日記……のような……


2006.2〜


2.28(火曜日) 春……ですかねえ?


 家の裏の人様のお宅の梅の花が膨らんでまいりました。春だなー、と思います。
 と、思ったら、別の場所の梅が、すでにぱらぽろと咲いているのを発見しました。あら、春だなあ。
 ……うん、でも、部屋の暖房器具が壊れちゃったりすると、さすがに寒いです。
 当初は、あと本格的な春まで一ヶ月。そう、一ヶ月。まあ暖房なくてもなんとかなるかー。とのんきに思っていました。そして実際、ホットカーペットは無事だし、うん、まあ、大丈夫大丈夫。な感じだった、のです、が。
 ……寒い。うん、まだちょっと寒気が降りてくると寒いね。天気予報で、今夜から明日にかけて冷えるでしょう、って言われるとほんとうに寒いです。
 ハロゲンヒーター、が壊れちゃった、というか、なんか、電球、みたいのがとんだ、んじゃないかと思うんですが。すごく初期のハロゲンさんなので、自力でそこんとこが交換できません。取扱説明書を読むと、業者に連絡してください、とあります。えー。めんどうー。
 新しいの買おっかー。と思ったんですが、あれです、ほら、もう売ってない。のですヨ。家電屋さんの暖房器具売り場は閑散としてるんですヨ。
 2月ももう終わるし、もうすぐもうすぐって言ってるうちに春が来る、かなあ。早く来ないかなあ。どうなのかなあ。



 24日の日記での里さんと由佳さんの会話間違い。自力で発見。
 ……多分、アサコさんは土曜休みではないと思われます、です。でもきっと、月に一日くらいは土曜とか日曜とかにお休みも取れるのかもしれません。きっとそうなんでしょう。そういうことにしておいてください。です。
 ちなみに、わたしの会社も住宅建設会社なんですが、日、祝、お休みで、土曜もたいていお休みです。よくお客さんに、変な会社ですね、と言われます。どーでもいいですが。


2.27(月曜日) ほやほや


 生まれたてほやほや、生後三日の赤ちゃんをだっこさせてもらいました。
 今まではもー、とにかく首がすわっていないし、ちっちゃいし、壊しそうで、首がすわるまではだっこは遠慮していたんですが、なんとなく、ほかの友人の赤ちゃんたちに触れてきて、なんとなく、赤ちゃんに慣れたような気がする、というのもあって、だっこ、させてもらっちゃいました。
 赤ちゃんのおかーさんがわりと元気そうだったのもあって、わりと、気軽に。
「わー、こんなほやほや赤ちゃんだっこするのはじめてー」というわたしに、
「わたしだって、この子生まれてから数回ぐらいしかだっこしてないからいっしょいっしょ」
 とゆーかんじで、おかーさんも含めて、みんなでぎこちないだっこをしてきました。
 ちっちゃー。かるいー。ほんと軽いー。すごいねー、こんなにちっちゃくても、中につまってるモノはおんなじなんだねー。



 こんなところでなんですが。
 「2月14日から」にトップページのひとことフォームから感想送ってくださる方、ありがとうございます。個別にお返事はできませんが、ありがとうございます。うきうきしてます。
 あ! と、テニスの王子サマ情報を下さる方もっ。ありがとうございますです(笑)


2.26(日曜日) 県庁の星 ネタバレの気がします


 映画を、見てきました。
 織田裕二さんの県庁の星、です。
 培ってきたノウハウを生かして、テキパキとつぶれかけたスーパーを立て直していくあたりはすごく楽しかったです。
 県庁の改革は……まあ、ともかくとしまして。
 織田裕二さん、踊る大捜査線で警察の次は県庁の星で県庁かあ、という感じでした。次はどこの組織にメスを入れるんでしょうか??
 ところですごいふつーに見てたんですけど、あとでふと思ったんですけど。織田裕二さんと柴崎コウさんは、実際はけっこー年、離れてますよね?
 あ、佐々木蔵之助さんの役どころとか、おもしろかったです。昨夜、天海ユウキさんとのドラマを見ていたので、なんとなく、あれ、お父さん生きていたの? とか、思わなかったこもないです(笑)


2.24(金曜日) 誤字・脱字・増字


 さっそく、昨日アップ分の誤字報告など、ありがとうございます。ささーっと直しておきました。大変お見苦しいものを見せいたしましたです。




From: サト Subject: アサコが!
「アサコからメールあった? ほんとーに、あの、植田と結婚するんだと思う? 冗談じゃなくて?」
From: 由佳 Subject: RE: アサコが!
「…ウソでそんなこと言わないでしょ。ほんとでしょ。いいじゃん、植田くんでしょ?」
From: サト Subject: RE: RE: アサコが!
「えー、植田だよ!? すごい、浮気とかしそー。てゆーか、なんで植田……!?」
From: 由佳 Subject: RE: RE: RE: アサコが!
「そう? 浮気とか、しないと思うけどな。あ、里ちゃんて、高校のとき、一年生くらいの植田くんしか知らないっけ?」
From: サト Subject: RE: RE: RE: RE: アサコが!
「うん、確か一年のときに同じクラスだった。ユカとアサコは三年のとき? 二年は三人とも同じクラスで楽しかったよね」
From: 由佳 Subject: あのね
「あのふたりさあ、ほんとはその、三年生くらいのときから気にしてたんじゃないのかなあ、お互いのこと」
From: サト Subject: RE: あのね
「は? そーなの!? なにを根拠に? アサコ、そんな話、したことあった? てか、植田、彼女いたよね?」
From: 由佳 Subject: 麻子ちゃんはさあ
「彼女は、いた、みたいだけど。麻子ちゃんから直接聞いたことはない、けど。なんとなく。とりあえず、植田くんは麻子ちゃんの嫌いっていうか苦手なタイプっぽかったけど、だから気になるっていうか。なんか、お互い、そんな感じだった、かなーって。今思えば」
From: サト Subject: RE: 麻子ちゃんはさあ
「そんなんだった? え、でもさあ、植田はさあ、ほんとにアサコに気があったなら、ちょっかい出したんじゃないの? えー、すごい、他人の迷惑なんて考えないでそーゆーことしそー」
From: 由佳 Subject: RE: RE:麻子ちゃんはさあ
「だから、そーゆーコトできないくらい、真剣だったっぽい、んだけど」
From: サト Subject: RE: RE: RE: 麻子ちゃんはさあ
「マゾで?」
From: 由佳 Subject: RE: RE: RE: RE: 麻子ちゃんはさあ
「…………植田くんがマゾ?」
From: サト Subject: 間違えた!
「打ち間違えただけ。マジで!?」
From: 由佳 Subject: びっくりした
「うーん、たぶん。だから、今度会わせてくれるって言うんだから、会ってみればいいじゃん。次の土曜あたり、いいよーって返事しといていい?」
From: サト Subject: RE: びっくりした
「そーゆーの苦手。というか、なんか、昔のクラスメイトにあらためて会うのってなんか、ヤじゃない? なに? なにを話せばいいの?」
From: 由佳 Subject: RE: RE: びっくりした
「じゃあさ、植田くんはオマケで、ここはいつもの通りに、うちら三人でランチで、あれー、なんか着いてきてるー、あ、植田くんかあー。って感じで、観察してみれば?」
From: サト Subject: RE: RE: RE: びっくりした
「あんたもなかなかひどいこと提案するねえ。でもまあいいか、そうしようかな。幸せアサコもついでに観察しようか。あのアサコが他人の前で手離しで幸せオーラを発するともなかなか思えないんだけど。ああああ、でもあの植田は、他人の前だろーと無関係にいちゃいちゃしそー。やっぱりアサコ、だまされている気がする、いいのかなあ、植田でほんとに。ダメそーだったら、植田、殴っていい?」
From: 由佳 Subject: 暴力反対
「えー、そのうち植田くんの友達とか紹介してもらおうと思ってるんだから、できるだけ穏便にね。里ちゃんも、彼氏連れてくる?」
From: サト Subject: RE: 暴力反対
「紹介って…昔のクラスメイトとかだったらなんかヤじゃない? あ、同僚とか紹介してもらえばいいのか。うちの彼氏は、やだよ、連れて行かないよ。ケッコンとかぜんぜん話出てないし。催促するみたいだし、催促されるのもヤだし。だいたい、植田と並ぶと、……ビジュアル的にきびしーし。って、もういいや。はいはい、今度の土曜日ね。あたし、お店適当に予約しとくから、アサコにメールしといて」
From: 由佳 Subject: 了解
「じゃあ、メールしとくね。おやすみー」
From: サト Subject: RE: 了解
「よろしくー。おやすみー」



