日記……のような……


2007.7〜


7.30.(月曜日) 今日の妹の注意事項


 以前、うちの妹がラーメンに酢を入れて食べる、とご紹介しました。覚えていますでしょうか?? いえいえ、特に覚えてなくってもぜんぜんまったくさっぱり構いません。が、とにかく妹はラーメンに酢を入れて食べることがあるのです。
 その妹が、おねーちゃん、これは要注意だよ、とまるで重要秘密事項のように言いました。
「あのさ、ラーメンにさ、卵と、納豆と、酢をいれると大変なめにあうよっ」
 ……もしかしたらわたしの耳がおかしかったのかもしれないので、聞き返しました。
「……ラーメンに? 卵と? なんだって?」
 ここまではまあ普通なんじゃないかと思います。インスタントラーメンに、卵。おっけー。むしろよし。
「だから、納豆と酢だってば」
「は?」
「なんかねー、卵と納豆を入れたラーメンに、酢を入れたらばねっ」
「……入れたら?」
「なんかっ! じゅわわわーーーーっと、変な泡が立ってきた!! あれは絶対、なんかの化学反応だねっ」
「……へー」
 もはやわたしは、感心しているのか呆れているのか自分でもわかりません。
「……で、そのラーメンはどんな味がしたの?」
 と、半ばどーでもいいことを聞いてみました。問題はそこじゃない気がしましたが、それ以外に聞きたいこともありません、という状況です。
 妹は言いました。
「卵と納豆と酢を入れた味がした」
 まずそう!
 と思ったのはわたしだけですか??
 酢はともかく、納豆って、ふつーですか? ラーメンに入れますか??
 てゆーか、「酢はともかく」とか言っちゃう我が家の状況がすごくおかしい気がする……。なぜ、酢。なぜ、納豆……。神よっ!!


7.27.(金曜日) アール指定有


 ということで、ダウンロードゲーム勝手にご紹介第三弾。(多分次回でとりあえず終了のはず)

 ご紹介するものはすべてフリーのゲームです。


 年齢制限があるものばかりなのでご注意を。
 ええと、今回は男女モノ。乙女向けげーむ。
 ゲームにトンと興味のない方はほんといつもすみません。
 ご紹介するゲームは、えーと。相変わらず、敵と戦ったりとか、そういうことはない、文章中心のげーむばかり、です。
 あなたの行動が、セリフが、あなたの物語の結末を変えます。そんなゲーム。現実世界も同じですけどね。



 こちらは 
15推 とあります。
 天国形成 死屍累々 さんの 「薄暗い街の中で」

 ヒロインの行動によって三つのエンディングを見ることができます。
 攻略人数……というか、相手はひとり、なので、ストーリーをみっつ、見てください、という。
 話の雰囲気や、ヒロインの後ろ向きっぷりがツボでした。
 ヒロインの彼、である「瀧さん」、個人的にはあまり興味のないタイプの男性なんですが、読んでいるうちに「このひといいな」とか思うから」不思議です。きっと愛があるから。
 後から読めるおまけのお話がまたツボでした。瀧さん視点。かわいい人でした、瀧さん。絵的にも、立場的にも怖い人、なんですけど、ね。
 この先、このふたりが幸せであるといいな、と思えた一品、でした。



 こちら 
15禁
 easel さんの 「魔女の遺言」シリーズ

 「魔女の遺言」 こちらは全年齢版と15禁版があります。が、サイトさんじたいが一応16歳未満の方お断り、なので、ええと、15禁版チャレンジ、でいいんじゃないでしょうか。
 作者さん曰く「乙女ゲーというより口説かれゲー」だそうで、ヒロインが相手の高感度を上げようと四苦八苦するというよりは、選択肢を選択して、相手に出会えば、相手がなんか色々頑張ってヒロインを口説きにかかります。
 という、こういった選択肢ゲームにつきものの、ゲームなのにココロの葛藤セリフ、と戦わずに済むという夢のようなゲームでした。
 みんなヒロイン大好き! やっほー。

 ストリーは、偉大な魔女だった祖母の遺産を継いだヒロインが、国の評議会の使いとともに都まで旅をします、が、ヒロインは遺産を継いだ覚えがなく、旅の途中で祖母の真意を見つけます……で、いいのかな、どうかな。
 旅に同行するのは誓騎士さんが4人。
エンディング対象キャラ 6人。
 エンディング数 7種類
 スチル 49枚+8
 親友と友情を深め合う、というラストもすがすがしくて好きです。
 ストリーは一本なので、誰と引っ付いても引っ付かなくてもバッドエンドはありません。ストリーもおもしろいので、堪能してください。
 好き誓騎士さんはビジュアル的にも性格的にもリックスなんですが、どうも、いままでのゲームのわたしデータだと、真っ先にユージュ系のひとと仲良くなることが多いです。一見ちゃらんぽらんだけど、なんかくらい過去を背負っていそうな……。
 エイリとかもおもしろいと思います。
 というか、ヒロインが、魅力的、でした。元気いっぱいです。突っ込みもします。されます。会話の掛け合いとかが楽しかったです。シナリオは長めですがさくさく読めます。
 そしてなにより、絵が、きれい! です。
 スチル集めに必死になります。

 そして番外編「人読み師」
 本編ヒロインのメリアノの親友アニーのお話。
 こちらは「口説かれゲーではなく力技で落とすゲー」だそーですよ。
 アニーもメリアノに負けず劣らす元気いっぱいです。
「無茶苦茶なことばかり言うが、行動はそう無茶でもない。少なくとも親友よりはまとも」だそーです。うん、ええと、どちらのヒロインもわりとめちゃくちゃで楽しかったです。
 こちらは全年齢おっけー。
 エンディング対象キャラ2人。
 エンディング数 3種類
 スチル 29枚
 「魔女の遺言」のゲームデータを引き継ぎます。このゲームデータで、出演するメリアノの相手キャラとのその後、などが見れてすごいです。
 「人読み師」という職業が興味深かったです。


