい、よ」
「……それはまた、ずぶ濡れでずいぶんラッキー、だなあ」
 己陽は、駐車場を出る際右に出していた方向指示器を、左に、変えた。



 花火が終わる頃、ようやく雨が止んだ。小降りになってきたな、と思った途端に、ぱたりと止んだ。
 店から出た友久と日菜は、びしょ濡れの、明らかに、花火を見に行っていたひとたちとすれ違う。ぞろぞろとすれ違う。
 すれ違うひとたちは、わりとみんな楽しそう、だった。ひどい目にあったねー、と笑っている。歩いて帰るひとたちには、そんなできごと、でしかないのかもしれない。公共機関を使って帰らなければいけないひとたちはまた大変、なのだろうけれど。
 そんな中、
「……高橋発見」
「え、どこ?」
 はるか遠くから向かってくる自転車が、すぐ傍まで来たところで日菜にはやっと、それが直、だとわかった。
「うわ、望月君どんだけ視力いいの!?」
「だから、目は健康っていったじゃん」
 直は友久と日菜に気付かずに通り過ぎようとする。元気よく日菜が呼び止めた。
「やっほー、高橋少年っ」
「は? え!?」
 すれ違いざまに呼び止められて、直は急ブレーキをかけた。雨に濡れた自転車は、嫌なブレーキ音を響かせて、何メートルか先で止まった。止まった瞬間に荷台から飛び降りたのは、奈津、だった。
「あれ、奈津さんも一緒だ。って、ええええええ!? すっごい、ほんとありえないくらい濡れてますね……」
 日菜に駆け寄った奈津は、勢いで日菜に抱きつこうとして、日菜が濡れていないことに気が付いて、咄嗟に抱きつくのをやめた。
「こんばんは。偶然だねえ。なんで清水さんたち濡れてないの?」
「今までそこでご飯食べてて」
 日菜は出てきたばかりの店を指差す。
「ご飯? いいな、わたしもお腹すいたけど、この格好じゃお店、入れないよねえ」
「食べてないんですか??」
 もう九時半ですよ!? と日菜は驚き、友久は直を小突いた。
「おまえ、今ここ通ってるって、つい今しがた会場出てきたんだろ。家、けっこう近いくせに、さっさと帰ってきたらこんな濡れなくてすんだろ?」
「……そー、なんだけど」
 直は、友久に説教をされるのも、奈津をずぶ濡れにしたのも同じレベルで気に入らない顔をする。
「あ、それは高橋君はぜんぜん悪くないよ?」
 だから高橋君を怒っちゃダメ、と奈津が口を挟む。挟もうとして、自分の浴衣の袖が重くて、絞ってみる。
「あはは、見て見て高橋君、すっごい、絞れるくらい濡れてる」
 ほんとですねえ、と日菜は反対の袖を絞る。
「よくもまあこんな豪快にずぶ濡れになりましたね」
「うん、雨が降ってきてね、高橋君はすぐに帰ろうって行ったんだけど。そのときに駅まで送ってもらってれば今頃家についてたんだろうけど」
「けど?」
「え、あ、うん。なんかおもしろかったから」
 は? と日菜と友久は顔を見合わせて、直は呆れたように奈津を見た。
「だって、すっごい人出であんまり花火、よく見えなかったのに、雨が振り出した途端に、ひとごみが引いていってね、でも花火はまだ上がってるし、花火がよく見えるポイントに全然ひとがいないの。わたし、スターマインも金魚花火も仕掛け花火も、あんなにちゃんと見たの初めて」
「……って、奈津が、全然さっぱり帰りたくないって言うから……」
 奈津がいいならいいか、と付き合った直もずぶ濡れだった。濡れて重くなったジーンズがぎちぎちする。
「けど、高橋、奈津サン、帰るにしても、駅と反対方向だろ」
「だから、奈津、こんなんじゃ電車乗れないし」
「おまえんちで着替えてから、とか?」
「……そー」
「……おいしい展開だな、高橋」
 ぐっじょぶ、と言いたげな友久に、
「親いるし」
 直はうっかり正直に答える。
「……あんまりおいしくない展開だった」
 なんとなく直ががっかりするのはわからないでもないけれど、なぜか友久もがっかり。しかしすぐに、はっと顔を上げた。
