日記……のような……


2004.12〜


7.30(日曜日) オヤジと言われようとも


 す……すごく、あの、ええと。
 髪の美しい女性を見かけました。
 よく漫画とかで「髪がきれいだね、触りたくなるよ」とかゆーせりふがあって、そりゃどんな髪だよ。とか思っていたのですが。いました。本当にいました。
 わたし好みレベルの美しい、ですが、理想理想。やわらかそうで、まっすぐで、でも矯正ってわけでもなさそうで、つやつやしてて、ほんとーにきれいだと思いました。
 買い物に行ってレジで並んでいた前の人で、思わず一緒にいた彼氏さん(ご主人だろーか)を横目で見つつ、いいなあ、その髪触れちゃうんだー、触り放題なんだー。わたしが彼氏だったら触りまくるよーーー。つか、ちょっと、ちょっと触ってもいーですかーー!?
 とか、我ながら脳内妄想変態度ピークでした。わたし変態☆


7.29(土曜日) テルーの唄を鼻歌していると、気付くととうりゃんせになってたり……しませんか。


 「ゲド戦記」見てきました。
 ……お話がどーというより、ちょっと、あの、なかなか集中できない状況にあってアレだったんですが……(座席の半分が子ども会の子どもさんたちで、ずーっと、ずーっと、後ろから座席けられてましたこのやろうーーー)

 ゲドさんの戦記というか、アレンさんの成長記な感じでした。
 わかりやすくて、ひとにやさしいお話でした。真(まこと)の名、とか、どうしてもそういうアイテム大好きでかっこいいー、とか思って見てました。
 ゲドさんの戦記のなかのアレンさんのお話、という感じだたので、なんか続編とかありそうな、あってもよさそうな、次はまったく別の○○さんのお話、みたいな。それで、最後にはひとの心がみんな健康になって、世界も正常になる……とか。
 今回だけだと、アレンさんの心は健康になったけど、結局世界はどーなったのかなー、とか。思います。
 あとちょっと言葉がたまに乱暴でびっくりしたり……しました。
 いや、でも、わりかし子どもさんたちもおとなしくみていたので、わかりやすい、丁寧なお話しだったんだなーと。

 日本沈没とパイレーツオブカリビアン、も見に行きたい、です。


7.26(水曜日) セレブ


 メールで友人にこっそり弱音を吐いたら即行で、
「じゃあ、元気が出るセレブティーパーティーしよう!」
 という返事がきました。
 元気な対応につられて元気が出ます。たまには弱音も吐いてみるものです。友人のありがたさと、その喜びを噛み締めることができます。
 ……ところでセレブティーパーティーってなに?
 とか深く考えてはいけません。きっとセレブなティーパーティーなんです。楽しみです。


7.25(火曜日) 毎月25日の朝7時30分頃に、携帯に非通知の着信があります。なんなんでしょうか。非通知のワン切りに意味はあるのでしょうか。


 朝、出社するとわたしの机に。パソコンの横に、スイカが置いてありました。
 でっかいのが、丸々一個。
「…………すいかだ」
 スイカです。
 どの角度から見てもスイカです。
 スイカがわたしの机の上にあるなあ、と思っていると、
「芳雪くん」
「はい?」
 冷やして夕方のお茶の時間に出してくれとかいわれるのかなあ、面倒だなあ、と正直に思っていると、
「そのスイカ、帰り分けてみんなに持たせてくれ」
 と言われました。
「はーい」
 それなら簡単でいいや。了解でーす。ととりあえず仕事の邪魔なのででっかいスイカを給湯室にでも持って行こうと抱えたところで、ふつーに、何気なく、言われました。
「五等分にしてくれ」
 …………え。
 五等分?? どうやって!?
 どうするわたし!?







 難問に朝から困惑していたら、見かねられて「四等分でいいや」と言われました。めでたしめでたし。


7.24(月曜日) 遊び放題


 土日は上海しろさんが遊びに来てくれました。
 一応、地元は八丁味噌の産地なので、さっそくランチに味噌煮込みうどんを食べに行きました。それから八丁味噌工場で八丁味噌ソフトを食べて、八丁味噌プリンを食べて、夕食には豚肉と大葉となんかの八丁味噌焼きとか食べて、翌朝は赤出汁で、そのお昼は味噌田楽食べました。やっほい。
 いくらなんでもこんなに味噌ばっかいつも食べてないし、すごいわたし食べた! と思ってたんですが、あれ、ちょっと待て。
 この、改めて、「八丁味噌」だ、と口にしたこの味噌の味が八丁味噌だとするのならば。……あー、けっこういつも普通に食べてる味でした。いえ、そこここでくちにする味噌が、なんだか、常に八丁味噌、なんだなあ、と。
 いくらなんでも、そんなに八丁味噌ばっかなわけはなくってちょっとは違う味噌だったりするんだろー、という気分だったんですが、なんか、とりあえず地元で口にしている味噌は八丁味噌、だったらしーです。味からすると。……へー。
 知らずに生活の一部だったようです。
 ふつーのスーパーの味噌コーナーでも「すごい味噌製品充実してますね」とかしろさんに言われました。そうなんですか。そうだったんですか。