 ……か、書きづらかったっ。ので、読みにくかったらすみません。
 というか、面倒だった……もうやらない(笑)
 多分、よくありそうなメールのやりとり、でした。
 電話しろよ。って感じですが、こーゆーのはあれですよね、朝から晩まで、一日かけて仕事の合間を縫ってメールしてたりしますよね。え、してませんか、そーですか……。


2.23(木曜日) こんな、季節 こんな、日


 しゅーりょー。
 終了、です。「この、季節 この、日」
 よくよくおかしなタイトルでした。でもなんとかこじつけて終わりました。ふいー。
 あの内容で、キレイにまとめて終わりやがって、と自分でも思ってます。わたしだったら絶対許さないけど……なあ。どうなのかなあ。立野さんみたいにかわいい人になりたいなあ。
 さて。そんなことはともかく。

 めーずらしく、ごちゃごちゃごちゃごちゃと書き直しを強いられました。いろいろ気軽に書いてはならないことを気軽に書きすぎた……というか。なにかどこか、間違ったことを書いているかもしれない気がしてなりません。レイプは確実に間違い、ですが。ほかにもいろいろ……。お気づきの点がありましたら、こっそり指摘してやってください。です。
 最終回、でなければ、オールふたりきりシーンで終了していた、と思います。が。一応最終回だから、なっちゃんたちも出しておくか、とか思ったらもう……。
 ヒトがいっぱい出てくると一人称は辛いっすね。ということで、やっと。これでやっと! 立野さんと奈津の書き分けに苦しまずにすみます。と告白してみます……。
 一人称のシリーズはもうやめよう、と心に誓いました(ちなみに、清水さんは、みーとか、あのへんの系統でこれまた書き分け出来てない気がしてますよ)。

 「麻子」サンはずいぶん前からそういう名前に決まっていました。うん、もう、なんか、「麻子」さんだったんです。
 「己陽」ちゃんはなかなかぱっと見で読みづらい字面にしてみました。
 実は、以前アンケート頂いた際はですね、なぜか「ヤ」のつくお名前希望が多かったです。○也 とか ○哉 とか。
 なるほどーと思ってたんですが、ふと、名前の最初の文字が「ミ」というメールをいただいたらもう頭から離れなくなりまして、あーじゃー「みっちゃん」は決定で、「みつや」とかにしよっかなーと思った、んですが。なんとなく、さり気に、ただいま花ゆめ連載マンガで、そういやみつやさんてあっちこっちにいたなあ、と思って、変えたりしました(ゴールデンデイズの二巻はいつ出るんでしょうか/いまはどうでもいい)
 ということで「己陽みはる」です。なんか、字面で。すごい、自己中っぽい……。
 ほんとのほんとは直前までは「路嵩」みちたかさん、だったんですけど……。
 望月君が「友久」なので、なんとなく、ふたりして四文字なのが落ち着かなくて、高橋君は二文字だしー、ということで三文字名前にいたしました(さりげない上にどーでもいいこだわりです)
 みはる→みちる→みはる→はるか
 と、ふと、やたらかわいらしい名前の連鎖が頭の中で出来てたりしました。よくよく、よくよく思うに、みちるさんとはるかさんはセーラー服を着た美少女戦士さんコンビでいましたね。そうか、だからそんな文字遊び連鎖が……。
 みさを、でもかわいかったなあ。でも、植田さんがみさを(操/節操、貞節)……って、と自分で笑ってしまったので却下しましたです、はい。
 と、いろいろ、名前を考える過程で楽しませていただきました。もうずいぶん前のことですが、植田サンのお名前アンケートにお答えくださったかた、ありがとうございました。

 以上をもちまして、やっと、連載中のお話がひとつ、減りました。
 登場人物を次の話に持ち越す、という初の試みで、キャラの勉強ができた……んでしょうかどうなんでしょうか。きちんとした形でまた続きを書く、ということはないと思いますが、日記などでは、ちょこちょこと、この季節、なにをしているのかなんて書けたらおもしろいと思います。
 ……って、あーえーとー。こっそり、望月くんのお話を別に書いていたりはするので、また、いつか、のんびり書き上げましたときにはよろしくお願いします、です。こちらは三人称なので、雰囲気も違うし別のお話、という気分で書いていますが……。
 次はキリリク。きっとキリリク。
 と、自分に暗示をかけてこれからもがんばりたいと思います、です。
 日記長っ。


2.22(水曜日) うむう


 様子を見せに(来てね、と先生に言われていたので)皮膚科に再び行きました、らば。
 今度は飲み薬を出されました。
「あれ、あんまり治ってないね」
 ということらしいです。わたしとしては、くちびる、水ぶくれができて、皮が削げて、くちびるとはふっくらしていてなんぼのものじゃないんですか、というくちびるが、肉がこそげたままの哀れな姿だったくちびるが、そりゃ完治はしてませんがなんとなーく、肉が、盛り上がってきてて、お、治るぞ、という予感に大満足だったんですが、先生には不満だったらしいです。
 一日に五回、飲む、お薬をいただきました。五回。とにかく五回。そんなお薬初体験です。
 痛みも取れましたし、ほほーんとしていたのですが、会社にいても、お客さんとかに「どうしたんですか?」とぎょっとされたりするので、早く治らないかなーと思います。
 でも冷静に見て、あと一週間くらいは最低でも完治はしない、かなあ……二週間くらいかなあ……。
 いろいろ、不便ちゃあ不便、ですよね……。まあ、いろいろ。


 女子カーリング、は残念でしたが、記事を読んだりしたかぎりではすごくいい試合だったと思われます。
 なんだかまた別のカーリング映画が出来るとか出来ないとか。 
 また、見に行きたいなー、と思います、です。


2.20(月曜日) とゆーことで


 女子カーリング、日本対イタリア戦。ラスト付近だけですが、お風呂出てから見てました。すごい、いちばんおもしろいところだけ見てすみません、という感じでした。
 すごい! ラストすごい! すごいキレイな勝利でした、おめでとうです。
 準決勝に出られるかはまだなんともですが、次の試合も見たい! とか思ったら、ライブ放送この後、午前四時からって……そりゃ無理だ。
 なので寝ますが、明日の朝のニュースが楽しみです。


2.19(日曜日) カーリング


 「シムソンズ」という映画を見てきました。
 カーリングの映画ーということで、時期的にいいかなーと思いました。
 ウォーターボーイズがあって、スイングガールがあってがんばっていきまっしょいがあって、シムソンズ……という感じは感じでしたが、なかなか泣き所ツボが多くて面白かったです。いちいち、なんだかわかり易いのです。
 とりあえず、謎だったルールは覚えました。ただいま現在の冬季オリンピック、日本代表さんたち、がんばれ! です。
 のほほーんと、見に行ったので、大泉洋さんがあんなに出てるとは思いませんでした。うん、でもあのひとはあーゆー役がいいなあ、と思います。今の小早川伸木の恋〜は……えええと、ちょっと……。