 続きましてのゲームは 
15推











 あれ、18禁、とかはなかったですね。健全健全。


7.26.(木曜日) だるだる


 なにやら急激に暑くなってきまして、体調がだるだるしてきました。からだが重い……ような。ますます動きの鈍さに拍車がかかります。
 だるだるといえば、最近まで夜もなんとなく涼しいような気がしていたので、夏物っぽいですが長袖、のパジャマを着用していました。
 んが。暑いので、半袖にしました。昨年しまい込んでおいたパジャマを出しました。そーしたらば、なんと!
 見当たりません、ではありませんか。
 パジャマはあるのに、パジャマの、ズボンの、ゴムがっ。
 というか、伸び切っていました。え、なんで?
 はくと、はいたはなからズリ落ちちゃうんですけど。
 ……だるだるです。要ぱんつのゴム購入、です。
(ぱんつのゴムって、なんでぱんつのゴムって言うんでしょーか。今でも……というか、今の若いコたちもぱんつのゴムとかゆーんでしょうか。てゆーか若くないコもそんな言葉使わないんでしょうか、我が家では使ってたんですが。そして今でもそれで通じるんですが。昔はぱんつのゴム、替えてた……んでしょうか、そんな気もしないようなするような。でも今、ゴムのゆるんだぱんつって見ない……ような。そんなだるだるぱんつのゴム話追加、でした)


7.23.(月曜日) こういった話もどうかと思いますが


 久々にアクセス解析、など見てみましたらば。
 「秘蜜ごと」が、なんか、ありとあらゆる……というか、こんな単語から、こんなベタな単語まで……という勢いで、えろわーどに引っかかっていて笑えました。
 他の話はそーでもなかったので、それだけ話の内容もきっとベタなんでしょう。ベタベタ。
 なによりも、きっと、あの、その、題が、ポイント。
 えろわーど筆頭でした。
 その単語でお話を探していたひとにとって果たして満足のいくお話だったのかどーかはわかりませんが、こんなこともあるんだなあ、とちょっとおもしろかったです。


7.22.(日曜日) ここではもしかしてあまり需要がない、かも??


 個人的おもしろダウンロードゲームご紹介。そのに。

 ご紹介するものはすべてフリーのゲームです。


 年齢制限があるものもあるのでご注意を。
 BL特集。びーえる。ぼーいずらぶ。
 興味のない方はスルーでお願いしますです。
 やっぱりアドベンチャー……になるんでしょうか? ノベルゲーム、のほうがわかりやすいでしょうかどうなんでしょうか。ジャンルわけがよくわかってません……が。会話や行動を選択肢から選ぶことによってストリーが変わっていきます。そんなゲームです



 特に年齢制限なしの
 銀灯さんの「voice」

 そう長くはないゲームですが……なんでしょう、どう説明すればいいんでしょうか。
 静かな話の流れと、絵が好みでした。
 登場人物は三人。攻略人数はふたり。けれど、真実のルートはひとつ。なわけですが。
 バッドエンドまで含めてすべてを読みきると、なにかやっと頭の中でひとつのお話にまとまった、という気分になるゲーム、というか、お話、でした。
 お話短いのにコンプ難しいっ。
 (攻略はサイトさん内にあります)
 真実のルート見つけて一安心はできません。まだまだなにやらありそうです。彼らの心情的には。

 月本(兄)がすてき。なんだかすてき。
 でも月本(兄弟)がすてき、なのかもしれません。ええ、ほんとーに個人的に。
 選択肢が……どれを選んでも大丈夫なような、大丈夫でないような、そんな繊細な危うさにドキドキでした。



 以下年齢制限アリ 
18禁

 空月さんの「機械の五感」

 機械、であるアンドロイドと、その製作者、とのらぶ。らぶらぶ。
 攻略人数2人。エンド数5.

 主人公「音椰」 アンドロイド。
 アンドロイド試作機一体目。
 性格、おーとーなーしーいー。
 ということで、淡々と物語りは進んでいきます。ゲームというか、物語、ですね。
 ごくごく普通の選択肢を選択すれば、何事もなかったかのようにベストルートに入る、のではないでしょうか?
 しかーし。
 ベストルートを見てしまうと、他ルートが切なかったり切なかったりびっくりだったり、それでも幸せだったり、と物語に大きな波はないのですが、静かにココロ揺さぶられます。
 ビジュアル的には研究所所長の新サンが好みです、ね。

 攻略人数はふたり、となっていますが、同上人物の基本のカップリングはありまして、そのカップリングで、番外編1、番外編2へと続きます。
 次第に音椰がひととして(アンドロイドなんですけど)落ち着いて笑顔を見せるようになってくるのがなんだかほっとしました。
 元気な八生が活躍の番外編2が楽しかった、です。
 攻略は、選択肢総当り、で。いけます。
 スチルは18禁。表示注意、ですよーー。



 こちらも年齢制限あり。
18禁

 freeideaさん「pure stories・・・」

 …………痛いっ。痛い痛いっ。
 ということで、要注意です。痛いです。
「え、ちょっと、なにするの久遠!?」 と言う気分に、読んでいてなりました。やっほー。

 ええと、まずはとりあえず、自分の名前が必要です。素敵少年名を考えてから始めてみましょう。れっつスタート。
 さて。新入生歓迎祭のクラスでの出し物を決めます。……決めます。…………決めるのです。
 どれに決めても、いろいろ突っ込まれるので(あけすけ)ご注意を。
 多分おそらく、愛はあります。あるはずです。ちょっとやり方がうまくないだけで。うん、でも、いいのか? これもあり? どうなの??
 スチルも登場人物の絵もありませんが、ないだけに想像豊かになります。ひー。