 味噌といえば、実はあまり、甘い味噌、は好きではなかった、のです。味噌おでん用の味噌とか、味噌田楽用の味噌とか。味噌自体が嫌いなわけではないので、まったく食べない、というわけではないのですが、なんか甘くて苦手でした、なんでご飯といっしょにそんな甘いものを食べなくてはならないのか、と。
 そしてこのたび改めて口にしてみたらば! ……単に母が作るそれ用の味噌が果てしなく甘すぎた、というだけのことでした。ときには歯ががちがちするほど甘かったりします。泣けます。でもお店できちんと食べたものは美味しかったです。ぶらぼー。
 これからも味噌消費に貢献していきたいと思います。

 しろさんとは、すごいカラオケしたりしました。何時間でも歌い続けられそーな勢いでした。次までにはもっとわたくしめも歌える曲を増やしておきたいと思います。歌って、なんで流行った当時は歌えたのに、今改めて歌うと歌えなくなってたりするんでしょうか。脳みそ衰えてるんでしょうか。
 ふたりで歌った曲をふと思い出すと、妙に男性ボーカルさんの歌が多かったような気がしますが、しろさんの歌声は女性らしくてかわいらしかったです。
 夕飯時に一杯引っ掛けながら(実際は一適の飲んでませんが、そんな雰囲気で)の会話がいろいろと盛り上がって楽しかったので、やっぱり「もう少し距離が近ければ気軽に、今夜夕食ご一緒しませんか、とか声がかけられるのになあ」と思いました。でももしかしなくても、また8月に上京したときにお会いできたりすれば、地元のあまり会わない友人よりむしろよく会っている、ということになりましょう。
 地元とはいえ入ったことのないお店に入ってみたり、知らなかったお店を探してみたり(けっきょく見つかりませんでしたが……笑)、うろうろと連れ回してしまいましたが楽しい二日間でした。








 勝手にお返事コーナー。
 妹はAB型です。最強だと思います(AB型が、ではなく妹が)。


7.21(金曜日) もう夏休みですか?


 「ハウルの動く城」と「奥様は警視総監」のどっちを見よう、と思いながらあっちとかこっちとかチャンネル変えながら見ていたら、結局どっちも中途半端になってしまいました。「奥様は警視総監」って、なんか、題がステキ。奥様は魔女よりどきどきします。

 夏休みといえば、雑誌の占いに「片思いのあなたは夏休みの宿題の相談を彼にしてみましょう」みたいな事が書いてあってプチ衝撃を受けました。
 ……夏休みの宿題。夏休みの宿題。
 そうですね、夏休みといえば宿題ですね。お盆休みに持ち帰った仕事、とかじゃないんですね。って、お盆休みにわざわざ仕事持ち帰ったりしませんし。てか、お盆は、占いの期間と外れてるし。うむ。
 いえべつに、そんなうきうきな片思いとやらも特にしていませんが。
 「夏休みの宿題」という単語にプチ打撃。なんだか衝撃。勝手に撃沈。


7.20(木曜日) 仲良し姉妹


 わたしと妹は仲良しなので、仲良く一緒にかきピーを食べていました。
 突然妹が叫びました。
「あれえ!!」
 なにごとかと思って、なんだよ、と聞くと。
「わたしが食べよーと思ってたピーナツがないよ!?」
 と言うではありませんか。
「……どのピーナツ?」
「ここにあったやつ」
「……どこだって?」
「ここに、ちょっと、おいしそーだったから避けといたやつ」
「…………避けてあったの?」
「避けといたじゃん」
「そーだっけ?」
「気付かんかったの!?」
 え、悪いのわたし!?
「うんごめん、マンガ(花とゆめ)読みながらだったから気付かんかった」
 ここはひとつ素直に謝ると、妹はがっかりしながら、
「まったく、おねーちゃんにはがっかりだよ」
 真剣に、ピーナツいっこでがっかりしてました。がっかりっぷりがおかしかったので、久々にお腹が痛くなるまで笑いました。
 仲良し姉妹です。どうだ。(あほか)


7.19(水曜日) 横隔膜


 今日は一日……一日中しゃっくりしてました。
 「しゃっくり」って文字にすると、なんか別のものみたいですね。漢字で書くと「吃逆」……で合ってるんでしょうかどうなんでしょうか。とりあえず一発変換できませんでした。絶対読めない気がします。

 しゃっくりはですね、飲み物をですね、ごっくんごっくんと飲むと止まり……ます。なんとなく、わたしの場合。ごくごく、ではなく、ごっくんごっくんです。止まらないときもありますが、今日は止まりました。
 わりと簡単に治まったのでラッキー、と思って、さっきまでしゃっくりをしていたのを忘れて、別の飲み物を飲んだら、うっかりしゃっくり復活しました。がびん。
 今日は飲み物を飲むたびに、しゃっくりが復活したり止まったりしてました。
 しゃくりはあれですね、「……止まったかな? 出るかな? いや、止まった?」という出そうで出ない感じのときがなんだか気持ち悪いです。そういうときはからだに振動を与えるといけないような気がしてゆっくりすろーりーに歩きます。なにかのショックでまたしゃっくりめが復活しそうな気がしてなりません。ほんとうのところはどうなんでしょうか。
 ところでしゃっくりといえば、よく、酔っ払いのおじさんが頭にネクタイ巻いてお寿司だかなんだか手土産つまんで持って、千鳥足で歩いているシーンで、ういーーー、ひっく。とか言ってますが、あれはしゃっくりなんでしょうか。げっぷ? 世の中まだまだ疑問だらけです。