 ウォーターボーイズあたりだと、男の子メインなので、心理とかいまいちわかりにくいところもあったような気がするのですが、シムソンズの主要メンバーは女の子4人。それぞれに焦点が当たって、それぞれの言い分があって、それぞれの立場から見て、恋をしたり、けんかをしたり、仲直りをしたり、の心情がなかなかわかりやすくて、見やすかったです。
 将来未来に係ることをはじめるきっかけが男の子、でも、その恋がうまく行こうが行くまいがやりたいことを見つけたらがんばる。うん、かわいくて強くておもしろかったです。


 ところで。
 これからやる映画チェックでチラシとか見てたんですが。あと、予告とか見たんですが。
 デスノート実写版。主演が藤原竜也さんなので気になっていたのですが。前後編……なんですね。ええーーー。
 指輪物語からこっち、ぶっちぶっちと続く映画が主流になっていくのでしょうか?? 映画はシリーズはともかく、とりあえず、完結、にしてくれるとうれしい、です……。
 テニスの王子様実写版。
 もーすごい個人的に、どーでもいーと思ってたんですが。いざチラシなどを見てみると。
 以下大爆発。
 手塚部長とリョーマクンとの身長差がっっ! 実際二年の年の差のところ、あの役者さんたちがどれだけ年が離れているのかとかはまーどーでもいいんですがー。あの身長差がっ! はっはー。……すんません、ツボに……。
 なんだ、どんくらいの角度で見上げちゃうんだ!? とツボに……っ!
 いえべつに、そのふたりのかっぷりんぐとかいうお話ではもちろんぜんぜんないとは思うんですが(あたりまえ)、わたしの脳内では、そのコンビ大好きなのですみませんすみません。
 桜乃ちゃんはどんなかわいい子がやるのかしらーと思ったんですが、スミレ先生役が島谷ひとみさんらしーので、……ああ、じゃあ、その年でお孫さんなんていないよね、削除か……とがっかりです。じゃあもう部長リョーマこんびに期待するしかないじゃないですか!(なにをだ)
(とか熱く語ってますが、実際このマンガ最初のあたりしか読んでません……です、はい)


2.18(土曜日) 無知披露


 昨日までの勝手に大騒ぎくちびる痛い騒動で「口唇/コウシン」の読み方を取得しました。
 それまではちゃんと読めてませんでした……。
 漢字は、なんとなーく見ただけで意味がわかるので、声に出して読めなくても不都合がないので(学校で朗読することももうないですし)、読めない熟語とか、たくさんあります。
 先日まで、もう、ずーっと読めずにいたのが「米穀」。
 お米屋さんにそう書いてあるのですが、まさか「ベイコク」ではあるまい。とか思っていました。理由=なんか声にだすとキレイじゃないから。「コメコク」とか脳内では読んでいました。でもそんな単語、日常会話に出てこないので、けっきょく、どう読むのが正しいやら分からないままでした。
 ふと、機会があって聞くことができたのですがやっぱり「ベイコク」だと知ったときは軽くショックでした。
 ……米は日本の主食なのに、なぜ「ベイ」、なぜアメリカ……。アメリカはこんなところまで日本に侵食しているのかっ。とか。いえ別にアメリカにうらみはありませんが、なんとなく。
 たぶんまだまだ、目で見て読んでいるつもりで、音では読めていない漢字はたくさんあると思われますです。目で見ても読めない漢字も山ほどありますが。


2.17(金曜日) あらまあ


 昨日、おとついと、いやもう痛かったんでございます。
 くちびるが。
 口内炎、というか裂傷というか、なんやらよくわからず、歯医者さんに行ったときに「ひどい口内炎だね」と言われ口内炎の薬をもらったのですが、ちっともさっぱりよくならず、どっちかというとひどくなる一方で、ネットでちらと調べてみたら怖くなったので皮膚科に行きました。
 あまり皮膚科にお世話になることはないのですが、かれこれ5年前、それまで10年近く悩んでいた足の親指の巻き爪を数週間で直してくれた、わたしにとっては奇跡のお医者さんです。当時「痛かったでしょう。もっと早く来てくれればいいのに」と言われ「はあ……この前にいった別の皮膚科で、手術しないと直らないけど、手術しても再発するけどどうする? とか言われて皮膚科、怖かったんです」というか、爪の悩みが皮膚科で解決すると思ってなかったんです。
 今回も、「こんなになって……かなり痛かったでしょう。もっと早く来てください」といわれました。「はあ……すみません」とゆーか、くちびるの病は何科に行けばいいのかよくわからなかったんです……。

 病名は、ネットで見ていて、ああ、これっぽいな、でもこれじゃないことを祈る……と祈っていたのですが、祈りもむなしくそれ、でした。ヘルペスとゆーウイルス性のものです。単純ヘルペス。口唇ヘルペス。
 うつる、ものらしく、ほかにうつっていないか、とりあえず経過をみつつ(患部は上くちびるなんですが、下くちびるがヤバイっぽい)、塗り薬をもらいました。塗ってりゃ治る……と思うと一安心です。
 親子や夫婦や恋人の間でうつるものらしく、愛の病……とかなんとか書いてあったような気がします……すごいな。
 お医者さんは女性で、いつも口調は淡々としています。
「もう、水ぶくれの時期は終わっているので大丈夫だと思いますが、顔を洗うときに同じタオルを使ったりはしないほうがいいでしょう」
 って、センセイ、すでに手遅れな気がしますです。
「以前にも経験がありますか?」
 と、聞かれ……あるような、ないような……とわたしの答えはあいまいです。過去にはとらわれません(記憶力が悪いだけ)。同じようにくちびるに薬を塗っていた(という行動の)記憶はあるのですが、それがどんな症状だったのか、とんと思い出せません。記憶力については何科に行けばいいのでしょうか。
 えーと、とりあえず、すごく元気なつもりなんですが、免疫力の低下やらが招く症状らしいので、生活習慣の改善を心がけたいと思います。……睡眠時間、とか。
 でもここ最近はくちびる痛くて眠れなかったので、ザ、悪循環。
 以前、顔中にぶつぶつが広がった経験のある妹には「その程度でよかったね」と言われました。
 そうか、よかったのか。よかったよかった。とその場は思いましたが、ふとおもったんですが、あれですか、ウイルス保持者は妹だったですかタオルですか、そーですか……。

 なにはともあれ。
 痛いのとかが気になって顔が洗えないのが辛いです。いや、すみません、本音はですね。
 顔なんて洗わなくったて死にはしませんが(乱暴)。先週出先で購入したパックが! 
「防腐剤など入っていませんので、冷蔵庫で保管して、三週間以内に使ってくださいね」
 という潤い美白パックが! 使いたいのですよーーーー。(その前にキレイに顔を洗えって感じですが)
 くちびるの際まで痛いので、なんていうか、こう、やりづらいじゃないですか。
 ああああ、でも、あと消費期限二週間なんですけどおおおおおお。
 ということで、早く治ってね。と祈っている毎日です。