 ……とりあえず、おまけのストーリーは強烈なので、要注意です。
 相手が女の子だったら絶対読めない。
 ので、痛い系は、男の子同士で……。

 何はともあれ、一度読んだらこのゲームの存在は忘れられません。

 というストーリーを踏まえて、その後のふたり、番外編
「feel pierce」
 このゲームをプレイすると、「その後のふたりがげんきでよかったよかった、ほんとーによかった」と思うと思います。
 「pure stories・・・」をやって少々めげてしまった方は、ぜひこちらもやってみてください。幸せになれます。きっと。
 こちらのおまけで、なぜ前作に「pure」
と付けられているのか、の意味がわかります。……へー、なるほどーーー。


 こちらのサイトさん、他のゲームもおもしろいですよ。
 「TALK PLAN」
 年齢制限はないもようです。ていうか、ないです。
 生徒会長のあなた。頑張って同じく生徒会の後輩を落しましょう。
 今まで紹介してきたゲームとはちょっとゲームの進め方が違いますが、選択肢の中から会話を選択していく、という形は同じです。
 
後輩君がかわいいですが、なによりも、自分キャラのセルフ突っ込みとかがおもしろかったです。



 えええと、うちのサイトにきてくださっている方がBLに興味があるかどうかはよくわかりませんが、ゲームはどれもおもしろかったので勝手にご紹介、でした。

 ダウンロードしたゲームの解凍方法は、各ゲームの指示にしたがっ行ってくださいね。
 あ、ゲーム紹介日記はまだ続く予定があります。はい。


7.21.(土曜日) えええと?


 とりあえず、小話を抜き出す作業、というものをしてみました。
 日記に書き散らしてきた小話集でも作ってみようかな、と。
 はい、ということで、抜き出しました。抜粋しました。ちょっと頑張りました。自分の日記読み直すのとか整理とか大苦痛。でもいっぱい頑張りました。
 抜粋終了。
 が。
 その後、どーしたいいものか。悩み中。
 悩み中。
 悩み中。
 悩み中。
 ………………。
 悩むの疲れ中。
 悩むの疲れ中。
 うがあ。
 悩むの放置中。
 ということで、ただいま悩むの放置中。
 ま、いいか。
 そのうちまたやる気になる、かもしれない。……かもしれない。


7.20.(金曜日) おかーさんわたし頑張った


 代役 須賀奈津さん。

 家で受ける電話ならともかく、会社の電話はワンコールからツーコールで取るようにしている。
 そのコールの間に電話のディスプレーで発信者の確認をする。ナンバーディスプレー対応電話に変えてから、ずいぶん仕事はしやすくなった。
 そのディスプレーには、
「公衆電話」
 とあった。
 多分、売り出し中の土地の看板を見たお客さんからの電話だろう、と思う。電話番号をこちらに表示させないために、あえて携帯電話を使わないお客さんもいる。そして大抵、そういったお客さんは、フリーダイヤルでかけてくる。
「……はい」
 受話器を取って、会社の名前を告げる。案の定、フリーダイヤルのお客様、だった。
 が。
 なにやらのっけから声が怒りモードになっていた。
 ……クレームかな。と思う。クレームをわざわざ公衆電話からかけてくるお客様は、けっこう珍しい。公衆電話はずいぶん少なくなっているし、怒っているのに、公衆電話を探す余裕があるとも思えない。
 ……なんだろうな? と小首を傾げる。
 隣の席で、麻子が、どうかしたの? と目線で問いかけてくる。奈津は、大丈夫です、と手振りで示した。
 電話の相手はずいぶん怒っていて言葉をまくし立てるので要領を得ない。それでもなんとか、
『おたくの会社に金を振り込んだんだけど、商品が届かない』
 らしい、ということを理解する。
『もう一週間になる、どうなってるんだ。送ってくれるはずだろう』
 男性の低い声に、麻子は納得がいったように、冷静に、
「……送る、ですか?」
 間違い電話か、そうでなければ、工事部との行き違いか。
 考えながら、
「失礼ですが、お客様のお名前をうかがってもいいですか?」
『名乗る必要はないと、仲介した会社から言われた』
「仲介……ですか?」
『そうだ』
 奈津はさらに小首を傾げた。
「あの、ご注文された商品はどういった……」
『Aの2番とCの……』
「あの、あの、お客様、うちではそういった商品は取り扱っていませんが」
 ……というか、あれだ。
「うちで取り扱っているのは土地と建物ですので、商品をお送りすることはできませんし、仲介に別の会社がはいることもありませんし」
 壊れた洗濯用のポールとか、新しく取り付けたい下駄箱だとか、そういったものの注文を受けることはある、けれど。そういった場合、大抵、お客様はその商品名を言う。わざわざ商品名ではなく商品番号を言われることは、あまり、ない。ものだから。
「どこか別の会社とお間違えじゃないですか?」
 と聞けば。
 男は、あれ? と言いたげに言葉を飲み込んだ。
 それから何か、仕事中には決して聞くことのないような単語を口にした。
『じゃあ、俺の下着は?』
 ……下着?
 下着??
 通信販売……の下着?
 このひとヤバイ、と直感する。
 下着、の通信販売、なら奈津も利用する。
 が、前払い、ってなんだろう。
『オークションで確かに……』
 ああ、オークションか。
 と納得している場合ではない。
 下着……オークション。
 さらには、名前を名乗れない、ってなんだろう。名乗って確認を取れば早いことだと思う、のに。あえて名乗らないとどういうことなのか。
 この電話、切ってもいいかな、どうかな。
 このまま、このひとと会話するのはまずい、気がする。
 大抵、そういう勘は、当る。
 男は電話の向こうで急に態度を改めた。
『それは、ええと、すみませんでした。間違い、かな?』
「……だと、思います」
『じゃあええと、ほんと失礼しました』
「……はい」
『そのお詫びと言ってはなんですが』
「……はい?」
 お詫びってなに!?
『あなたの下着、高く買いますよ』
 がっちゃん。
 明らかに、会話の途中で電話を切った奈津に、麻子が、
「え、あれ? いったいどんな電話、だったの?」
「……えええと、なんだろう」
 いたずら電話のための、すべてが小芝居だったのか。すべてが本気だったのか、間違えたことに対する照れ隠しだったのか。
「切っちゃったからわかんない、んですけど」
 すべては闇の中。
 後になって、ふと、思ったことは。
「あ! あの電話、フリーダイヤルだった! なんか、さらにむかつく……」
 ところでオークションて言ってたけど、なんかトラブルかな、まさか詐欺かな? 大丈夫かな? と聞けば、麻子が呆れたように、そんな心配はしなくていいから、と言った。
 帰って話をすれば、きっと直(高橋少年)も同じ反応をするんだろうなあ、と思った。