7.18(火曜日) こりゃうっかりだ


 パソコンが新しくなりました。購入したのは先週なのですが、昨日と一昨日の連休でなんとかお引越しも完了……と思ったら、この、日記を、アップするツールが新パソにはなくってがっくりです。
 と言うことに昨日の夜気が付きました。
 とりあえず、引っ込抜いた線を戻して、旧パソからアップです。
 新しいパソコンはびっくりするほど動きが早いですが、旧パソコンはびっくりするほど動きが鈍いです。引越しのための引越しソフトとか入れたら、ますます重さに絶えられずに鈍くなり、もうほとんど動きません。こんなになるまで働かせてすみません。でももーちょっと、もーちょっと堪えておくれおまえさん。
 思えばここ数ヶ月、終了は日々強制終了でした。もう自らの力では終了する力も残っていないのか、いつも終了の途中でかたまってしまって、もうとっくに画面真っ暗だろう、と思って見るとまだこうこうと「ウインドウズを終了しています」とか表示が出たままだったりで、しょうがないので強制終了の日々でした。
 わたしじゃないひとに使われていたのなら、もう少し身軽な余生を送れたかもしれません……。





 14日日記の「はした」は辞書で調べると「はんぱ」と出てきました。「はした金」とか。昔からある言葉なんですね。
 そういう言葉もあって、そういう言葉を使う先生や使わない先生がいる、という感じで、そう使わねばならない、という言葉でもないようです。……えええと、多分。
 というようなことを、頂いたメールで思いました。
 メール、ありがとうございましたです。


7.17(月曜日) ぷりん


 先週の(先々週?)ドラマ「マイボス マイヒーロー」第一話を見ていたらどーにも、プリンが食べたくなってプリンを買いに出かけました。時間は午後五時。もーちょっと我慢すれば夕飯なのに……。
 コンビニでぷっちんぷりんとかでいいのに、なぜか、これまたなぜかどーにもパステルのプリンが食べたくってパステルまで出かけました。車で10分〜15分。
 朝から部屋着で(パジャマではありませぬう)ごろごろしていたのですっぴんもすっぴんだったんですが、一応、身だしなみを整えて出かけました。ふ。まさかさっきのさっきまでとても人前には出られない人様にはお見せできないどうしようもない格好でいただなんて誰も思わない(はず)とか、人様の目を盗んで行動せねばならない尾行中の探偵のような気分の往復30分強でした。いえあの、尾行中の探偵さんの気分の本当のところなどはよくわかりませんが……。


7.15(土曜日) おねーちゃんですとも


 「今日から三連休ですね」
 とテレビのおねーさんが言っているのを聞きつつ出勤した土曜日。
 ……今日はまた。今日はまた! 元気な女の子を連れたお客様が来たりして、その女の子に(推定三歳)「おばちゃん」ではなく「おねーちゃん。おねーちゃん、おねーーーーーちゃーーーーんーーーー」と事務所中に響くかわいらしい声で呼ばれてしまっては一緒に遊ばないわけにも行かずに、住宅模型を見ては「ウサギさん住んでないねえ。おじいちゃんはお出かけ中だねえ」と、いったい何設定なんだろう、と思いつつ、これはいわゆるおままごとなんだろーかと思いつつ、住宅模型を破壊されつつ遊んでいました。いや、仕事。仕事です。汗だくです。本気で遊びます。いや仕事です。
 どうも言葉をきちんと選ぶ子供さんで、室長30歳を「おじ……おじ……」とおじさんといいたいんだけれど、お兄ちゃんと呼ばないといけないような気もして、でもおじさんと呼びたくって少々困惑気味な姿がかわいかったです。ちなみにそこで神経を使いすぎたのか、他社員その一は「あれ」呼ばわりでした。
 うん、わたしのことじゃなければ、あとはどーでもいいや。と思って特に訂正もしませんでした。そんな土曜日でした。


7.14(金曜日) 小数点


 友人宅で、小学四年生の子が算数の勉強をしているのを見てきました。
 勉強を見てきた、わけではぜんぜんありません。勉強している姿を、見てきました。てゆーか、遊びに行ったら勉強中でした。邪魔してごめんなさい。
 「小数点」の勉強をしていました。
 1リットルのビーカーの絵とかが描いてあるので理科の勉強かと思ったら算数でした。
 そうそう、1リットルは10デシリットル。……うっかり、こどもに聞かれて、1リットルは100デシリットル、とか答えるところでした。すごく危なかったです。
 3デシリットルは、0.3リットル。
 というのは、なんていうかもう、感覚で、そういうものだと思っているからわたしたちにとってはすごく簡単なことなのですが、その概念を、教えようとする教科書とか、問題集とか、おかーさんとか先生は大変だなあと思います。
 現にこどもは、なにやらよくわかっていない顔をしていました。うん、そんな突然わかんないと思う……です、はい。