2.14(火曜日) ばれんたいんでー


「うわ、ほんとに来た」
 一志にいやな顔、というか、なんだか微妙な顔をされて、博則はきょとんと小首を傾げた。
「うん、来た。こんにちはー」
 合宿以来、なんとなく一志と交流のある博則は、なんとなく、一志の家に遊びにきていたときに、なんとなく、花珠保に言われた。
『あ、広田くんだ。こんにちは』
『あ、センパイだ、こんにちは』
『わたし別に広田くんのセンパイじゃないよ?』
『年上なんだからセンパイじゃないですか』
『そっか』
 それもそうだね、と花珠保はそれ以上否定せずに、手にしていたスーパーの買い物袋をがさと揺らした。
『どっか、買い物行ってたんですか? 夕食のおかずですか?』
『ううん。これはバレンタインの……』
『センパイ、彼氏とかいるんですか? おんなじ陸上部ですか? 実は天沢も彼女いますよね? なんかそーゆー噂になってるんですよ、合宿のときから』
 一志は知らん振りをしてテレビを見ている。
 花珠保は一志を見て、
『……ふうん』
『え、本当にいるんですか? センパイ知ってます? てゆーか、いるはいるみたいなんですけど、天沢ちっとも口、割らないんですよ』
 事の真相を探ろうと、博則は台所に入っていく花珠保に着いていく。
『センパイの彼氏はどんな人です? あ、バレンタインのケーキ、焼くんだ。すげ』
 小麦粉すら珍しそうに見る博則に、
『わたし、彼氏なんていないよ?』
『僕もいないです』
『え、彼氏が? 広田くんに?』
『……彼女が、僕に』
『そう、だよね。ちょっとびっくりした』
『僕もびっくりした』
 博則は買い物袋から出てくる生クリームやなにかを、また、珍しそうに見る。これなんだ? 無塩バター? なんだそれ? とバターをまじまじと見続ける。花珠保がなんとなく、その場を離れて、一志の耳を引っ張るのを、なんとなく、見ていた。
『ちょっと、彼女ってなあに』
『妬いてんの?』
『そ……じゃなくって。そんな子がいるなら……っ』
『おれと、もうシないって?』
『そういう話じゃ、なくて』
『んじゃ、なんの話だよ』
 一志は耳を引っ張られたまま、
『どーでもいいじゃん、べっつに、おれとねーちゃんが付き合ってるわけじゃなし』
『あったりまえでしょ、なに言ってるの』
『おれと、ねーちゃんが、コイビトだからやってるわけでもないじゃん。なんだよそれ、キョーダイでコイビトって、あほか。気持ち悪ぃ』
 ひそめた声で。
 ふたりだけで。
 花珠保が、一志の耳を引っ張るのをやめる。
 一志は引っ張られっぱなしで、痛かったことも忘れて、離されたのを惜しむように、
『カノジョって、あれじゃん。ねーちゃんが付けた傷のことじゃん。痛い思いさせられて、なんかそれ広田以外のヤツにも見られてて、テキトーなこと言われてただけじゃん。なに、テキトーなこと言うなって、ほんとのこと言ってまわれってのかよ』
『そんなこと……。って、どうしてそんなに傷、見せてるの? わたしがどれだけ一志の跡、見せないように気を使ってたか知ってる?』
 一志のくちびるが、たどった跡を。
『そんなん、あたりまえじゃん』
『なんでわたしだけ、あたりまえ、なの』
『だって、おれの、ねーちゃんじゃん。おれのじゃん』
 手を広げた、と思ったら、花珠保の両足に抱きついた。抱きつかれて花珠保はしりもちをつく。
 花珠保がしりもちをついた音に、博則が台所から顔を出す。
 一志が花珠保の背中に、おんぶお化けのようにしがみついていた。
『重いっ。重い、重いっ。一志重いっ』
『まだおれのが軽い』
『そんなことないもん』
『そんなことあるね。身長、同じくらいでも体重はねーちゃんのほーが重いじゃん』
 絶対そんなことない、と花珠保は否定しながらも、
『あ、でも、まだ一志、おんぶできそう。ちょっとおんぶしていい?』
『マジ?』
『お姫様だっこもできそう。ちょっとしていい?』
『それはムリだろ』
『えー、やってみないとわかんないよ』
『いや、ムリ。てゆーかいや。やめて。やーめーろー』
 ふたりを、無塩バターを手にした博則はどうコメントしたらわからない顔をしながら、なんとなく、うらやましそうに、
『ほんと、仲、いいよねえ』
 花珠保は背中にしがみついたままの一志を引きずりながら、
『広田くん、おねーちゃんいるっていってたよね? 広田くんのおねーちゃん、広田くんのことお姫様だっこできるかな?』
 博則は即答を避けるように笑ってごまかす。一志が、花珠保の背中から、
『こいつ、おれより頭イッコもでかいんだぞ。こいつをお姫様だっこするねーちゃんてどんなだよ』
『僕が、センパイをお姫様だっこ、ならできそーかなあ』
『ほんと? できそう?』
 興味津々の花珠保に、一志がさらに体重をかけた。
『なんでねーちゃんと広田なんだよっ。そんなんより、ねーちゃん、ケーキとか焼くならさっさと焼けよ。おやつにちょーどいいじゃん』
『どうして? 今日じゃないよ。明日だよ。バレンタインは明日でしょ』
 花珠保は一志の腕をはがして、一志を床に置き去りにする。一志は置き去りにされて大の字になる。博則は大の字の一志を見下ろしながら、
『明日焼く、ってことは、あれ、今日焼いて学校に明日もって行くわけじゃなくて、まさかわざわざ天沢のケーキを焼く、んですか?』
『わざわざってなんだ』
 ケーキはそもそもわざわざ焼くもんだろ、と一志は博則のズボンの裾を引っ張る。引っ張られて、一緒に床に倒れこむのを、花珠保は見下ろして、
『一志のっていうか、お父さんの、だよ。一志、どうせいっぱいチョコもらってくるんだし』
 ねえ、と問いかける。一志は特に否定しない。
『やっぱ、天沢もてるのかー。だと思った。いいなあ』
『広田くんはもらえないの?』
『姉さんとお母さんくらい』
『うわ、つまんねー』
 博則は、すいませんねえと肩をすくめる。あまり残念そうでもないところをみると、あまり、気にしていないのかもしれない。誰か気になる子も、特にいないようだった。
『チョコはともかく、ケーキはいいなあ。焼きたてって、いいなあ』
 天沢いいなあ、と素直に思ったことを口にする。暗にねだっている、わけでもない、けれど。
『広田くん、明日の帰り、暇だったらおいでよ。焼きたてケーキ食べれるよ?』
『いいんですか!?』
 やった、と来る気満々の博則に、一志はまじめな顔をして、
『いや、おまえ、明日はやめといたほーがいいぞ』
『え、なに? 分けてくれないの? 僕にくれたくないほどおいしいの??』
『いや……そーだけど、そーゆーんじゃなくて』
『なに?』
『来ると、さあ』
『l来ると?』
『……さくっと落ち込める』
 切実な顔をした一志がなにを言いたかったのか、がわかるのは翌日の話。
「おっまえ、ほんとカノジョいないのかよ。バレンタインに男友達の家来るってどーよ」
 博則は元気よく、おじゃましまーす、とチョコレートケーキを焼くにおいのする家に上がりこみながら、
「天沢だって、家にいるじゃん。男友達、呼んでるじゃん」
「おまえが、勝手に来ただけだろ」
「違うよ、ちゃんとお呼ばれしてきてるんだよ」
 ふたりが台所に入ると、花珠保と、母親が仲良くオーブンの中を覗き込んでいた。その足元に紙袋が置いてある。中身は、どうやらチョコレートの数々、らしい。
「すごいね、あれ、天沢がもらってきたの?」
「おー」
 と答える一志は、不機嫌そう、ではないけれど、どこかすねているように見える。
「なに? あんなにもらっておいてなにが不満?」
「……不満、とゆーか」
「とゆーか?」
「世の不条理さとゆーか、真理とゆーか、見るとこ見てるなっつーか、そこんとこしょーがないーと思わないこともないけど、でも納得もいかない、とゆーか」
「……なに?」
 博則は、花珠保と母親にも挨拶しようとふたりをのぞきこむ。にこやかに振り返った花珠保の足元に、さらに紙袋を発見した。先ほどのものよりずいぶん大きい。
「え、あれもチョコ?」
「そー」
「天沢、の?」
「天沢は天沢でも。おれのじゃない」
 じゃあなに? と博則は小首をかしげる。一志がさらっと、
「ねーちゃんの」
 博則は、首をかしげたまま固まった。
「って、え、チョコ、だよね?」
「そーだよ。なんだかいっつも人気モンなんだよ。おねーさま、とかってチョコもらってくんだよ。なんだよ、女子校かっつーのっ。走ってりゃすげーし、ほんとすげーし、ほんとすげーけど、おれだってねーちゃんすげーと思うんだけど!」
 があ! と両手をあげて叫んで、それからがっかりして博則の肩にもたれた。
「またっ、また今年も負けたっ」
 一志はさくっと落ち込む。
 博則が吹き出して笑った。
 ちょうど、ケーキが焼きあがった。