 ええと。会社でえろ電話取っちゃいました。なんか一日ぶるーでした。クレームでもぶるーなのにい。
 たぶん、えろ電話……の、はず。実際は、下着高く買います、の後にもっといろいろえろえろ言ってました。わたしだって、いくらR指定のお話書いてたってそんな単語使わないよっ。みたいな単語連発。もうちょっと素早く電話を切れるようになりたいです……でもだって、相手はこちらの電話番号を知っている、と思うと、あんまり無碍にするのも怖くないですか??


7.19.(木曜日) 今日のところはノーマルで


 以前、オンラインゲームのおもしろかったものをご紹介、とかしましたが、今回はダウンロードゲームで。そのいち。

 ご紹介するものはすべてフリーのゲームです。


 まずは年齢制限のない(と思う)もので。
 そしてアドベンチャー……で、いいのかな、どうなのかな……??
 会話や、行動の選択肢を選ぶことによって話の流れが変わっていきます。




相討ちネガティブギャングさん「風雲相討学園フラット」

 いえ、あの、基本。っぽいんじゃないかと。
 転校先のクラスメイトの少女たちと仲良くなる、という。
 年齢制限ついてないですし、絵はかわいいですし、最終的になんかすごいシナリオとかになっていておもしろかったです。

 サイトさんの説明によりますと、
「転校生『境不可止』君となって人格破綻者美少女ぞろいの相討学園で学園生活を堪能してください。
 とあります。

 堪能しちゃってください。
 攻略人数は6人。
 ええと、ギャルゲー??

 個人的にはビジュアルも性格もストーリーも「黒岩さん」プッシュ。
 ツンデレツンデレ。
 多分、一番人気……なんじゃないかな、と。どうでしょうか。
 「辻斬さん」もかわいいと思います。はい。性格は多分やはりツンデレ。
 うわさのツンデレ。よくわかってなかったですが、このゲームで真のツンデレの意味を理解しました。多分……。きっと。
 三角関係とか、細かい関係のシナリオも読めます。すごいな。
 美少女ゲットしたい方はぜひどうぞ。
 このサイトさん、別で18禁のゲームも作っていますが、このゲーム自体は、べつにぜんぜん、ノーマルだと思います。
 辻斬さんシナリオはちょっと、一部だけ、どきどきしますが。へっちゃらです。



 続きまして。
 きっとこちらも基本、ぽいんじゃないかな、と。

LEDAさんの「Prince Panic」

 サイトさん曰く。
 ドタバタ・キャッスルコメディ☆
 ジャンルは 乙女チック☆ラヴ☆コメディ

 どうですか、なんか楽しそうでしょう??
 こちらは乙女ゲーム。乙女「向」ゲーム。

 あなたはお城のメイド試験中の16歳の女の子。試験も大事だけど、恋もしたい!!
 ということで、王子様や執事さんやコックさんたちと仲良くなりましょう。
 攻略人数は7人+α
 スチルが多いです。絵がきれいです。楽しいです。
 エンディング数も28とやりがいがあります。

 個人的プッシュは、こちらもやはり一番人気っぽいジョニー様。20歳。王国の第一王子。クールで素敵。なにしろ第一王子ですよ、第一王子。第一王子とらぶになる、ということは!? ふふ。
 さて。なにやらいけない気分でドキドキしたのは第三王子のマーティン様16歳。告白するルートはまあいいんですが、告白されるルートは……なぜこのいたいけな少年にこんな試練を与えなければならないのか、と心が痛みました。だってピュアなんだもん。そして、告白される真実ルートでは、途中途中で顔を出すジョニー様に心が揺れます(笑) もうマーティン様はいいからジョニー様のメイドにしてくださいっ、という気分になる、のですよ……。
 ゲーム前半でフラグを立てると、後半その彼のルートに入れるわけですが、それがなかなか難しかったのが第二王子コポン様。
 そして、ゲームだから選択肢が限られているからいいけど、現実世界だったらまず絶対落せないのが、執事のタキさん25歳。タキさん、ビジュアル的には一押しなんですけど(眼鏡だし)。そして、このひとルートが一番おもしろかったんですけど。まず、ほんと、ぜったい、わたししらふでそんなセリフ言えません、というせりふばかり選択せねばならず、ゲームといえども寿命が縮む気がしました。こんなこといったら怒られるんじゃないかと心臓に悪いったらないセリフばっかでした。どんだけドジっ子にならないと振り向いてくれないんだタキさん。

 しかし、素敵な恋にうつつを抜かしすぎていると、メイド長のブロッサムさんに怒られます。試験半ばにしてクビにされます。ゲームオーバーです。どきどきします。
 かといってがむしゃらにメイド試験を頑張ると、恋どころではなくなります。仕事一筋になります。
 すごい、リアルちっくでおもしろかったです。

 いけない、暑く熱く語りすぎました。




 こういうゲームをやってみて、フラグを立てる、とか、スチル、とかコンプとかトゥルーエンドとか、そういった言葉を使えるようになりました。
 ひとつ、なにかの階段を登った気がします。

 どちらのゲームも、絵がかわいらしいので、お勧めです。果てしなく個人的に、ですが。
 攻略は、サイトさん内に完備。すごい。安心。

 しかし、オンラインで小説を書いている方が多いように、ゲームを作っている方も多いですね。無限におもしろゲームがあってびっくりです。
 ということで勝手にゲーム紹介日記、次回に続きます。じゃん。