 ところで。
 ものすっごく、自分の年がばれるんじゃないかと思うんですが(ばれてますが)小数点以下の、なんていうか、あまり、というか、そういうもののことを「はした」とゆーんですね。初めて聞いた!
 問題集に1リットルビーカーに途中まで水が入っていて、「はしたはいくつでしょう」みたいな。
 教科書を見せてもらいながら、なんだそりゃ、聞いたことない、と思っていたら、友人のおかーさんも「はしたってなにさ」とか言っていたので、さすが同年代、とほっと一安心。

 あと、おかーさん友人にきいたら、社会(?)の勉強でエコマークとかゴミの分別とか、食器を洗うときはアクリルたわしを使用してなるべく洗剤を使わないように→水が汚れるから。とか、習うんだそうです。…………へえーーーー。
 って、よく考えたら、自分の小学校時代から四半世紀経ってんだから(経ってるんですよ)そりゃいろいろ変わるよなあ、と思わず今日は晴れた空を感慨深く見上げた夏の夕暮れでした。


7.13(木曜日) っポイ!


 なんとなく、それとなく、最近のお風呂で読んでるマンガは「っポイ!」です。やまざき貴子さん。一日一冊。今日は14巻。
 以前読んだときは万里くんすごい、かっこいい子だなあと思ってたんですが、あらためて読むと、どんな中学生だよ、と心の中で突っ込み満載です。いやでもかっこいいんですけどね。
 ということで、以前はお気に入りは万里くんだった気がするんですが、今は、わりと、鷹丘くんがかわいいですね(かわいいとか言うあたり、もういろいろだめな気がしますが)
 でも和兄さんもチェックチェック。お話の中で時間がなかなか進まないので、いつでもどこでも受験勉強していてすごいなあと思います。
 昭さんみたいなお母さんになりたいです。……と、言うくらいは言ってもいいですか。多分この世の終わりが来てもあんなステキお母さんにはなれない気がしますが、ええ、言うくらいは……。破れちゃった制服なんてどーやって縫うんですか。針と糸ですか、ミシンですか。ミシンなんてもう、あの、学生以来使ってませんとかここで己のダメっぷりを披露しなくてもいいですねそうですね。
 今のところ24巻までありますか? ちょうど平くんの受験が終わったあたりですね。結果がまだです。どうなんだろうなあ、と気にしつつ、明日は15巻を読むのです。




 以下業務連絡……?

 誤字報告ありがとうございます。7月2日日記分、さくっと訂正いたしました。

 草原と草むらはやはり違いますか、そうですか、そうですよね。なんかこう、違いますよね。草原は白いパラソルと白いワンピースで、草むらは軍手に鎌持って草取りのイメージですね(え、それもぜんぜん違う?)。イメージ貧困で申し訳ないです。精進します(笑)


7.12(水曜日) あの夏


 まだ幼かった頃、背丈ほどもある草むらの中を駆けた。
 じゃんけんをして、勝っても負けても、追うほうも追われるほうも、柔らかく、青く茂った草をかき分けて走った。
 日差しが強いからと、母に持たされた麦藁帽子は胸に抱えた。草の中に隠れて歩くのには邪魔だった。
 転んだ拍子にTシャツが草の色に染まった。蚊に刺された腕をかいたら赤くなった。
 追うほうだったのか、追われるほうだったのか、草むらの中でぶつかった友人と顔を見合わせて笑った。
 日が落ちて帰る時間まで、あちこちで、絶えることなく笑い声が聞こえていた。





 って、別に↑こういった思い出があるわけではなく。会社の隣の草っ原
こういうイメージがありまして、なんとなく、草原を駆ける、というのは憧れだった、わけなのですが。
 いざ……いざ、草むらを目の前にするととてもこの中に入っていく勇気はない、と思います。
 バッタとかならともかく、なんかもっといろいろ出てきそうです。
 柔らかそうだなあ、とは思うんです。優しいものは感じるんです。
 が。
 ……遠くで見ている風景。というのがいいのかもしれません。

 あれ、草原と草むらは別もの……ですか??


7.10(月曜日) 映画と映画


 二日続けて見てきた映画は「ブレイブストーリー」と「デスノート」です。
 ブレイブストーリー……初日の初回だったのに、あまり人が入っていませんでした。あれ、こんなもん、ですか?
 原作を読んでいないのでなんとも言えないんですが、ええええと。
 微妙に「いやっ、そんな冒険している場合じゃないんじゃないの??」とか、思ったりしてどきどきしました。
 心の汚れた大人の目ではなく、素直な子供の心で見なければなりませんです。
 あー、あと、「銀の髪のアギト」を見たときにも思ったことと同じことを思ったりしまし、た。いきなり物語の山場や核心に触れられてもわけがわからないので、ちゃんと順を追って描いて欲しいなあ、と。ちょっと、えらそーに……。
 声優さんはみんな俳優さんとかなのかな、と思っていたら、ポイントポイントでお気に入り声優さん発見できて、なんとなくおたく的に嬉しかったです。
 いやしかし、ミツル少年がゾフィ皇女様をダンスに誘うシーンは……ステキでした。こらまて小学生っ。と思いつつももえもえしました。なんてステキ小学生なんでしょう(笑)