 バレンタイン、というかバレンタイン前日ネタというか、でした。
 いちゃいちゃえろえろしているところは……てきとーに想像してやってください。あ、でもおかーさんいるし、今夜はムリです、きっとムリ。てゆーかすんな。

 なんだかテキトーにこのふたりでバレンタインネタ。でした。
(そしてテキトーといえば……もう二度と使うこともないだろうと思ってテキトーにつけた広田博則君……きみも苗字も名前もひーくんだね。同じひーくんでもどこかの広瀬くんのよりは名前があるだけマシですね。びこーず、三人称だから)


2.13(月曜日) まんがばなし


 ララデラなど読みました。
 以下、思うままに怒とうの個人的な感想。
 なにはともあれ、「金魚奏」がかわいかったです。続編、だとわりと「ふーん」という内容が多かったりするような気がするんですが、かなりかわいかったです。他の男の太鼓を聞かせたくない、とか、手袋エピソードとか、あああ、かわいいですねえ。
 「飛べない魔女」はなんだか毎回(これで最終回なのかしら?)とか疑いながら読んでしまいます。きっちりきっちり一話がおわっているから、なんでしょうか? 元気になるお茶、とかほしーですねー。独特の世界観がなのにさらりと書いているところがいつもすごいなー、と思います。
 「夏目友人帳」 最終的には妖怪さんたちはみな愛らしいのに、登場シーンでの怖さは回を追うごとに怖くなっていると思います……こわいよっ。もう二度と出てこないのかと思った田沼くんとか、登場するとなんとなく安心します。もーちょっとふたりの絡みを見てみたい、とも思います。そんで、メリーさん、とか相変わらずのネーミングセンスが素敵です。
 「花の名前」 ……暗いっ。暗い、暗いよー。このお話、一話目も暗いなーと思ってたんですが、だんだん笑顔が増えてきて安心してきたのに、また暗いーーー。ちょっと心が重くなります。あんまり自分を責めたりいじめたりいろいろするのはお話と言えど、まんがと言えど辛いです。
 「7時間目ラプソディー」 題が……かわいいですよねえ。この方が書かれるお話って、女の子はもう、ぐりぐりしたくなるくらいかわいいんですが、なぜに……なぜにいつもそんなに男の人に色気があるんですか、という勢いでどきどきしますです。表情、かなあ。自分に正直だから、かなあ。それに伴うセリフ、かなあ。

 あとは、各まんが賞を取られた方のまんがのいきおいがすごくって楽しみました。「レディースタディーゴング」でしたか、女の子と家庭教師くんの間、が……間がおもしろかったです。いつになったら手をだすのかな、受験が終わってからかな、長いな、とかひとり気味悪くにやにやしてました。


2.12(日曜日) まったり読書


 ここしばらく「長野まゆみ」さん漬けでした。
 思い起こせば10年位前です。その名前を知ったのは。
 なんとなーく、パラパラと立ち読みをするものの、(今思えば)ぱらぱら程度でその世界に入り込めるわけもなく、気にはなっていたのですがそのまま手に取らず時が過ぎていました。
 えええと最近、「八月六日上々天気」と言う本を読みたいと思ったのですが、これがなかなか見つからず、古本屋さんなどで、とりあえず「野ばら」と言う本を見つけました。題がかわいらしかったので早速読んでみたのですが、………………なんだかよくわからなくてしばし放置。正直、ちょっと本の、文面が読みにくい、と言うのもありました。いえ、文章もとっつきにくい、と思います。いろいろ、独特、です。
 それで、「八月〜」を購入後もしばらく放置していたのですが、最近やっと読みまして。……えええええと、かわいい、と言っていいのかどうかわからないんですが、なんだかとにかくかわいらしい心に残るお話になりました。とっつきやすいお話だったこともあるのでしょうが、さらりと読めまして。珍しく読み返したりもしました。会話、とかのセンスがすごく、ええと、すごい、と思いました。
 続けて「テレヴィジョンシティ」も読みました。すっごい、読み終わってもぐるぐるします。世界が。ぶっちゃけ、なにがなにやら、おそらく読み返したところで結局わからないんじゃないか、と思うんですが、それでも、すごく、いろいろななにかがわたしのなかでぐるぐるしてます。なんじゃこりゃ。
 文中に出てくる暗号を自分で解く気もなく、ネットで解読したりしまして、またぐるぐるするのです。そこかしこのそれぞれのシーンは理解できるのですが、だからどういう話だったのかって、いえません。すごいなあ。なんだったのかなあ。夢でも見ていた気分です。
 ずいぶんこれで長野まゆみさん文にもなれてきたはず、と今日は「鳩のすみか」を読んでいました。
 読むたびに、大きな気持ち、ではなく、どこか、その人の中にあるほんの小さな、でもたしかな気持ち、というものに、触れた気がしてどきどきそわそわします。それがなんとなく、居心地が悪かったり、気持ちがよかったりしておもしろいです。
 わたし的に切り取って絵にでもして額縁に入れて飾っておきたいと思ったのは「鳩のすみか」の中の「栗樹」
 読書感想文は苦手なのであれですが、ほかにもまだいろいろ読んでみたいです。
 あああ、でも今はさり気に、映画を見て以来気になっている三島由紀夫さんの「春の雪」が読みたいです。こちらも語彙が豊富なんでしょうねえ。
 言葉を知っていればいいというものでもないですが、知らないよりは知っていたほうがいいよなあ、と不勉強さを嘆くこのごろです。