7.18.(水曜日) 確か月曜日のおはなし


 「ねえ、おまえも、もういい大人なんだからさあ、ちょっとは俺を味わってみたいなとか思わないわけ? そんなことないだろ? 思うだろ?
 おまえのは、ただの食わず嫌いだよ。きっと。
 味見くらいしてみてもいいんじゃないの。甘くしてやるよ。
 まずは少しずつ、ゆっくり、飲み込んでくれればいいんだよ。できるさ。できるだろ? やってみな」
「イヤ。そんなに飢えてない。誘惑したってダメ。あんたのことなんて全然……っ」
「嘘言うなよ。興味、あるんだろ? だからためらってるんだろ?」
「で、も……」
「そんなにためらうほどご無沙汰か?」

 おまえはなにキャラだ。
 いい加減恥ずかしいのでやめてみます。
 友人と出かけたランチタイム。なぜか選択肢がなく、食後にコーヒーを出されました。コーヒー。紅茶の選択はないんですか。オレンジジュースとかの選択はないんですか。
 ありませんでした。
 食後、目の前にはコーヒー。
 いつもならぜんぜんまったくさっぱり飲まないコーヒーですが、なぜか、ふと、飲んでみようかな、という気になりました。
 魔が差しました。
 ミルクと砂糖たっぷり。友人の分のミルクと砂糖もたっぷり。
 いざ。
 別に無理して飲まなくてもいーのに。なぜか飲むわたし。
 あれ。けっこうイケる。
 甘いのとクリーミーさの向こう側に、ほんのり苦味。
 うむ。けっこうイケる。飲めるじゃん。

 しかし。一時の快楽でした。
 昨日の夕方までなんか気持ち悪かった。
 食後、徐々に胃が重くなってきたと思ったら、もうずっと気持ちが悪かった。
 ……食あたり? いやしかし、友人はぴんぴんしてるっ。
 10年ぶりくらいにまともにコーヒー飲んだので、味覚が子供化していたのか刺激が強かったのか。どうだったんでしょうか、どうなんでしょうか。

「なんだよ、俺のせいばっかにするなよ。俺をためしたのはおまえの意思だろ」

 むー。もう一回飲んでみればわかるかなあどうかなあ。
 やめといたほうがいいかなあ。
 どうかなあ……。


7.15.(日曜日) あれ?


 すがすがしい台風一過の朝だなあ、と思って目覚めた午前10時。
 ……あれ、まだ台風東海地方通過して……ない?? でもお日様が差してますけど。
 どうなんでしょうか? なにやらお腹が減ってよく頭が回りません。

 お腹、といえば。
 昨日とその前の日の7月13日から一泊で上海しろさんが遊びに来てくれました。
 なにかこう、微妙にひととしてどーなんだろう、という食生活を続けた結果、お腹がすく時間がない、という二日間でした。食べたいものを食べたいだけ食べていました。なんかほんとすみません、という……。
 しろさんとはですね、お話をすればするほど、好きキャラとかかぶらないことが発覚していくわけなんですが、食べ物とかは、わりと基本の好みが一緒、だった?
 とゆーか、しろさんも岡田君らぶだった!! 岡田君、岡田准一君。
 そんなステキ事実が発覚した二日間。

 台風が西から、しろさんが東からやってきました。
 平日のカラオケって安っ、と思いながらカラオケしました。ふふー。カラオケの曲目もあまりかぶらないのですよ。
 カラオケではランチも頂きました。
 そうそう、しろさんはきっちり早起きをしてやって来てくれたと言うのに、わたしは朝食も食べずにお迎えに行く、というテイタラクで、まず、モーニング。それからカラオケランチ、そして特にまだお腹減ってないけど、時間的に夕食タイム。ホテルでお風呂上りにはちょっぴりお酒とおつまみタイム。
 少な目の睡眠時間を取って、朝食。ケーキを食べに行って、ラーメン食べて、と、わあ、食べっぱなし。
 しかし、その食べている間中、まったりと時間の許す限りおしゃべりをしました。
 しろさんが○○○さんらぶだった! とかも知ることができまして、楽しい二日間でした。
 あ、お土産に頂いた、あめやえいたろうさんというところの飴、が!さくさくおいしくってもりもり食べれてしまいます。飴なのに。「板あめ、羽一衣」。ありがとうございました。ごちそうさまでした。
 ……ああ! わたしはもしかしなくて手ぶらで帰してしまった、よう、な……。ほんといろいろいたらずに申し訳ありませんでした……です。と、こんなところで謝罪。
 ほんとうに遠いところよく来てくださいました。もう少し、いや、もうだいぶ近ければっ。夜な夜なカラオケ行ったりのみに行ったりできるのにっ。
 お疲れ様でした。次も楽しみにしています(もう次話)

 あ! 優しい妹が自分の空腹に耐えかねて、ついでに、わたしにもたまごサンドを作ってくれました。
 ありがたく、ランチタイムにしたいと思います。お礼にビール買ってきて、とか言ってます。……やだよ。
 ……しろさんと過ごした見返りのない心穏やかな二日間が早くもなつかしいです。


7.11.(水曜日) 日記


 しばらく日記らしい日記を書いていませんが、個人的には気分的には小話のなかで、書きたいことは書いてます。たぶん。きっと。
 直接言うと愚痴でも、話にしちゃえば小話で済みますねっ。たぶん、きっと。
 7/10日記を具体的に説明しますと。
 なんか、おしりを、蚊にさされた、ので。しかも、激しくかゆかったので。さらにしかも、おしりの、一番にくにくした一番かきにくいところを刺されまして、そんなおしりをかいている自分の姿にぷちうしひしがれまして、小話できれいにまとめてみました。
 と言う感じです。
 もちょっとせくしーなばしょを刺してくれればいーのに、どーせなら、蚊め。いったいいつ、どの瞬間にあんなトコロ刺したの!?
 とゆーことで。
 それ以前の小話の具体例につきましては……ご想像におまかせいたします、です、はい。