 デスノートはおもしろかったですよ。
 藤原竜也さん見たいという一心で見に行ったのですが、わかりやすく、おもしろく、後編も早く見たいです。
 映画館が満席で、隣には小学生くらいの少年が座っていたのですが、すごい、真剣に見てました。話が進むにつれ、身を乗り出して見ていました。なんかすごい。この子達は漫画もきちんと読んでるのかなあ。わたしは難しくって途中で挫折したままなんだけどなあ……とか。
 でも漫画を読んでいなくてもわかる親切設計でした。なにがどうなったのかきちんと説明があって、なるほど、と納得できる、のはすごいなあ、と。
 しかし、あの、エルさんが、もう、すごい勢いでいつでも甘いもの食べてて食べ続けていて、役者さんぶらぼーと思いました。

 映画予告を見ていて。
 「この国はこのままでは滅びます」みたいなことを言い出したので、あ、日本沈没の予告かな、と思ったら、なんか突然変身とかして、仮面ライダーだかなんだかになってびっくりしました。そそそそーか、そういう日本の救い方もあったのか。
 思わず、変身ポーズを決めるどこかの役者さんの雅巳さんとかを想像してひとり笑ってしまいました。彼が出演したのはどんなヒーローアクションものなのやら……。

 ゲド戦記とか日本沈没とか、これからの映画もおもしろそうですね。スーパーマンとかスパイダーマンとか、タイトル忘れちゃったんですけど、キアヌ・リーブスさんのラブストーリーとか、すごく気になります。


7.9(日曜日) 遺伝子


 母が、携帯欲しい、と突然言い出しまして購入したわけですが。
 すごい、必死に説明書とか読んでます。
 わたしもどちらかとゆーと、説明書を読む派です。
 父と妹は「説明書なんて読んでもわからないから読まない」派なわけでして、わからないことはとりあえず人(わたし)に聞いて、わたしもわからないと「はっ、役立たずめっ」と、なんていうかこう、フに落ちない勢いでわたしが罵られるわけです。
 わりと楽しそうに母は説明書を読みながら携帯を触っているので、自分の携帯の操作がわからないのに何でわたしが、という不条理で母に罵られることはない気がします。てゆーか、おかーさんは基本的にそんな人でもありません。
 が。
 しかし。
 母が購入したのは妹と同じ機種、でした。
 母は自分でいろいろやりたいみたいですが、横から妹がちょっかいを出します。で。
 妹にもわからないことが起こると、母は説明書を開きますが、妹はそんなことはまどろっこしいのでわたしに聞きます。
 しかしそんな突然聞かれたってわかんないよ、という態度をわたしが見せると、ここはほれ、容赦なく「この役立たずがっ」とか言われるのです。
 ……なにをどこで間違えたのか。なんかわたしのこの人生、納得いきません……。


7.7(金曜日) 雲の上は晴れてるよね


 「この、季節 この、日」 日記のみに登場の千里さん、覚えてますでしょうか??


 携帯電話の鳴る音。
 着信音はアンパンマン。
 表示されている名前は京太(ケイタ)