2.10(金曜日) ボツ


 2/14あわせで立野さん話がアップできるか……どうかはともかく(消極的)
 とりあえず、ボツった部分はこんな感じです↓



 「チョコあるの?」
 買い物カゴを持って付いてくる植田くん、ぼんやりと、頭ひとつ高い場所から聞いてきた。
 会社、終わって。お迎えに来てもらって。
 植田くんの会社の寮の近くにあるスーパーマーケットで。お味噌汁、飲みたいって言うからお豆腐、選んでる最中に。
「ある、よ?」
「昨日クッキー焼いたって言ってなかった?」
 昨日、会社終わって、なっちゃんと一緒に望月君と高橋君と清水さんとあとは会社のひとたちに、ふたりから、クッキー焼こうってことになってたんだけど、なっちゃん、風邪引いておやすみで。材料、はあったから、とりあえずひとりで大量に焼いたクッキー、
「俺もクッキーかな、と思って」
「チョコレートもちゃんとあるよ?」
「手作り?」
 植田くん、買い物カゴ、ぶらぶらさせながら、わたしが選んだお豆腐、なんとなく受け取らないまま。
「一応、手作り、だけど?」
「一応?」
 わたし、今日会社でのなっちゃんとの会話、思い出して笑った。
「クッキーの小麦粉とか、チョコのカカオの栽培とか、そこからの手作りは無理だよね、って」
「……そりゃ無理だ」
 なんとなく、植田くん、笑う。なんとなく……。
「どうしたの? なにか考え事してるの?」
「いや……」
 ちょっと我に返ったみたいに、お豆腐受け取って、
「チョコもらうんだし、飯、どっか洒落たトコにでも連れて行ったほうがいいのかな、と思って」
「どうして?」
「バレンタインだし」
 そーゆーもんじゃないの? と言いたげな顔をした、から。わたしじゃない誰かとそういうバレンタインを過ごしたことがあるんだなって、ことに気が付いた。けど。そういえば。
「雑誌とか、そういう特集多いよね」
 わたし、あんまり考えてなかった。
 そういえば、誰かと一緒に過ごしたことがなかった、から。去年と、今日の、植田くん以外、とは。
 そんなこと、言おうかどうしようか迷いながら、それでも言ったら、
「マジで?」
「付き合い、長く続いたことないし。バレンタイン、は、なんか……ちょうどいつもひとりだった、な。チョコあげるのも、友達とか、会社の人とか、あとお父さん、ぐらい」
「ああ、あのおやじさん……そりゃ……去年、今年と俺が娘サン独り占めで」
 俺、恨まれてるんじゃ……とか、植田くん、ぼそっと呟く。
「植田くん、外食のほうがいいならそうする?」
「やー、作ってくれるなら、そのほうがいいな」
 お豆腐の隣に並んでた油揚げを指して、お味噌汁にそれも入れて、って。でもそんなことより、本当に言いたいこと、
「他になにか食べたいものある?」
「デザートは?」
「果物がいい? あ、プリンとか?」
「じゃなくて、立野サンで」
 ……え。
 振り返って仰ぐよりも先に、耳元で。
「俺的には、立野がメインなんだけど。どっか行くより、うちでゆっくり」
 植田くん、スーパーの、お豆腐売り場の棚の前、陣取ったまま、
「目でも舌でも楽しませてクダサイ」
 耳元で、言う、から。
 食品売り場、涼しいのに、耳元から熱くなって。慌てて植田くんを避けて逃げた。
「やだもー、バカップル禁止」
 植田くん、ちぇー、ってつまらなそうにおもしろそうに笑う。
「バカップルっていえば、望月たちどーしてんのかな」
 あのふたり、バカップル? って聞いたら、いろんな意味でそうだろ、ってまじめに言われた。……いろんな意味ってどんな意味、なんだろう?
「清水さんは、受験生だから、特になにもしないって言ってたけど。あ、そういえばね、清水さんにチョコもらった。初詣は、どうもでした、って」
「って、俺には?」
 初詣では運転手を務めた植田くん、すごくふに落ちないみたいで。
 わたし、清水さんからのこぶしを握り締めた伝言があった、から、それをそのまま伝えた。
「『植田クンはナシの刑』って言ってたけど。なにかした?」
「してないだろ」
 さっぱりきっぱり心当たりのない顔で、清水さん作のチョコレートをまじまじと眺めた。手作りのトリュフで、ひとつで、手のひらサイズに大きくてなかなか豪快。
「でけえ」
 呟いた植田くん、すごく意外そうに、
「あのコも手作りとかするのか」
「そういうこと言うから、チョコ、くれないんじゃないの?」
「……なるほど」
 納得して、反省、したのかしてないのか、
「清水さんからもほしかった?」
「そりゃ、いただけるもんならなんでも」
「……その言い方も清水さんには気に入らない、と思う」
「そうか?」
「でも、ちょうだい、って素直に言えばくれそう。なんとなく、本当はちゃんと用意してそうじゃない?」
 植田くん、清水さんを思い出して、そうだなあ、ってちょっと笑った。
「女のコは、かわいーねえ。つか、それもらって喜んで小躍りしてる望月が想像できる。あいつもなかなか愛いヤツめ」
「植田くん、望月君大好きだよね」
「妬ける?」
「妬けませんー」
 それより、なにが食べたいのか聞いたら、
「この間作ってくれたカツ丼」
 食べたいもの、もうとっくに決まってたように、
「カツ丼、なんて作ったことあった?」
「カツ丼、かと思って肉だと喜んだら実はカツじゃなくて」
 植田くん、遠い目をした。
「……コロッケだった」
 しょんぼり、言うから。
「食べたくないものは言ってくれなくていいから」
 食べたいものリクエストをせかした、のに。まだしみじみと、
「一見カツ丼なのに、発掘してたらから揚げとか出てきた。あとからよく考えたら、俺が冷蔵庫に突っ込んどいた前の日のコンビニ弁当の残りモノと一致してた……肉、じゃなかった……。ていうか、弁当、立野が期限切れで処分してくれたと思ってたのに、まさに俺が自ら処分してた」
「火、通したから、別になんともなかったでしょ?」
「なんともなかった上に」
「うえに?」
「……うまかった」
「それは、どうも……」
 それでもなんとなくなにか言いたそうにしてる、から。
「じゃあ今日はちゃんとお肉にする?」
 って聞いたら、なんだかこぶしを握り締めて、
「いや、むしろコロッケ丼で」
「お肉、食べたいんじゃないの?」
「それはしょうが焼きで」
「じゃあ、豚さん購入?」
「ホワイトデーには牛さんを食べさせてあげましょう」
「ステーキ?」
「焼肉」
「家で鉄板焼きもいいね」
「いいねえ」
 食品売り場をぐるりと一周、して。買い忘れがないかカゴチェックしてたら、植田くん、わたしをふと見下ろして、
「なあ、立野」
 ぽつん、と言った。
「なあに?」
 見上げたら、目が合って。
 植田くん、それで安心したみたいに笑った。まだ、なにか考えごと、してる顔で。だから、どうしたの? って聞いたら、
「……ビール、飲みたい」
 なんとなく、笑ったまま。
 絶対、そんなことが言いたかったんじゃない、はずなのに。
「飲んでいいよ?」
「飲むと、立野、送ってってやれないけど」
「バスあるから」
「ああ、バス、ね」
 そういえばそんなもんもあったな、って。植田くん、言いたいことは言わないまま。
「泊まってく?」
 植田くんの、言いたいこと……。
「わたしも植田くんも、明日、会社あるよ」
 だから泊まれない、という返事に、
「だよなあ」
 朝、目が覚めてすぐみたない顔をして、ぐるんと首を回した。



 ……以上。ぶっちぎれですみません。
 推敲もしてません。とりあえずこれだけ書いて、いやこんなほのぼのが書きたいわけじゃなかったナ、と思い直しました。と言うか、なにが書きたかったのかわからなくなってきました。
 立野さんはなにを食べたいか、言ったらなんでも作ってくれそうなお料理上手っぽくっていいですね。
 植田くんはどこでどんなお仕事をしているのやら。わたしのイメージ的には、わたしの地元的に、某大手自動車会社の設計やら製造やらのお仕事で、きっちりきっかり勤務時間交代制=なのでお昼ごろに帰宅することもあって立野さんの職場で仲良くランチをすることもあれば、夜勤明けでおねーさんにコキ使わせることもあるんじゃないのかな、とか適当です……はい。


2.8(水曜日) オヤジ視線


 学生時代、高校は徒歩圏内で徒歩通学でした。今でもその母校は徒歩通学圏内のご近所にあります。
 朝、通勤途中でその学生さんたちを目にするわけですが、なにやら、最近流行っているのか、単に防寒なのか、学生さんのお嬢さんたちが黒のタイツを着用している姿をよく見かけるようになりました。
 えええと、ちなみにセーラー服です。セーラー服。紺のオーソドックスなセーラー服です。セーラー(もういい)
 わたしが通っていた当時は、それはもちろん、ストッキングもタイツも可、でしたが、ここ最近はみなさんルーズソックスやら、なんだかもう学校指定になっているらしい紺のハイソックスやらの姿を見ることに慣れていたので、タイツってタイツって、衝撃的でした。え、だって、わたしのときはスカート丈はほぼ校則規定どおりのひざ下の辺り、でしたが、今はあの短い丈でタイツですよー。おう、かわいい(オヤジ)
 しかし! ごくたまに、黒のストッキングを着用しているお嬢さんを見かけます。な……なんだかもじもじします、わたしが。
 真っ黒タイツとちがって、なんだか、なぜか、びみょーにやらしげです。多分やらしげです、きっとやらしげですっ。思わずじーっと見送ってしまうので、事故の原因になりかねません。やばい、これで事故ったら「女子高生の足を見てました」と警察で言わなければならないハメになります。それだけは避けたいので、安全運転を心がけたい、と思う最近の通勤路でした。