 以下私信(要反転)

 にゃあたさん。
 いえいえどうぞおきになさらず。お仕事がんばってくださいです。かえって気にかけさせてしまってすみませんですー。

 ヒノさん。
 バトンおうけとりありがとうございますっ。
 しかしっ。正直申しますとっ、わたくしのいもーとは、わたくしには決してシンセツではありませんので、小物入れとか作ってくれませんですっ。もちょっといもーとのお気に入りのひとと入れ替わること推奨です。
 例)しろさん。なんかお気に入りらしーです。逢った事ないのに。ごまたまごくれたから??
 あと、ええと、わたしもホモきらいじゃないですよ。えへ。


7.10(火曜日) 天沢姉弟(R指定?)


「……んっ、あ……」
 その気に、なりさえすれば、すぐに息は上がった。
 押し付けるようにくちびるを重ねながら、一志は花珠保のTシャツに手をかける。
 くちびるを、離した一瞬に、大きく息を吸い込む。Tシャツを脱がせる。
 冷房の効いた部屋の中でも、汗ばんできた肌をなぞる。
 スカートの中に手を突っ込むと、その瞬間だけ、花珠保はきつく目を閉じた。
「……ねーちゃん?」
 嫌がっているのか、と、ふと思って様子をうかがう。
 花珠保は、なに? という顔をする。
 別に、なんでもなかった、らしい。
 ふたり、して。裸になったところで。
 続けた行為の先で、
「あ」
 一志が、それを見つけた。
 花珠保の片ひざの、内側にくちびるを押し付けていた、そんなとき。膝から、太ももへ。もう少し、きわどい場所に、
「……蚊?」
 一志の呟きに、、
「え?」
 からだを起こした花珠保も、自分の、きわどい場所に虫に刺された跡を、見つけた。
「どんくさ。なんでこんなとこ食われてんの?」
「……さあ?」
 花珠保だって、そんなことを、聞かれても。答えようがない。
「かゆい?」
 と一志が聞けば、
「ううん」
 と花珠保は答えたけれど。
 その、虫刺されの跡を、不用意に、一志が引っかいた、から。
 ……人差し指の爪で軽く引っかいて。それで、そのまま、それきりで。行為の続きを再開しようとした、とき。
「か、ゆいっ」
 花珠保が飛び起きた。
「うそ、やだ、かゆい」
 一志が、引っかいたから。汗をかいていたから。虫刺されに気がついたから。
 かゆい、
 と思ったら、我慢ができなくて、花珠保は一志を押し退けた。
「え、は?」
 なんだかもうすっかり続きをする気がないように見える花珠保に、一志は呆然とする。
「あの、ねーちゃん……?」
 続き……と言いかければ、
「それどころじゃなくて、かゆい……からっ」
「それどころじゃいって、それどころじゃないって、おれもそれどころじゃないんだけどっ」
 これ見てみろよっ、と指差されて見せられたものを、うっかり直視して、花珠保は、
「見、たくないっ」
 まくらを投げ付けた。
「なん、だよっ。んじゃ見なくていーから、やらせろよっ」
「やだ、一志が変なこと触るからかゆくなったんでしょう!?」
「おれのせいじゃなくて、蚊のせーだしっ」
 一志もまくらを投げ返そうとして、
 花珠保が、その、自分の、きわどいところをもじもじと内股姿で掻いたりなでたりしている姿に、
「……ちょっ、あの、ねーちゃん」
「な、に?」
 かゆいのが、どうしようもなくて泣きそうな顔まで悩ましく見えて、一志は花珠保の足元に突っ伏した。というか、前かがみ。
「一志?」
 大丈夫? と余計な心配をされたので、素直に答えた。
「大丈夫くない。限界」
 花珠保の足首を掴んで力任せに引き寄せた。
 花珠保がかゆそうにかく、場所から花珠保の手を払いのけて、ぷっつりと赤く小さく腫れたそこに吸い付いた。きつく吸って舐める。柔らかいばかりの肌に食いついて、噛み切りたくなる衝動を抑えた。
 しばらくはかゆみに気をとらていた花珠保も、そのうちに、行為に没頭した。




 あ、しまった。望月君と清水さんで書けばよかったな。と途中で思いました。
 きっと望月君と清水さんだったら、「オレが(某かゆみ止め薬品)塗ってやろーか?」とかのセクハラ発言、やらしい手つき(指つき)に行為中断。望月君残念賞……だった、はず。


7.8(日曜日) ユキナリ


「どうぞ」
 ゆきうさぎを山ほど作った雪の季節はとうに過ぎて、森には花の季節がやってきていた。
 なんとなく、訪れた森で、ユキナリはナーナにせがまれ、軽々と、ナーナの望んだままに彼女を自分の肩へ担ぎ上げた。
 右肩に、掛けたナーナは手を伸ばす。普段は手が届くことのない樹の、花に、手が届いた。
 届いた、ことに無邪気に喜んだ。
「実のなる季節にも、こうしてくれると楽しい」
 ではその季節にもまた、と返事をすると、かわいらしく笑った。
「セイが喜ぶ」
 セイの喜ぶ樹の実がなる。喜ぶセイを想像して、嬉しそうにする。
「きっと、カヅカも好き」
 ふと思いついたように言ったので、
「カヅカ様の好みを知っている?」
 と聞けば、
「知らない。でもきっと好き。カヅカは、セイと似ているから」
「似ている?」
「元気なところが、よく、似ている」
 ナーナが花に触れると、ざわと、風が吹いて樹が揺れた。
 ナーナが花に触れたから、ざわと、風が吹いたのだとユキナリは思った。
 それは、間違っていないし、間違ってもいた。
 花を見ていたナーナは、風に、呼ばれたように振り返った。
 セイが、駆けてくる。
「うわ、ナーナっ! なにされてんの!?」
 セイは、ナーナを見上げてぎょっとする。ユキナリに抱き上げられている、というポイントに重点をおいて、ぎょっとする。
 ナーナは、変わらずにユキナリの肩の上から、
「なにもされてない」
 きょとん、と小首を傾げた。なにかされたっけ? とまばたきを、した。
「ねえ」
 と同意を求められて、
「なにもしていないが?」
 と答えれば、セイはなんだかいろいろと。それはもういろいろと言いたそうに頬を膨らませた。
 自分の気持ちに素直なセイに、ユキナリはこそりと笑った。