「いやむしろ、お約束展開? 逆においしい? ……ぐほっ」
 わき腹を日菜につままれて友久はしゃがみ込む。
「いじめないの」
「……申シ訳アリマセン」
 お詫びと言っては何だけれど、と、友久はケイタイを取り出しながら、
「じゃーまー、高橋と奈津サンも、家来る? 高橋んち行くよりは、奈津さんの着替えも……」
 なんであんたの家なんだよ、という顔を直がしようとした、時。
 四人が話し込んでいたすぐ傍に、車が一台、止まった。
「あ」
 すぐに反応したのは奈津だった。車に見覚えがある。
「植田さんだ」
 友久と日菜と直は同時に思った。なんだって?
 こんな都合のいい展開でいいのか? いいよだって小話だもん。
「ほら、やっぱりなっちゃんたちだった」
 窓から麻子が顔を出す。うわホントだ、と己陽も身を乗り出す。
 友久が歩道の植木をまたいで、窓から己陽を覗き込んだ。
「ししょーたちも、あれですか、ずぶ濡れが楽しくてずぶ濡れちゃって花火も楽しんできちゃったクチですか?」
「なんだそりゃ」
「いや、奈津サンがそういうツワモノだったんで」
 じゃなくて、
「時間的に。雨降ってすぐ帰ってたら、こんな時間になんないですよね」
「いや、雨降ってすぐ会場は出た」
 よなあ、と己陽は麻子に同意を求める。
「出たんですか?」
「出た……出たら、渋滞にハマって、やっと脇道にそれたと思ったらなんだかおまえらっぽいグループを発見して、最初は通り過ぎたんだけど、ぐるっと回って戻ってきたら、やっぱおまえらだった。なにやってんだこんなトコで」
「なにって……」
 友久は、できるだけ拭いてはみたけれどまだ濡れている、という具合の麻子と己陽を見て、ずぶ濡れのままの直と奈津を見て、日菜を、見た。
「……ししょーたちも、とりあえずうちに寄ってきますか? 飯くらい、いらないっていっても豪快に出てくると思いますけど」
 なあ、と意見を求めると、日菜が、きっとね、と曖昧に笑った。
 友久が手にしたままだったケイタイが鳴った。発信者名「自宅」。
「……おふくろだ」
 呟くと、タイミングいいね、と日菜がおもしろそうに笑った。もしもーし、と電話に出れば、すぐ傍にいた麻子にも己陽にも、少し離れた日菜にも直にも奈津にも聞こえる大声が応じた。
『ちょっとトモヒサなにやってんの! 雨、とっくに上がってるのになんで帰ってこないの。はっ! まさか、日菜ちゃんになにか悪さでもしてる最中!?』
「……してません」
『だったらさっさと帰ってこないと、おかーさんがつまんないでしょ』
 友久は、ケイタイを切りたい衝動をぐっと抑えて、
「……すぐ、帰るし。オミヤゲももって帰ってやるから、好きに遊んで」
『え、どんなお土産?』
 なんのオミヤゲ? と日菜以外の一同が顔を見合わせる。みんな手ぶらだ。友久はかまわずに、
「清水と、あとずぶ濡れの女のコふたりと、男のコふたり」
『え、女の子!? うそ、そんなのどこで拾ったの? お風呂入る? 着替えいる? いるわよねえ。 やった、なに着せちゃおうかな。男の子は? ご飯、何合くらい食べる??』
 友久母の異様なテンションは、友久が一同を連れて帰るとますます高くなった。
 この後は、とりあえず風呂場に押し込まれた女のコさんにんがお風呂場で楽しそうにしているのを、男のコたちが楽しそうだなあ、と夢見たり。女のコさんにんが友久母に友久姉の洋服で着せ替えごっこをさせられるのを男のコたちがちょっとドキドキしながら眺めたり、山ほどのご飯を食べさせられたりしながら週末の夜は更けていく、予定。
 ちなみに、友久母が個人的に色々楽しんでいる間、友久父は地味にドライヤーとかで己陽カーのシートを乾かしてあげたりして、夜も夜中に、己陽は日菜と奈津を送って行きました。麻子とはどーなったのかはご想像にお任せします。が、翌日はみんな出勤予定です。直はひとり自転車で自力で帰りました。とさ。
 以上。