2.7(火曜日) ……ありゃ


 いつものことといえばそれはもうすごくいつものことなんですが。
 昨日の日記の主に自分のコメント部分の日本語がわりかしおかしーことになっていて、今読み返したら何が言いたかったのかよくわかりません、ね……。
 よくわからない、というのは、よくはわからないけど、まあそれなりにはわかる、という意味ならいいんですが、そういう意味ではないので、えええええと、つまるところ……日本語修行をやり直してきますです(どこで→心の中で)
 ではっ。



 ……なんかいろいろおかしーのは歯が痛いからだ、と言うことにしておいてやってください。


2.6(月曜日) とーひょーじょー


 ほんとうにありがとうございます、の「投票所(というかもしかしてヒトコト伝言板?)のコメントとか小話とかでお返ししてみます」です。


アカリに「珠美ちゃんもかわいらしーからモテるのでは……?と思うのですが」

珠美「真己くん真己くん、あのねー、こんな↑お便りいただきましたー。なんかあたし、どーもかわいいみたい。えと、ほら、なんていうんだっけ? キャッカンテキ? に見てみるとねー」
真己「……あ、そ」
珠美「ええー? なに、すごい、やる気なさそーなんだけど」
真己「おれ別に、珠美がかわいくないとか言ったことないじゃん」
珠美「言われたこともあんまりないですー」
真己「……そー、だっけ?(ちょっと目をそらして)」
真己「そーだよ。真己くんくらいは言ってくれてもバチはあたないと思うんだよ。ねえ。うん、でもねー、多分ほんとのほんとには別に、多分ていうかきっとあたしかわいくないんだよー。あいっかわらず、真己くんにはらぶれたーくるのに、あたしにはこないしねー」
真己「欲しいの? おれが書く?」
珠美「え、いる。いる!」
真己「……じゃあ」
(とゆーことで真己恋文作成中………………終了。贈呈)
珠美「やった、ありがとーーー……………………あの。って、ええ!?」
真己「なんだよ」
珠美「…………あのね」
真己「おう」
珠美「辞書……も貸してクダサイ」
真己「どーぞ」
珠美「…………(受験レベルの英語で作成されていたモヨウ)あの、真己くん、ほんとにあたし、好き?」
真己「好き。なので、愛のムチ」
珠美「いやーん。こんなのいらなーいぃぃ」

(察するに、あんまり「かわいい」と口にすると珠美が調子に乗って、そのかわいいっぷりをアピールしだすので真己は控えているっぽいです/ほんとか? モテてるんでしょうかね? どーなんでしょうか? どこかで真己が妨害工作を行っている可能性もありますが、すごく個人的には、ええええと、中学生はみんなこっそり片思いvが主流だといいと思っているので/いまさら/そういう片思いの対象、にはなっているのかもしれない……のかもしれないかもしれない、です……。そしてかれらは永遠の受験生、ということらしーです、ヨ) 


月、ゆらりに「続きが気になるあまり、他の作品より優先順位が上になります。私の場合。」

(ありがとうございます。ただいまいろいろお話のつじつまあわせに鋭意努力中ですという言い訳中です……)
 以下、一部抜粋。

 なにするの、と由羽の目が訴える。
 おまえこそ、なに言ってんだ、と靖宏が言う。
「三時間も効いてこない薬なんて、飲む意味あるのか」
「ある、よ」
 髪から手を離して、と由羽は首を振る。
「痛い、けど。薬、飲まなかったらもっと痛いのかも、でしょ? 飲んでるからこれくらいの痛さで済んでるのかなって、思えば……」
「気休め、みたいだな」
「そういうわけじゃ……」
「俺と同じか」

(……すごく自分の首を絞めている気はしておりますです、はい)


高橋君に「可愛い。」

望月「あー? 高橋? かわいいぞ。あいつはかわいい(A)が」
植田「高橋って、ああ、なっちゃんの? 確かに(A)がかわいいな、まだまだこれからだなー」
(A)に正しい語句を記入せよ。
答え:(身長)
高橋「……って、望月センパイと植田サンがいじめるんだけど」
奈津「でもわたしより、もう高いよね?」
清水「あんなのほっといてこっちおいでよ」
高橋「はあ、お邪魔シマス」
立野「牛乳プリン食べる?」
高橋「…………」
清水「(こっそり)立野サン、それは暗黙に身長を伸ばしたほうがいいよ、というカウンターパンチですか!?」
立野「え? (はっとして)え!? あれ、嫌がらせじゃないよ? 偶然、昨日、なっちゃんとカンタンデザート特集をネットで見てて作ってみただけから」
高橋「いただきマス。この間のかぼちゃのプリンもうまかったです」
奈津「ねー」
高橋「ねー」
望月「ああ! なんだかあっちのテーブルほのぼのしてるんスけどっ。師匠と乱入っ。とうっ(掛け声)。はっはー、かわいコちゃんの多いテーブルだなあ。なあ(高橋少年に向かって)ナっちゃん。直少年だからナっちゃん。こりゃなっちゃんと並んでダブルなっちゃんだなあ、なあナっちゃん」
高橋「……そうスね。ともちゃん、みっちゃん」
望月「ともちゃんはやめて」
植田「みっちゃんもやめて」


ヒョウメンに「広瀬、マジで邪魔なので、彼女を作ってあげてください。」

拓郎「という、冷たくも暖かい言葉をいただきました……が」
彩那「が? なんです?」
   ↓
 とあるクラスの女生徒対談。
その1「え、広瀬君? でもねー、あのひと好きになってもしょーがなくない?」
その2「友達が告白したことあるよ? でもほら、好きなやついるからーって。そっこーで断られたって」
その3「それでもいいよ、って食い下がったコがいるって知ってる?」
その4「え、けっこうモテる?」
その1「実は、ちょっとあたしもいいなーって思ったことある。どごがって、一途なところ、すごくない? でも一途すぎて、もーぜんぜん、入るスキマないんだけどねー」
その3「そう、だから、その食い下がったコもね、もうあっさり、『いいわけないだろ』って言われて、諦めたって」
その4「あら、マジメくん」
その5「あれ、でも中学のとき、広瀬君、カノジョいたよ?」
その2「うそ!?」
その3「まさか彩那ちゃん!?」
その5「そんなまさか」
その1「だよねぇ、まさかだよねえ」
その5「でもそのカノジョが……」
その2「なになに!?」
その5「はじめはねー、あたしたちもこっそり、とうとう広瀬君も彩那ちゃんを諦めて新しい恋に目覚めたかーと思った、んだけどね。これがなんと、そのカノジョ、の、声が、彩那ちゃんそっくりだった、という」
その3「ああ……」
その2「そっか……」
その1「そんなことだろうと思った……」
その5「というわけで、次のチャレンジャー常時募集中」
その4「観察ノート仕入れとく?」
   ↓
彩那「なに? なんですか? センパイに耳ふさがれてて、聞こえなかったんですけど? ひーくんになにかあったんです?」
拓郎「いやいや、けっこうあれで人気者だよね、と言うハナシ」
彩那「そーだったんですか? あれ、そーなんだ? いいコなのに彼女できないなーって心配はしてるんですけど。じゃあ、きっと大丈夫ですよね」
拓郎「そうだね。きっと大丈夫大丈夫(ちょっとテキトウ)」


和之に「あの後の話待ってます。」

和之「待ってもらえているうちがハナですよ」
芳雪「はいっ、あの、すみませんー。うはー。すーみーまーせーんーー」
(謝り倒すしかない、という……)