 屋敷に戻ると、カヅカが、ユキナリの帰りを待っていた。
「おまえ、また森に行っていたの?」
「また……ですか?」
「ええ、また、よ。いつもいつも、おまえは時間があれば森に行くのね。いつも、ひとりで」
 ひとりで行くことを責めているのではなくて。自分を連れて行かないことを、責めている。
「カヅカ様には、そんな暇はないようなので」
「ないわよっ」
 神女神と呼ばれなくなった今も、なぜか、いろいろ、忙しい。
「ですから……」
 言いかけた、ユキナリに、
「おまえは、ナーナがお気に入りだものね」
 仁王立ちで、見上げられ、
「……そうですね」
 ナーナを、気にいっているかいないかといえば、気にいっている。ので、正直に答える。
 カヅカは、気に入らないわ、と頬を膨らませた。
 なるほど。セイと、よく似ている。
 さらに、ぷいと横を向く様は、ずいぶん、かわいらしい。
 かわいらしい、この少女が……。
「ほんとうに、おまえはナーナを、妹のようにかわいがっているわね」
 そう、言う。
 ので。
「……そう、ですね」
 そういわれてみれば、そんなふうに、接しているのかもしれない、と思う。
「でも、おまえの妹は、私よ」
 妹だと、知ってから。以前のように触れることが少なくなった少女を、見下ろした。
「私、ひとりよ」
 妹、である以前に。
 街の、神女神である、少女を。
 その頭を、髪を、撫でた。
「そう、ですね」
 カヅカは、
 たったひとりの、街の、神女神。
 たったひとりの、妹。
 たったひとりの……。
 髪を撫でれば、どこかくすぐったそうに微笑む、カヅカに。
「俺だけ森へ行って、申し訳ないと思っていますよ。ですから」
 ですから……。
「お土産を、どうぞ」
 ナーナも持って帰った樹の花を、一枝、手渡した。
「実のなる季節には、ぜひ、一緒に森に行きましょう」


7.4(水曜日) 藤尾和弘


『怖いよ』
 彼女がそんなことを言ったのは、確か、初めて彼女に触れたときだった。
『和弘君は、怖くないの?』
 なにが? と聞き返すと、
『私は、怖いよ』
 と、彼女は言った。
 和弘には、彼女がなにを怖がっているのかなんてわからなかった。たった今、こうして、無理矢理に彼女に触れた自分のことを怖がっているのかと思ったけれど、そうでもないようだった。
 もちろん、怖がっていないからといって、好かれているわけでは、なかったけれど。
「……志保」
 そう、呼ぶたびに。
 彼女はいつも、なにかを怖がるような、なにかに怯えるような、そんな表情をした。
 あの表情は、なんなんだろうな、と思う。
 和弘との関係を、慎一に知られるのが、怖いのか。どうなのか。
 それはもちろん、怖い、だろう。
 ……怖い、とは、違う、かもしれない。ヤバイ。マズイ。都合が悪い。
 でも、もしも、バレたなら。
「オレのせいにしとけばいいだけだろ」
 悪いのは、志保じゃない。
 この場合、悪いのは、きっと、和弘、ひとりだ。
 そんなことを考えながら、グラウンドの真ん中で、彼女を探す。すぐに、はっとする。
 卒業を間近に控えた三年生が引退をしたのはもうずいぶん、前だ。
 部活終了後、一緒に下校する菊絵が、和弘を見上げた。
「和弘、クセになってるね」
「なにが」
「志保さん、探すの」
 和弘は否定も、肯定もしない。
 否定も、肯定もされなくて、菊絵は、和弘の制服の袖口を、掴んだ。
「ねえ」
 なんだよ、という顔をすると、
「和弘は、怖くないの?」
 菊絵は、志保と、同じことを言った。
 ……なにが。
 だれもかれも、いったいなにが、そんなに怖いというのか。
「……なにが、だよ」
「例えば、志保さんが、和弘を好きになったとしたら」
「前のキャプテン大好きだったくせに、とっとと次のキャプテンに乗り換えて、今度は今の、キャプテンに乗り換えちゃったりする、その簡単な気持ちが?」
 次のキャプテンは慎一。今のキャプテンは、和弘。
 志保が、和弘を好きになったら。
 その、気持ちが。
 ……怖い?
「違うよ」
 菊絵は呆れて、
「ぜんぜん違うよ」
「じゃあ、なんだよ」
「周りの目が、怖くないのかって聞いてるの」
「目ぇ?」
「志保さんには彼氏がいるでしょ。和弘には、彼女が、いるでしょ?」
 志保には慎一が。和弘には菊絵が。
 そういうことは、みんなが知っている、こと、だから。
「だから?」
「なんだよ、あいつらどーなってんだよ、って。詮索される目、とか。好き勝手なことを言われる目、とか。そういう目、だよ」
「おまえ、怖いの?」
「怖いよ。やだよ。あたし、和弘に捨てられたとか、やっぱりなとか、志保さんとは仲良かったのにな、とか、そんなふうに言われるの、やだよ」
 もしも、そんな日が来たら。ただでさえ、和弘を失って、傷付いているにきまっている、のに。
「ああ……」
 和弘はなんとなく、
「そーゆーことね」
 呟いた。
 言われれば、そう、なのかもしれない。考えたこともなかった、けれど。
「女ってすごいな」
 いったい、なにの、どこの、先まで見通してものを考えているのか。
「あんたもちょっとはそこまで考えなさいよ」
「そんな余裕あるか」
 そんな、余裕も。
 周りの目も。
 くそくらえだ。