「もしもーし。うん? ううん。テレビ見てない。新しいドラマ? やってたっけ? どーでもいいや。なに? もう仕事終わったの? まだ仕事中? だよねえ。なに? 仕事中なのになんで電話? あー、麻子……からは、うん、お昼にメールあった。市役所行って来たーって。無事入籍終了ー。なんか仕事休めないからって、そう、お昼休みに。植田が……って、麻子ももう植田サンなんだ。なんか変なの。……だから、ええと、植田が迎えに来て、それで市役所行ったって。そんで、その後、午後から植田は出勤ー、だったみたい。そういうもん? 入籍ってそういうもん? 仕事の合間にやるもん?
 ……そーだけど。ふたりがいいなら……っていうか、麻子がいいならいーんだけど。って、なに、なに笑ってんの?? はあ!? 寂しんぼって、あたしがぁ!? なにそれ、何語。は? 京太語? くだらないこと言ってないで、仕事しなよ。そんでさっさと帰って寝なよ。電話かけてる暇なんかないくせに。
 えー? お祝い? 麻子の? それはまた今度ゆっくりやる計画がちゃんとある、けど。なんでそんな麻子のことを京太が気にするの。あたしじゃないよ、京太だよ。そうだよ、京太だよ。なに、さり気にお気に入りだった? 残念でした。もう人妻だし。……って、うわ、人妻だ。なんだこの響き……。えろい? うわ、えろいとか言っちゃう京太がヤバいよ。仕事しなよ、仕事。よそ事考えながらやってて間違えても知らない……会議の資料のチェックでもしてるんでしょ? 違うの? 違わないでしょ、京太の、ほら、例の仕事の遅い部下のコの尻拭いっぽい、でしょ、そーでしょ。だったら集中しなよ……。
 ……やーだよ。こんな遅くに。京太、今すぐ帰ってきたって……そう、そうだよ、何時になると思ってんの。明日も仕事なんでしょ。は、休み? 土曜だから? あのね、そーゆー、意味のない嘘はつかないよーに。資料って言ったじゃん。明日使うんでしょ。だから残業なんでしょ。もー、仕事しなよー。いいよ、来なくて。あたし、寝るし。はあ? 待ってない。絶対待ってない。
 だって七夕だから……って、雨じゃん。星、見えないし。は? 晴れてる? あっそ、そうだね、雲の上はそーだね、きっとね。そんなトコまで見に行けないけどね。なに夢見る少女みたいなこと言ってんの。あたしじゃないよ、京太だよ。いい年して、なにが七夕……いい年じゃん。あたしといくつ違うと思ってんの。そう、十歳。ジャスト、十歳。おしくない。もうちょっとで丸ひとまわりって、なに、それ、おしいって言うの? あはは、言わないよ、変なの。京太、たまにおかしなこと言う……って、はあ!?
 違うっ。それは違う、それはおかしなことじゃなくて、壊れてるから。ぎゃー、おっさんが、なに言うかな。ちょっと、周りに、会社の、誰かいたりしないの!? なに言ってんのなに言ってんの。むしろ京太だよ。いーやー。あんた、なんであたしに向かってかわいいとか言うの。おかしいよ。そうだよ。かわいいっていうのはもっと麻子とか由佳みたいな……違うよ、ちっがうよっ。そういうことを電話で言わないで……っ。いえ、あの、ごめんっ、ごめんなさい。どこででも、そんなこと言わなくていいからっ。だから、今夜って……。
 もーーーー、いいから、仕事に……っ。
 は? 着いた? どこに? 窓の下? ええ!? 窓の下? うわ、いるし。って、ちょっと、あの、てことは!
 道々で(えろいとか)こっ恥ずかしい会話をしてきたのかーーー! いいから、あたし、なんにも寂しがってないから、麻子の幸せバンザイ。後は任せたぞ植田っ。ほらっ。ほら、寂しがってないから、いいから。なに、なに笑ってるの。もーいいからーーー、あんたさっさと帰れーーー!!」



 今決めたどうでもいい設定。
 ・千里さんは10歳年上の彼氏にかわいがられてなかなかうまくやっている様子。
 ・由佳さんはそのうちにみっつくらい年下の彼氏ができてかわいがる、予定。


7.6(木曜日) 眩しい夏に向けて


 前触れもなくわたしのウエストサイズを測り終えた妹が、ひとり勝手にがっくり膝を着いて打ちひしがれました。
「なにやってんの」
 と尋ねれば。
「おねーちゃんよりウエスト細いと思ったのに……。おねーちゃんにだけは負けないと思ったのに……負けた。がっかり」
 と勝手になにやらショックを受けていました。
 テレビで見た体操を始めて若干ウエストが締まってきた……らしーですよ。
「てことは! 私は前は、おねーちゃんよりだんぜんウエスト太かったってこと!? ダブルがっかり、もうだめだ、生きていけない」
 とまた大げさに打ちひしがれます。
「……あんた、どんだけおねーちゃんが太いと思ってたんだよ」
 って、別に、細くも華奢でもないですが。


7.3(月曜日) 勝手に申そう妄想


 「秘蜜ごと」の数年後?  R指定(?)
 お暇な方はどーぞです。




 パターンその一 天沢花珠保18歳

 腕を、掴まれて。振りほどけなくて。
「広田……くん?」
 花珠保は博則を見上げた。以前から博則のほうがずっと背が高かった。その差は広がるばかりだった。
「どうしたの? 一志ならもうすぐ、帰ってくると思うよ?」
「そーじゃなくて」
「なあに?」
「わかってるくせに」
「わからないよ?」
「ほんとうに? じゃあ、もう一回言う? ていうか、もう59回目くらいなんだけど。僕と付き合ってください」
「まだ、30回目、だよ?」
「そうでしたっけ? あれ、サバ読みすぎた」
 博則が笑ったから、花珠保も笑った。
 けれど、腕はほどかれないままで。
 花珠保は、心の中、だけで、もうすぐ一志が戻ってくるはずの玄関先を気にした。博則に気付かれないように、気にした。
「ねえ、センパイが本当に好きなのは、誰? 僕、けっこうセンパイと付き合い長いと思うんだけど。それでもわかんないのは、センパイが隠すのがうまいから? それとも、本当はそんな人、いないから?」
「……いない、よ」
「そう?」
「そうだよ」
「でもセンパイ、デートにはよく誘われて出かけてるみたいだけど、ちゃんと付き合った人って、いないですよね。本命が、いるんじゃないの?」
「広田君には、内緒」
「内緒、ですか」
「内緒です」
 腕を、掴んだままの博則の手を、押し退けながら、
「わたしが、本気になれないだけ、だよ」
「センパイが?」
「うん。広田くん、もね」
「僕も?」
「だって広田くん、付き合ってって言われるのはこれで30回目だけど、好きって言われたことないもん」
「それは……」
 博則の手が緩んで、花珠保から離れた。
 博則は、嘘を、言うように。口元で笑って、一志の帰りを待つために、ソファに深く、かけた。
「それは……だって。僕が好きって言ったら、センパイ、壊れちゃうもん」
「……壊れる?」
「センパイの中には天秤があって。その天秤はもうずっと前から、片方にだけ、何かが乗ってて、重くっていっぱいに振り切ってて。でも、いっぱいに振り切ってるそれが、もう、センパイのバランスだから。僕が、もう片方に乗ったら、バランスが崩れて、天秤、壊れちゃうでしょ?」
「……変な、例え話だね」
 花珠保は、全部をごまかして笑うと、博則は、全部をごまかされるように、笑った。
「そー、ですね」
 これで、30回目。
「ちらっと、センパイが、センパイの好きな人を見せてくれたら、僕、それで諦められるのになあ」
「だから、いないってば」
「ほんとですかーーー? じゃあ、やっぱり僕と付き合いません?」
 タイミングよく帰ってきた一志が、呆れ顔で博則を蹴飛ばした。
「おまえそれ、500回くらい言ってねえ? いい加減諦めろっつーの」
「まだ31回だってば。あ、天沢はセンパイの好きなひととか知らないの?」
「知るか。おまえだって、おまえの姉貴の好きなやつとか付き合ってるやつとか知ってんの」
「知らない、けど」
「ほらみろ」
「えーーー」