秘蜜ごとに「私が今まで見てきた姉弟の話と少し違って、読んでいて悲しくならないので好きww また続きが見たいです!」

 部活が、終わって。着替えをするのに部室に駆け込もうとする一志のシャツを、花珠保がひっぱった。
「一志、今日、友達のところに寄っていったりする?」
「別に。ねーちゃんは?」
「夕飯の買い物、一緒に行く?」
「えー、おれ行かない。いつもんところだろ? おれあそこキライ」
「行かないの? じゃあ牛乳、もうないんだけど買っていかないけどいい?」
「なんでだよっ」
「重いんだもん。牛乳飲んでるの一志だけなんだから、欲しかったら着いてきて荷物もちしてよ」
「まじでー?」
「行くの? 行かないの?」
 別にどっちでもいいけど、という態度を取る花珠保は本当に、どっちでもいいけど、と思っている。一志はふくれっつらで、しぶしぶ、行く、と答える。
 昔からある小さな地元のスーパーは、顔なじみの店員が多い。しかも気楽に声をかけてくる。
「あら花珠保ちゃん、今日もお母さんの帰り、遅いの?」
 野菜コーナーでは天沢家の斜向かいに住むおばさんがパートをしている。
「今日は大根のいいのが入ってるけどどう? 一志ちゃんも一緒だから、ちょっとくらい重くても平気でしょ?」
 おばさんに悪気はない。けれど。一志は花珠保に隠れて不機嫌な顔をする。
「ちょっと一志、隠れてないで挨拶くらいしなさいよ」
「ヤ、だね」
 一志ちゃん呼ばわりされてすねているわけではなくて、ほんとうに不機嫌なのを察して、花珠保は大根をもらって売り場を離れる。
「大根のお味噌汁にする?」
 不機嫌な一志をなだめるわけでも気にするわけでもないまま聞く花珠保に、一志は不機嫌なのを直すつもりもない声で、
「さといも、となんだっけ……イカ、だっけ? と煮たやつがいい」
「さといも、冷凍のでいいかな?」
「いいんじゃないの」
「じゃあ、イカ、売ってたらね」
 イカを買って、牛乳を買って、あとは明日の朝食用のパンを買っておやつのスナック菓子を買い込んで、レジを済ませる。
 一志は教科書も詰め込んであるスポーツバッグを肩に引っ掛けて、両手にスーパーの袋を持って、少し、ふに落ちない顔をした。
「……はいはい」
 花珠保も同じようにスポーツバッグを肩に引っ掛けている。空いていた両手の、右手を出すと。スナック菓子とパンの詰まった軽い袋を渡される。
 ふたりとも片手が空いて。
 こんな、いつ、どこで、知ってるひととすれ違うかもしれない場所で。
 手、なんか繋いだりしないけれど。それでも、いつでも繋げる、のが、いいように。並んで歩く。
「……ねーちゃん」
「なに?」
「おれ、機嫌悪いんだけど」
「そーだねえ」
「うち、帰ったら、ねーちゃんからちゅーして」
 一志の、今は本当はもう機嫌が悪いのもおさまって、ただなんとなくすねているだけの視線に、花珠保は笑い出したくなるのを我慢して、
「そう……だねえ」
 やった、と口の中でこっそり呟いた一志がこっそり口元で笑ったのを見て、花珠保もこっそり笑った。
 家に帰って、手を、繋いでもいい距離になったら手を繋いで。
 そうしたら……。

(ふたりの関係を最後の最後まで書こうとすると、どうしても悲しいものになってしまうんでしょうね。ちゃ、ちゃんと書かれているお話はきっと……。このふたりは、続編を書くことがあっても「まだおさない姉弟」であるところだけ書けたらなあ、と都合よく思っています。え、あの、書くことがあったら、ですけどぉぉぉぉ)

芳雪日記?に「とつとつと話す、芳雪さんの話し口調が好き。」

 ありごとうございます。いい年こいて、子供口調みたいだったらすみません、でも好かれてるならいいか、えへ。
 日常も非日常も激情も劣情もよいも悪いも好きも嫌いも、表すことのできる文字はすごいなと思います。実際に会話でお話をすることはできませんが、なにかしら「こんな感じ」という感じが伝われば、と思います。
 ほんとうに、ありがとうございます、です。


2.3(金曜日) へんなテンション


 節分です。豆まきです。年の数だけ豆を食べるとおなかを壊しそうな年齢になってきました。と言っても、小さな頃は外にまいた豆を拾って食べてもなんともなかったので、いまさらちょっと多く食べたからってだからなんだという感じですがー。
 ええええと、本日をもって(昨日をもって?)わたしの本厄は終了、だと思います。多分。きっと。残るは後厄。だからなんだと言う気もしますが、そんなものを気にするあたり年をとったもんだと思わなくもないです。(へんな日本語です。思ってるんですが、認めたくない「心はいつまでも乙女」の女性の心情を察してやってください)

 さてさて。早くも今年もひと月が経過しました。二月、ですが、 日が暮れるのもずいぶんゆっくりになってきましたし、あとひと月、ふた月もすれば春です。あとじゅういちヶ月もすれば来年です、なんてことはともかく、この週末は寒いらしいです。
 まだまだ、風邪などにはお気をつけください、です。


2.2(木曜日) でんち


 マイパソコンのキーボードとかマウスはコードレスです。電池が入っています。電池が切れるとにっちもさっちもいきません。
 キーボードはなんだかそれでシステムとして正しいのかどうなのかよくわかりませんが、電池が減ってくると、ピーピーと変な音を出し始めるので、迷惑ですがわかりやすいのですが、マウスは、ある日突然使用不可能になります。(なりますよね?)
 まだマウスの中にボールが入っているやつなので、指でぐりぐりやって様子をうかがいますが、だめなもんはだめなのです。
 電池の買い置きがないときは、しばし途方に暮れます。
 途方に暮れる自分が悲しいので、電池の買い置きは欠かせません。今日もマウスの電池が切れていました。
 あーあーしょうがないなあ、といそいそと変えました。
 まだ動きません。あれー?
 よくテーブルから落とすので、とーとー壊れたのか、それとも寿命なのか、これはもうパソコンから買いなおせという神の思し召しなのかとそこまで考えます。しかし、わたしがくだらないことを考えているうちに機嫌を直して動くようになってくれるかもしない、という淡い期待もむなしく、動かないものは動きません。
 よく見てみると電池が逆に入っていました。
 電池は逆に入れると本当に動かないんだなあと学習しました。逆に入れたんだから、マウスも逆に(右に動かしたら左に、上に動かしたら下に)くらいの芸を見せてくれてもいいじゃないか、とか心の中でこっそり八つ当たりをしたりしました。マウスにとってはほんとにとんだ八つ当たりです。


2.1(水曜日) 言い訳大会開催中


 ああああああ、更新できません、すみません。
 別に月初めに更新って、いつ誰が決めたんですかって感じなんですが、なんとなくたぶんわたしが決めたので(しかも最低限レベルで)、せめてサイトに来てくださる方の暇つぶしにでもなればレベルでの、以前の(以前過ぎ)お話アップしました、です。
 すごい、これで丸二ヶ月更新ナシ……。
 ほんと、すみません。
 しかも更新作品、更新って更新って更新ってあんたずーずーしい、と言われんばかりの今からちょうど10年前のお話になります、です。96年モノです。
 うわー。
 限界……。
 一応91年モノまで存在します。それ以前の作品はデータとしては残っていません(手書き……ワープロも(持ってい)なかった時代に突入します。うは)。

 とういことで「森の詩(もりのうた)」です。
 一応、「雪の降る森の歌」の前身です。微妙にヒロインの名前が似ていて、舞台が森、というだけですが……まあ、あの、なんてゆーか、暗い、ですね。
 そーゆーことが書きたい世代だったのです。森林保護運動に参加とかしていたわけでもないです。あーゆーことが書きたい世代だったのです。だって10年前ですよおおおお。
 もっと暗くて救いもなくて話もよくわからなくてなんだかカッコばっかつけてるばっかのお話でよければ、納豆になるくらい(腐るくらい)あるんですが、たぶんすごく読むのが辛いと思います。
 わ、わたしも読見返すのが辛かったっす。内容も、文章も、漢字の選び具合も。なにより体言止めの嵐がっ。セリフの選び方とかツボとかは今とあまり変わってないっぽいですが……。
 暇つぶしどころかストレスたまりそーですが、あの、ええと、わたしの人生こんな感じで(多分)今だ成長中です。ずーずーしいですか、そうですか……。

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