 真木子から、卒業旅行に一緒に行く? と誘われるのは、それから数日後の話。





 ……ふっるい話持ち出してんな第二弾。
 唐突に相変わらず不親切なお話、第三弾。でした。


7.3(火曜日) ユワン


『リンねえ が リンねえ の くににかえった よ』
 どうにかそう読み取れないことはない手紙を、ユワンは繰り返し眺めていた。
 ふと、人の気配に、手紙を手の中に隠した。
 素早くそうしたつもりだったけれど、
「おまえ、姉さんとかいたんだ?」
 さらに素早く手紙を取り上げられた。
 生まれ育った村から、遠く、遠く離れたこの街は、きれいに石畳の敷かれた清潔なところだった。砂っぽい風が吹くこともない。日々の食料の心配をすることも、ない。
「おまえ、兄弟ん中で一番上っぽいのにな」
 ユワンは、ひらひらとからかうように返された手紙を受け取って、同じ頃兵役についた同僚を一瞥した。
「おれが一番上だよ」
 同僚は、ユワンに一瞥されて、
「なんだよ、睨むなよ」
「睨んだわけじゃない」
「これ以上、この話はしたくないって?」
「……したくない」
 素直なのか、素直じゃないのか、それだけのことを言いたくなさそうに、やっとのことで言ったユワンに、同僚は肩をすくめた。
「察するに、弟とか妹とかの手紙で、おまえの嫁さんが逃げちゃった報告? 兵役になんかついてほったらかしで、愛想つかされたとか」
「……嫁じゃない」
「『まだ』嫁じゃなかった?」
 同僚は、からかうように言った、わけではなくて。
 ユワンは吐息した。
「そんなんじゃない。いままでも、この先も」
 多分、きっと、永遠に。
 そんな、望みは。
 そんな、願いは。
「手に入れない」
 同僚は、きょとんとユワンを見た。
「おまえ、おもしろいこと言うね」
 手に、入らない。ではなくて。それでは、まるで、
 手に入れないことを、望んでいるように。
「手に入ろうが入るまいが、願ったり望んだりすることは、そーゆーことは、そうすることをやめない限り永遠の可能性だろ」
 ユワンは、同僚こそが面白いことを言っている、顔で、
「それは、かたちのないものの話だろ」
「かたちのあるものだってそうだろ」
「そうだけど」
 なにも否定をしない顔で、
「でも、ひとのかたちをしたものは、永遠じゃない」
 望んでも願っても。
 誰か人のものになってしまえば、それで、終わる。
 その先は、ない。
 なにもない。
「永遠だろ?」
 同僚も、なにも否定をしない顔をした。多分、どこかにいる誰かを想った、のだろう。
「永遠?」
 聞き返したユワンに、
「だって、望むだろ。願うだろ」
「なにを」
 見当もつかない顔をしたユワンに、
「彼女の、幸せを」
 それは、そういうものは。
 その先に、ある。
 もう終わってしまったと思ったものの、先にある。ずっと。ずっと。永遠に。
 ユワンは手紙を、握り締めた。
 そうだな、と。
 言わなかったのは。
 言えなかったのは。
 ほんとうの望みが、願いが、そこにはなかったから。
 そんなところには、なかったから。
 ほんとうの、
 望みは、
 願いは。
 夢に見るのは。
「……リン」
 かたちのない、想い。気持ち。
 かたちのないものを持つ、ひと。
 ひとのかたちをした、彼女。





 なんかすみません、なお話第二弾。
 しかもはてしなく唐突に不親切なお話で、ほんとにすみません、です。


7.2(月曜日) 一志


「おれって汚いな、とか自分の汚さを自覚してる時点で、おれは汚くない人間だよなあ」
 ぽつりと、一志が呟いた。
 自分の、シャツの胸元を掴んで、つま先を見下ろす。
 噛み締めた奥歯の隙間から、搾り出したような呟きは、疑問系ではなかった。問いかけでは、なかった。なにかを確信して、いた。
 一志のすぐ隣で、博則は、一志を横目に、
「おまえは汚いよ」
 わざと、責めるように言った。
「……汚いだろう?」
 すぐに、なだめるように言い直した。
 一志は、責められた直後は博則をにらみつけた眼差しを、なだめられて、またグラウンドに落とした。
「……おまえが、決めるな」
「僕が決めたわけじゃないよ。そんなこと、天沢が一番わかってるはずだろ?」
「おれは……っ」
 どうにか否定しようと言いかけて。
 言いかけたまま続かない、のは。
 そんなことは、一志が一番、わかっているから。
「おい」
「……なに?」
「おまえ、ねーちゃんに言うなよ」
「どうしようかな」
「ふざけんなっ。絶対言うなよ」
「先輩は、ごまかせないよ?」
 博則は、もう一度、繰り返した。
「そんなこと、天沢が一番わかってるだろ?」
 一志は、返す言葉が見つからずに、愕然とした表情で博則を見上げた。


 オチ。
 梅雨時で洗濯物が乾かないから洗濯物を増やさないでねと花珠保に言いつけられていたのに、うっかり晴れ間に遊びほうけてよりによって制服を泥だらけにした天沢一志くん。泥だらけって小学生かよ。いや中学二年生。こどもっていうと怒るくせにやることはこどもの微妙なお年頃。

「でもほら天沢、制服は家で洗濯するんじゃなくってクリーニングだから乾くとか乾かないとかゆー問題とは関係ないんじゃないの?」
 なだめたおす博則に、一志は途方に暮れて、また曇って来た空を見上げた。
「……クリーニング代、小遣いから引かれるっ」





 いえもうあのなんか、すみません。

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