(とか、広田博則君踏まれたり蹴られたり編−花珠保と一志の仲にあくまでも気が付かないバージョン。え、博則君花珠保に気があったの!? ……意外にありかもしれない)



 パターンその2 広田博則22歳

 腕を、掴んだ。簡単には振りほどかせない。
「……センパイ」
 細い指先の、きれいな爪が、
「離してっ」
 博則の手を振りほどこうと、博則の手に爪を立てる。引っかかれた場所が赤く腫れ上がる。それでも、そんなことでは、離さない。
 この指が、爪が。
「こうやって、天沢の背中に、傷、付けたの?」
 青ざめた花珠保に、見上げられて、博則は自虐的に笑った。
 言わなければ……。
 言わなければ、誰も傷付かない。花珠保も。博則も。
「僕が、一番初めに見たのは、センパイがこうやって傷つけた、天沢の背中だった。合宿でね」
「……違う、よ」
 震える声は、否定をしても、肯定する。
「違う……。や、だな。広田くん、なに言って……」
「センパイと天沢こそ、姉弟で、なにしてたんですか」
「なにも……」
 否定すれば、するほど。
 本当、のことだと、声が震える。
 花珠保の震える声を聞くほど、不思議と、博則のどこかはひどく冷静になっていった。だから、その冷静の部分で喋った声は、花珠保には、ひどく、冷たい声に聞こえたかもしれない。
「なにも、していない、ですか?」
 小さく、小さく、何度もうなずく花珠保の首筋に触れた。
 こわばる花珠保は、泣きそうな顔をして、泣かない。
 首筋をなぞり上げて、耳からあごへのきれいなラインをたどる。仰向かせると、花珠保の眼差しは、博則を逸れる。
「僕を、見てくれたら」
 泣きそうだったのは、博則のほう、だったかもしれない。
「僕のものになってくれるなら、そういうことにしてあげても、いいですよ」
 花珠保が、博則を見た。
 目が合った、その一瞬のために。
「天沢とセンパイは、なにもなかった。そういうことにしてあげてもいいですよ」
「……いいも、なにも。もともとなんにもなかった、よ」
 花珠保は強情だ。でなければ、ここまで、こんなに、何年も、その事実を隠し通せたわけがない。
「じゃあ、からだに、聞いてみていいですか」
「え」
「僕の知ってる限り、センパイ、だれともちゃんと付き合ったことない、ですよね。処女ですか? 違いますか? もしも、誰かに一度くらい抱かれたことがあったとしても、慣れて、ませんよね」
 一方的に重ねたくちびるは、冷たかった。血の気の失せた花珠保のくちびるは、柔らかくて、冷たい。
 これが、初めて、このひとに触れた感触か、と思う。
 花珠保はぎこちなくて。ほんとうに、だれも、このひとに触れたことなどないんじゃないかと思う。もしかして、ひどいことをしているんじゃないかと、思う。
 でも。
 一志以外が触れたことがない、から。だからぎこちないんじゃないか、とも思う。
 相手が自分だからぎこちないのかもしれない。
 ちがう、一志以外は受け入れたくないだけなのかもしれない。
 こんなふうにひどくしなければいいだけのことなのかもしれない。
 わからない。
 ……わからない、振りを、した。



(とか、広田博則君ありえない編/ありえないのか−ベタすぎですね。そして微妙に性格違うよ広田博則。広田博則広田博則。書こうとする頭はマジメなんだけど、心では笑っちゃいましたバージョン。広田くんかっこいー←当社比)