 ※ 夏に、奈津と高橋少年が付き合っていたりするような時間と、立野さんと植田くんが「立野」とか「植田君」とか呼び合っている時間は一緒には存在しないはず、なので、ちとパラレルです。
 ……すみませんな小話ですみませんでした。
 花火大会当日は、後半雨がすごかったんです、ということが書きたかっただけでした。会場には行っていないので、豪雨の中金魚花火とか仕掛け花火もやったかどーかはわかんないです……残しても仕方ないからやったんじゃないかなあ。
 どうでもいい情報。花火大会の人出47万人……48万人?? 市民は37万人……。大渋滞です。大混雑です。やっほい。


8.5.(日曜日) リンス


 リンス買いに言ってくるう。
 と家を出たことを、買い物に行って、買い物から帰ってきて、食事をとって、お風呂に入ったところで気がつきました。
 あれ、わたしリンス買ってきてないよ!?
 ……じゃあわたしはいったいなにを買いに出かけたんでしょーか。買い物に出かけて、なにに満足して帰ってきたんでしょーか。
 むう。
 そんなことはともかく、リンスがない。
 こっそり妹のトリートメントを拝借しました。明日は忘れずに買ってきます。きっと買ってきます。


8.4.(土曜日) 大丈夫そう


 なんだか最近、眼鏡が合っていないような気がして目医者さんへ行ってきました。
 別に文字が見にくくなったとか、そういうわけではないのですが、ぼやっとはしないけれど、もやっとする、というか、めまい、のような、目の焦点ではなく脳みその焦点が合っていないようなそんな感じ。
 と目医者さんに言ったら「なんだかよくわからないけれど」と言われてしまいました。まあそうでしょうとも。
 度、はちっともさっぱり微妙にもズレてないよ。といわれました。
 じゃあ、いいか。
 多分気の持ちようで「大丈夫って言われたから大丈夫」という気になれば大丈夫なんじゃないかなと思います。
 それにしても、昔は長い時間をかけて視力を測ったものですが、今はなんか機械でぱぱっと測れるんですね。進化ってすごい。ついでにあの眼圧検査ももーっちょとどうにか……どうにかならないものかなあ、と思ったりしました。眼圧検査苦手です。コンタクトも怖いです。目薬も怖いです。上手くさせません。どんくさいわけじゃ……ななななないんですよ。でりけーとなんですよう。


8.3.(金曜日) やっと……


 今週はなんだかずっと、朝起きるたびに「今日は金曜日だー」という気分の毎日を過ごしていました。
 どこで体内曜日感覚が狂ったのか、おかげでなんだかいろいろドラマとかも見損ねた気がします。「あれ、今日水曜日だったっけ!?」という感じで。
 なぜ、どこで!?
 出勤すれば毎朝「ああ、ゴミ捨てに行かなくっちゃ……いやいや今日はゴミの日じゃないぞう」とひとり小芝居をしていました。金曜日がゴミの日です。あと火曜日。いえあのどうでもいいんですけど。
 なにはともあれ、今日は金曜日。間違いなく金曜日。今日はゴミを捨てることができました。山田太郎ものがたりもちゃんと見ました。原作とちょっと違ってハートフルな物語になってますがおもしろいです。吉沢悠さんががいつのまにがヨシザワユウさんからヨシザワヒサシさんになっていたのがびっくりです。
 わたしの名前もほんとうはヨシユキではなくホウセツです。嘘です。誰も引っかかりませんね。ひとりしょんぼり。
 とにかく金曜日です。やっほいです。