 パターンその3 天沢一志24歳中学二年

 腕を掴んだ。振り返った花珠保の、衣装に。
 驚いて飛び起きた勢いでベッドから転がり落ちて、目が覚めた。
「な……っ」
 なにが起こったのか、と一志は辺りを見回す。真夜中の、自分の部屋だった。
 なんであんな夢、と深呼吸する。息を、吸って、吐いて。また吸ったら、
「一志?」
 どうしたの? と、受験勉強の最中だった花珠保が、物音に様子を見に来た。
「すごい音がしたけど……。ベッドから落ちたの? 小さいときはよく落ちてたけど、最近は珍しいね」
 一志は花珠保を凝視する。夢の続きを見ているように花珠保を見る。
 夢の……中で。
 なにかとんでもない衣装を着ていた花珠保は、今は、半そでのパジャマ姿だった。
 一志は目一杯まで吸い込んだ空気を、思い切り、吐き出して、
「怖っ」
 部屋に、入ったところで立ち止まったままの花珠保のところまで、からだが重そうにはって歩いて、花珠保の両足に抱きついた。
「一志?」
 花珠保の伸ばした手を掴んで、引き寄せて、抱き締めた。
 花珠保は抱き締められながら、
「そんなに怖い夢だったの?」
「……別に」
 一志はごまかして、花珠保の首筋に顔をうずめた。花珠保の耳たぶが鼻先に触れて、舐めて吸い付く。
 花珠保は敏感に反応して、一志にしがみついた。しつこく耳を攻めれば、呼吸が、荒くなった。
「一志……っ」
 先を求められて安心する。キスをして、またもう少し安心をした。
 ……夢を。
 一志と、花珠保の関係がバレた夢を見た。
 花珠保が、何年先になってもひょろひょろと背の高い博則に組み敷かれる夢を見た。
 一志以外の男が花珠保に触る夢を見た。
 怖かったのは。
 一番怖い未来は、どれだったのか。
 一志と花珠保の関係は誰にもバレていない。
 博則が花珠保に惚れたなんて話、聞いたことがない。
 花珠保に一志以外の誰かが触ることなんかあるわけない。
 それから……。
 それから。
「……ん、んっ」
 いい場所に触れればのけぞる花珠保の首筋に吸い付いた。
 指先で、そこを濡らす水をかき出して、
「も……、挿れる。挿れていい?」
「あ、……や、あ、一志っ」
 奥へ、奥へ入り込めば、他に、呼ぶ名前なんて持っていないから一志の名前を呼ぶ。
 入り込んだ瞬間にも、その途中にも、最後にも、名前を呼ばれて、安心を、した。
 それから。

 それから。
「こんにちはー」
 三日後の放課後。
「天沢ー、貸してくれるって言ってたCD借りにきたー。貸してーーー」
 元気な挨拶と一緒に、元気に遊びにやってきた博則に、一志は自分の部屋から飛び出して、階段を駆け下りた勢いで博則を蹴飛ばした。ついでに踏みつけて、ちょっと気が済んだ。
「あーまーさーわーーーー」
 原因もわからず博則は泣きながら一志を睨み、
「一志!?」
 いきなりなにしてるの、と花珠保に小突かれたけれど。
 とにかくすっきりした。
 怖い夢を見た。
 101回目のプロポーズで花珠保が博則と結婚をする夢を見た。おねーちゃんお嫁に行っちゃいやだ、と掴んだ花珠保は、花嫁姿だった。ウエディングドレスを着ていた。
 ……すごく、怖い夢を見た。
 どこまでが恐怖で、どのあたりからギャグだったのかわけがわからない。
 でも夢だ。
 ちょっと一志反省してるの? と更に花珠保につねられた頬が痛かったから、夢、だ。



(以上。広田博則君いいところがあったのかどうなのかやっぱり踏んだり蹴ったり。収拾がつかないので一志の夢オチにしてみましたすみません編、でした)


 101回目のプロポーズって、どのくらいの世代まで通じるんでしょうか……。


7.2(日曜日) 大河ドラマ


 功名が辻…………きち兵衛さんがお亡くなりになってしまいました。楽しみがまたひとつ減ってしまいました。がっかり。
 たけだてつやさん、いい味出してたのに。あのステキ笑顔が忘れられません。
 戦というものはなんていうかほんとうにもう。


7.1(土曜日) なながつついたち


 7月1日です。
 どーでもいいことですがなぜか覚えてしまった社長の誕生日です。
 どーでもいいやらどうでもよくないやらの、市制記念日です。小中学生の頃は、お休みになってとても嬉しかった記憶があります。
 ところで市制90周年だそうです。あれ、ついこの間80周年とかやってませんでしたか。
 もう10年経ちましたか。光陰矢の如しですね。きっとまたすぐ100周年になって、110周年になって、120周年になって、その頃には過ぎ去った日々を振り返り、そういやあサイトとか日記とかでこんなことを書いてたなあ…………とか、思い出すかどうかわかりませんが、いつでも、昔を振り返ったときには「くはっ、あの頃は若かった!」とちょっぴりこっ恥ずかしい思い出ですっぱい気持ちになるような、そんな毎日を過ごすことができたなら、毎日は楽しいんだろうなあ、と、今、ちょっと思いました。
 うんでも、たいていは、ほどほどに、あたりさわりなく日々を過ごしている、んだと思います、けど、ね。

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