8.1.(水曜日) 土曜日に


 映画「河童のクゥと夏休み」を見てきました。
 28日の土曜日……確かにこの日から公開、だったと思うのですが、人の入りは少なかったです。映画館に親子連れなどは多かったのですが、ポケモンとか、西遊記とか、パイレーツオブカリビアンとかを見に来ていたモヨウです。河童のクゥと夏休み、を見に来たわけではない、ようでした。
 人が少なかったので静かに見ることができました。
 以下、ネタバレになりますのですみませんご注意を。

 さて。何はともあれ、河童。カッパ、かっぱ。カッパのクゥがらぶりーでした。なんだあの生き物!? ……カッパだよ。
 動きがいちいちかわいい。眠り方がかわいい。なんにでも真剣に対応するところがかわいい。現代の人が忘れてしまった丁寧なものの喋り方がかわいい。
 かっぱらぶ。
 酔っ払って踊っちゃうところなんて、すごい、もうちょっとで映画館でいい大人なのに大笑いしちゃうところでした。なんかみんなは笑ってなかったけど、ええ!! おかしくなかったの!? それとも我慢してたの??
 多分、マナーを守って、我慢していたんだと思います。
 あとは、妹の徹底的なクゥ嫌いとか、お母さんの文句とか、お父さんの対応とか、いちいちリアルちっくで、笑えませんがおかしかったです。
 リアルチックといえば。
 いじめの問題や、報道の状況、なんでもかんでも携帯カメラを片手に群がっては写真を撮る人々。珍しいものに過剰反応し、一転、危険なものだとわかると、また過剰に排除しようとする姿、など、ほんと、笑っちゃいますが笑えない状況が次々と起こります。
 この日本のどこかでカッパが見つかったら、多分きっと、映画と同じ反応をみんなするんだろうなあ、と。
 だからどうしたらいい、とか、だからどうするべきだ、とか、そういうことを問う映画ではなかったですし、なんの答えも出てはいませんでしたが、それがかえってリアルでした。
 うーん、どうするのかなあ。……どうもしないんだろうなあ、と。
 あんまりリアルチックなので、見終わったあとは、ですね、なんだか、ほんとうに現実にそんな事件(カッパ現る!)が起こったような、そしてブームが去った後のような、そんな気分になりました。
 最後にクゥが都会から離れた場所で、その地の神様に「しばらくこの地にお世話になります。生きるために必要な魚を捕ることをお許しください」を頭を下げるシーンを思い出しては泣きたい気分になります。
 常に、そういうことを思って生きていけたら、いいのに。そういわれないと気付かない自分にがっかりします。

 あんまりリアルで、小学生のクラスメイトたちの口の悪さが耳障りでしたが、それもまたリアルな現実なんでしょうね。
 この映画を10年後に見たとき、あの頃はこんなにひどかったのか、と思うのか、あの頃はまだマシだったなあ、と思うのか。考えるとぞっとしませんがつい考えます。
 なんだか静かに、評判のいい映画なんだか、あまり話題になってない映画なんだかよくわかりませんが、機会があれば一度見てください、とお勧めしたい映画でした。
 とにかくクゥがかわいかったので、ぜひっ。
 あ、あと「おっさん」が、かっこいい! いい男でしたよっ。

 ところどころになんだか聞いたことのある有名っぽい声優さんがすごい脇役とかで出ていたりしたのもおもしろかったです。矢島さんが出ていたのはクレヨンしんちゃん繋がりかなあ……とか、最後はおたくらしい締めで……。

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